機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWERのレビュー・感想・評価
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傷と残滓とガンダムと
「機動戦士ガンダム サンダーボルト」総集編第2作。
Huluで鑑賞。
原作マンガは未読、OVA版(全4話)は未見です。
一年戦争終結後の小競り合いの中で、戦争の残滓に翻弄される若者たちを迫力の戦闘描写の中で描いた力作でした。
前作では専ら宇宙での戦闘でしたが、本作では地球に降り立ち、陸海空それぞれで激闘が展開されて迫力満点!
前作のキャラクターは、サンダーボルト宙域での戦闘で負った傷を抱えながら終戦を迎え、さらにその先の掃討戦を戦っていました。己の存在意義に悩んだり、命がけの戦いの中で生を求めたりと、深みのある人間ドラマが展開され、戦争とは何かを突きつけて来る手法が秀逸でした。
[余談]
カルト集団との戦いの中で死んだはずの仲間と再会することに…。彼らの運命や如何に…ってところでまさかの終幕!
どうやら続きは無いようで…マジか…続きは原作マンガを読むしかないのか、それとも続編アニメつくるのか…どっち?
完成度は高いが前作ほどの高揚感を感じない
何の気なしに観た前作『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』があまりに面白かったので、原作漫画まで読み始めてしまった。
そして本作を観たわけだが、やはり原作を知っている分、次にどんな展開になるかわかってしまうせいか、前作ほどは歓びと驚きをもって本作を観られなくなってしまった。
改めて思うが、映画を観る前に原作を知るのは善し悪しがある。
前作『DECEMBER SKY』が原作漫画の1〜3巻までに当たり、本作は4〜7巻までに当たる。
本作は前作に比べて19分上映時間が伸びているので、1巻分としてほぼ妥当である。
しかし上映時間を伸ばして『Twilight Axis』というどうでもいい短編作品を抱き合わせにして一律1800円の料金を科すのは阿漕である。
確かに上映館が少ない弱みはあるが、もはや目標とする観客層に親子連れや学生はなく、大人しか狙っていないということなのだろう。
悪い言い方をすれば、少子化で少なくなった若年層を閉め出して、ちょうど筆者のようにガンダムとともに育った世代を中心に一般料金を文句もなく支払う余裕のあるオタクからふんだくる必勝の戦法である。
おそらくガンダム自体は手を変え品を変えこの先ずっと続けていくことができるが、それを熱狂的に支える我々世代もいつかは死ぬ。
筆者はテレビやPCの小さい画面で1300円も払って本作を観たいと思わないが、最近の若者は映画を映画館で観ないとも聞くので配信サービスで済ますのかもしれない。
とはいえ、本作は小学生以下には難しい作品だが、大学生はもちろん、中高生にも理解できるだろうし、人間性の深いドラマが展開するだけに、本当は他の映画作品と同じように劇場で気軽に観られたら良いと思うともったいない。
仮に前作の一律1500円料金を払ってわざわざ劇場で観た中高生がいても、本作の料金設定を見てあきらめた人もいるだろう。
目先の利益に捕われて裾野を広げる努力を怠ったためにガンダムというブランドが尻すぼみにならないよう願うばかりである。(実質は既になっている可能性もある)
人間ドラマが薄くほぼ政治劇に終始した『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦』とは違って、本作は豊穣な悲喜こもごもの人間劇に加えてモビルスーツの活躍場面も多く、何よりファーストガンダムよろしくモビルスーツ戦の最中ですら対戦者間で、あるいは味方間で人間ドラマが展開する。
また今まで筆者が観たガンダムの中に宗教という要素は全くなかったので、原作漫画を読んでいて南洋同盟(南洋宗)という宗教団体が登場した時はとても興奮した。
三国志に代表されるように、物語が一番面白くなる連邦、ジオン残党、南洋同盟が敵対する三つ巴の構造になっている。
しかも現段階で既にムーア同胞団でイオの味方だったクローディアが何らかの理由で敵対する南洋同盟で尊敬を集める「比丘尼様」に転身している。
敵味方が入り乱れるのも作品を面白くする1つの要素である。
死を恐れない南洋宗の兵士は明らかに自爆するイスラム教徒を想起させるし、原作ではこれ以降より敵味方が入り乱れて行く。
ますます目が離せない。
個人的にはニュータイプ物語を受け継ぐガンダム正伝である『機動戦士ガンダム ユニコーン』よりも本シリーズの方が上である。
劇中にジャズが流れるのもまたいい。
戦争とジャズ、一見ミスマッチな両者が意外にもハマってしまう戦闘シーンは前作でかなりな驚きだった。
漫画原作者の太田垣康男もこれだけは漫画で表現できないと賛辞を惜しまない。
