劇場公開日 2017年10月21日

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「 儲かって儲かってしょうがない。しかし最後はあっけなく・・・と、金...」バリー・シール アメリカをはめた男 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 儲かって儲かってしょうがない。しかし最後はあっけなく・・・と、金...

2018年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 儲かって儲かってしょうがない。しかし最後はあっけなく・・・と、金儲けすることが人生の全てじゃないことを思い知らされた。“CIAと麻薬カルテルを手玉に取った天才パイロット”と謳われて、どんな凄いことをやってのけたのかと気になっていたのですが、いつもトム・クルーズが演じている巻き込まれ型のスパイ・アクションと同じく、CIAに誘われホイホイと、麻薬王エスコバルに誘われホイホイと、ある意味巻き込まれ型の犯罪アクションの作品でした。

 それでも1キロ当たり2000ドルの麻薬はよだれが出るほど美味しい仕事。滑走路も短い、重量制限に引っかかりそう、そんな不安も金のために天才的テクニックを発揮して無難に運び屋を務めるバリー・シール(クルーズ)。麻薬取締局DEAの追手も巧みな低空飛行で逃げ切り、湿地帯にブツを落として帰還する。おかげで家の中は札束だらけ。やがてCIAの依頼はコントラへの武器密輸も加わり、扱う仕事がでかくなってきた。パイロットなどの従業員を雇いいれるほどにまで業務は拡大して、日本円で200億円を超す年収となっていた。

 歯車が狂い始めたのが、妻ルーシーのダメダメな弟が家を訪れ、溢れんばかりの札束を盗んでしまったことから、州警察に逮捕されてしまったことだ。あちこちから睨まれるようになったので、多分エスコバル側が車に爆弾を仕掛け、弟を殺してしまう。そしてバリー自身もDEA、ATF、FBIから追われることに。州警察も絡んで、4方向から逮捕されるシーンは笑えた。

 レーガン政権時、サンディニスタ革命政権に対し反革命コントラに資金援助を行っていたが、それがアメリカに麻薬が蔓延することにも繋がるという皮肉。金儲けしても幸せにはなれないということも含め、終わってからじわじわと考えさせられる作品でした。また、トム・クルーズのスタントなしの飛行機操縦だとか、住宅地に不時着したりする小ディザスターにも驚かされ、楽しんで映画作りをしている雰囲気が伝わってきました。ただ、黄色のフィルターをかけたような映像だったりとか、音楽が60年代、70年代風な選曲だったりして、ちょっと古臭さを強調しすぎたのではないかと思ったのも事実でした。

kossy