「光からの喪失、喪失からの光」光と血 やべっちさんの映画レビュー(感想・評価)
光からの喪失、喪失からの光
まごうことなき傑作。
大切にしていたものをなくした人たちにわずかにさす光の話。
あいもかわらず、藤井監督の画面の光の使い方がすばらしく、美しい絵画のよう。喪失を描いているので、展開は長い闇のようなのだが、場面ごとの背景の光が綺麗で、そのアンバランスさもまた絶妙。
登場人物が多目なので、確かに最初はとっつきづらく感じるかもしれないが、登場人物が綺麗につながり、収束し、さらに最後の展開は予想できず、何本もの名作を一気に観たような気分にも感じた。
新聞記者、デイアンドナイト、青の帰り道、そして本作。藤井監督作品にはハズレが一切なく、全てが素晴らしい。心の底から脱帽です。
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