我が家にマイルス・デイヴィスのCD-BOXがあっても全て聞いているわけではないし、デアゴスティーニの隔週刊の「COOL JAZZ COLLECTION」を購入してCDを聞いていたぐらいなので、筆者はジャズの触りも理解しているとは思えないし、実際本作の音楽を担当している菊池成孔も知らない。
アメリカの本シリーズファンから日本のアニメだから楽曲も日本語で聞きたいという要望があって、本作からジャズの歌詞も日本語になったようだが、それ以上に昭和歌謡調の曲が流れるのが印象に残った。
ただどう考えても前作のサイコ・ザクやフルアーマー・ガンダム、本作のアトラス・ガンダムやガンキャノン・アクアのデザインは時代的には後世になるZガンダムのものより複雑で洗練されている。
デザインも進化するから仕方ないとは思うが、ニュータイプが使用する機体ではないのに見た目からして後世のガンダムより性能も上に見えるし、実際にも多機能で上に感じてしまう。
ここだけは現実感を感じない。
原作がどこへ向かうのか全く予測できないが、これからの展開に期待したいし、原作自体は現在10巻まで刊行されているので、いつでも第3段の映像化は可能そうである。
アニメとしてのレベルは高いものの、音楽込みでも原作ほど入りこめなかった。
また観直すと印象が変わるかもしれないが、今のところは前作に比べると高揚感は低い。
いっそ思い切り良く
前作だけでなく、原作漫画を観ないと何が繰広げられているかサッパリ分からんストーリー構成。勿論、あらすじは何かの媒体で観ている人が殆どかと思うから良いのだろうが、誤解を恐れず発言するならば、もう漫画がどう動くのかの確認作業で鑑賞してると言っても間違いないと暴論かもしれないが。。。
前回の戦争状態に於ける人間の業の深さ、戦時中の極限の精神状態故の利己主義、ご都合主義が支配してしまう状況をよりドラマティックに描いたのに対し、続作である、今回は打って変わって宗教とスペースノイドである人種、しいてはニュータイプの関係性がどう結びつくのかというストーリー展開である。テーマ自体はさもありなんという誠実な流れで良いのだが、いかんせん説明や補助が一切ないので、原作漫画を読んでいる人のみがついていける形になってしまっている。パンフレットを観客皆が買ってる訳がないので、不親切だなぁと思ってしまうのはそれこそ時代遅れなのか?(ちなみに原作既読)
キャッチフレーズである『大人のガンダム』、『ハードボイルドガンダム』を掲げるのは間違いではないと思うが、もう少し丁寧さが必要と感じた作品である。多分、原作も未完なのでシリーズも続くのだろうが、漫画では表現出来ないところ(例えば、音楽は菊池成孔氏だから、ジャズとフィフティーズポップスを中心に演奏されているのだが、今回は映画挿入を意識されて楽曲を組んだらしい)をオリジナリティを超える程のぶっ飛んだイメージで表現してくれたらと願うばかりだ。子供が面白くないガンダム、そこに映画化される大義があるように自分は信じる。
追伸:楽器演奏シーン、これは酷い作画だった。モーションキャプチャーなりを使った3DCGを使用しているのだろうか?菊池氏の関係の今現在最高のテクニシャンなピアノ&ドラムのアーティストが演奏しているのにそれを生かし切っていないのは明白。このシーンだけでも、折角のアダルトアニメを台無しにしている。
あー、唯一良かった音効が、ニュータイプが何かを気付くシーンの、あの『ピロリロリ~ン♪』はきちんとファーストを引き継いでいて良し!!
やはり原作の方が!
これも繋いだ作品なので、話がはしょられている感があります。
しかしモビルスーツ戦は、流石の迫力。でも後半は、お腹一杯気味に長く、入り乱れたシーンの切り替わり。しかも夜間戦闘!(笑)
コア・ファイターのドッグファイトも良し。
本当、ユニコーン方式で、じっくり描いて欲しかった(苦笑)
前シリーズのレビューでも書いたのですが、原作の戦争の悲壮感とか、泥臭さが無くなってしまって・・・
スパルタンは原作は、もっと武骨なイメージだったのが、アニメは、ちょっとアレンジしたホワイトベース風に(涙)
ビアンカも原作より幼いイメージになったような。原作は本当に「姐御」って感じだったのに。
本当、つくづく勿体無いと思います。
結構原作に近づいたと思うんですが、まだシリーズ続けますよね?ラスト思いっきり尻切れとんぼで終わってますから。
宗教風味は、賛否両論ありますが、戦争に宗教は、なにがしら付きまとうもので、ガンダムで描くとあんな感じでは?
戦闘シーンは力強い
ネット配信の再構成になります。
前作から続いて、戦闘シーンの力強さが目立ちます(^_^)b
特にアッガイの潜入シーンに愛を感じます(笑)
ストーリーは、原作も終わってないので、途中で終わりす。
是非とも、ストーリーも完結させて欲しいです。
シリーズ化を期待してます!!
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