劇場公開日 2017年10月28日

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「出会いが結末を決める」彼女がその名を知らない鳥たち 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0出会いが結末を決める

2024年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

建設会社でOLをしていた十和子。
頭に包帯ぐるぐる巻き、左手を三角巾で吊るしている。
包帯で片目を覆われている衝撃的な姿で、陣治と出会う。
その姿で作業員の陣治たちにお茶を出す事務員。

黒崎(竹野内豊)から恐ろしいDVを受けた直後だったらしい。
痛々しいその女に陣治は心を掴まれた。
鷲掴みにされた。
それが十和子と殉治の出会いだった。

沼田まほかる原作の特異な愛の物語り。
究極の破滅愛。
お互いを愛することで傷つけあい、
愛しても救われない。
美しくもない殉死愛。

阿部サダヲが傷ましい。
十和子に会わなければ普通に生きられただろうか?
違う
違う気がする。
歪な十和子だから惹かれた。
破滅の匂いに引き寄せられる・・・
陣治はそんな愛し方しか出来ない人間なのかも知れない。

監督が白石和彌だったことにちょっと驚く。
竹野内豊のクズ男にも驚いた。
蒼井優はもちろん男を破滅させる女を説得力もって演じた。
だけど一番すごい演技は阿部サダヲ。
心にこびりつく映画だ。

琥珀糖
talismanさんのコメント
2024年4月23日

原作もよかった

talisman
sow_miyaさんのコメント
2024年1月31日

琥珀糖さん、コメントありがとうございました。自分のレビューの方に補足をコメントしておきました。よろしくお願いします。

sow_miya
CBさんのコメント
2024年1月30日

> 心にこびりつく映画だ
名言。
白石監督と、俳優陣による傑作ですよね。
爽快な部分は1mmもない映画ですが。

CB
みかずきさんのコメント
2024年1月30日

共感ありがとうございます。

究極の愛を描いた衝撃作でした。

蒼井優と阿部サダヲの演技力が無ければ成り立たない作品だったと思います。

こういう作品に出会えるので、映画鑑賞は止められません。

では、また共感作で。

ー以上ー

みかずき