いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンザイライ)のレビュー・感想・評価
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向井理の祖父母のお話
2020年7月25日
映画 #いつまた君と~何日君再来(ホーリージュンザイライ)
ストーリーの中で祖母が半生記を書いているシーンがあるが、実際にこの映画は、主演の #向井理 が祖母が綴っていた半生記を映画化したもの
戦後の苦労がよく分かるが、少々盛り上がりに欠け地味なお話と言う感じ
【戦中から戦後の混乱期、幼き子供達を笑顔で守り育てた夫婦の尊崇な物語】
俳優、向井理さんの祖母、芦村朋子さんの半生記を、向井自身が企画に携わり映画化した作品。
向井理自ら演じた芦村吾郎と尾野真千子が演じた朋子夫妻の1940年の出会いから戦中の上海、戦後は愛媛、茨城、福島、大阪を転々としながらも明るく健気に生き、子供達を育てあげる姿に感銘を受けた作品。
そして、現代パートで朋子を演じた故、野際陽子さんのお元気だった姿も忘れ難い作品。
歌の名は知らねど、そのメロディを聞けば有る年代以上の方は懐かしさを覚える(と言われる:私は何故か知っていた・・)”何日君再来”の異国感ある、歌いまわしが美しい。
<戦中、戦後を苦労しながらも生き抜いた多くの先達の方々あっての現在の繁栄があるという事を改めて思い出せてくれた作品でもある>
<2017年6月30日 劇場にて鑑賞>
この時代の人間は逞しいし明るい
戦後の日本。貧乏で職を求めて居場所を求めて色々な場所を転々とする朋子(尾野&向井)一家。
まず70年前の日本の情景を上手く再現してて泥だらけになりながらも必死で生きてる姿がまぶしい。尾野真千子と向井理の夫婦二人で会話するシーンが印象的。貧しいのに暗い顔せず、特に尾野真千子が歌を歌って場を明るくしたり、いつも健気で夫や子どもに対する愛情をしっかり言葉で伝えたりする部分に感動した。向井理も男らしいし、一昔前の日本人はこんなに逞しくて素敵だったんだなぁとドキュメント映画を観てる気分になった。
今のスマホな世の中だからこそこんな映画たくさん作ってほしい。すごい考えさせられた。
それと、やっぱり尾野真千子の存在が大きい。生活感出す自然な演技と妻でありお母さん役、涙の演技が安心してみれる。ただもう少しだけ夫婦の心情を詳しく描いてほしかったかな。何回か見たらもう少し感情移入できるのかもしれないが。
南京事件
南京大虐殺という史実は時を経て、政治的、心情的にも変遷があり、殺害人数について特に問題とされてきている。特に日本においては、中国側の一方的な30万とも40万ともいう莫大な被害者人数が虚偽であるとして、“マボロシ派”、“虐殺派”、“中間派”とそれぞれ主張する人数に相違がある。資料は日本軍によってほぼ焼却されているため、正確な人数はわからないが、南京占領にあたり捕虜、民間人等、戦闘員以外の人間を殺していたのは事実なのだろう。全くなかったなどということはありえない・・・
南京で中国国民党とのパイプ役の仕事をしていたと思われる吾郎(向井理)は、昭和15年に朋子(尾野真千子)に求婚。そして南京での新婚生活を迎えるが、終戦後、幼い二人の息子を連れて上海を経由して引揚者となる。朋子の実家である愛媛の山間の農村へと移り住むが、父親(イッセー尾形)に煙たがられて、茨城へと引っ越すことに・・・
裸一貫で始めた生活。最初はフォード製のオンボロトラックで運送屋からスタートするものの、トラックの不調。タイル工場へ就職するも経理係が金を持ち逃げして倒産。友人高杉が寒天を送ってくれたことから、ところてん屋を始める。
吾郎の父親が地元でチフス感染を止められなかったことを苦に自殺したことで、チフスの呪いとかも蔑まれたりした暗い過去。そこから彼は天に見放されたかのように全ての商売にツキがない。子どもたちも貧乏だったという記憶しかないくらいだ。
昭和27年には高杉を頼って大阪に行き、石油会社に就職し、家族にも笑顔が戻ったのであるが、腰を患い、吾郎は帰らぬ人となってしまう。何もかも失ってしまった朋子は自分が働きたいと高杉に懇願し、末っ子真美だけを実家に預けて寮母として働くことになった。
鼻をたらしている真美が印象的。
ずっと、君と
向井理が自身の祖母の手記を、企画・主演で映画化。
てっきり著名な人なのかなと思ったら、ごく普通の一般人。
話もよくある戦後の家族の苦労話。
なので、赤の他人と言ったらアレだけど、何で向井理の祖父母の話を映画で見せられてるのかなぁ…と、ついついひねくれて思ってしまう。
しかし、誰の身にも置き換えられる庶民視点で、見易く、悲喜こもごもに共感出来る。
よくある…と言ったが、波乱万丈。と言うか、苦労の連続しかない。
祖母・朋子と祖父・吾郎の若かりし頃。プロポーズからスタート。
日本と中国の国交に携わる吾郎の輝かしい仕事で、南京へ。
が、戦争で引き揚げ。
朋子の愛媛の実家に身を寄せるが、厄介者扱い。加えて、吾郎の家族の訳ありの過去で邪険にされる。
愛媛を出て、裸一貫で再スタート。茨城~福島を転々とする。
職を得るも、吾郎の怪我、会社の不祥事で幾度も職を失う。
夫婦で小さな店を始める。思いの外繁盛するが、それも最初だけ。すぐに客足が遠退く。
知人を頼って、大阪へ。
働きぶりが評価され、新しく造る工場を任される話も。
やっと軌道に乗ったと思いきや、またまた不幸が襲う。
さらに、吾郎の身を、家族と同じある病が…。
劇中の台詞で「生きていくとは面倒」とあるが、そう思ってしまうのも無理はない。
どれだけ職を失い、どん底に落ちた事か。
吾郎は普段は穏やかだが、暴れたりはしないものの、あまりの不幸ぶりに酒に溺れる事もしばしば。
自分の不甲斐なさに、ある時別れを切り出す…。
苦労の連続だが、その中にも確かにささやかな幸せもあった。
苦楽を共に歩み、その夫婦愛と絆は絶対的なモノ。
苦労と不幸とどん底が襲いかかっても、二人が離れる事は絶対無い。
朋子にすれば吾郎が居ない人生なんて考えられないし、吾郎からしても朋子が居ない人生なんて考えられない。
死が二人を分かつまで…。
それは思いがけず、目前に…。
朋子役の尾野真千子はさすがの好演。
向井理も自身の祖父を熱演するが、ちと演技力の差を感じてしまった。
キャストではやはり、現在の朋子役で映画では本作が遺作となった野際陽子。改めて、合掌。
苦労を重ねた祖父母が居て、それを覚えてる親が居て、孫に当たる自分(向井理)は今人気俳優に。
人生や家族はどうなるか本当に分からない。
祖父母の人生は幸せだったんじゃないかと思う。
とあるシーン…。
子供たちが一人立ちしたら、二人で海外旅行をしよう、と。
それは残念ながら実現出来なかったが、別の意味では叶った。
描かれたその夢に、胸がジ~ンとさせられた。
悪くはない作品ではあった。
でも、映画でなくとも、2時間のTVSPでも充分のような…。
画に描いたような普遍的な夫婦愛の物語。
画に描いたような可もなく不可もなく。
タイトルなし
夫婦愛を繊細に表現していて、また、戦争の頃の混乱が良く描かれている...
娯楽作品ではない
普通の日々に感謝
予想を超える感動作!!
家族の..自分のルーツがここにある。
上映2日目だった。250人は入れそうな劇場に観客は25人程度だった。「選定を誤った可能性がある」と不安になったが、見ているうちに映画に引きこまれた。この映画を見ようと思った理由は、家族で見れること、結婚に感心がない適齢期の息子と、婚活を勧める妻と一緒に見てみんなで人生について考える機会になること…だった。団魂の世代に育った私には共感するシーンが一杯だった。ドラマは実話にもとづいている。世代を越えて伝えられなければならないこと。先祖の苦労の積み重ねの延長線に今自分がいる事。それらを改めて思い起こさせる良い映画だった。
最後の字幕の場面で主題歌が流れるが… これが明るく、希望に満ちた歌に聞こえ心地いい。歌が終わるころには涙も乾いて人に悟られることもなかろうと思ったが、トイレの鏡に映った顔を見て驚いた。目が充血して隠しようがない。映画を見終わった後、しばらくは人と目を合わせてはいけない。でもぜひ家族と映画館で見たほうがいい。
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