「トレインスポッティング同窓会」T2 トレインスポッティング 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
トレインスポッティング同窓会
90年代のミニシアター作品の代表作で、監督ダニー・ボイルやユアン・マクレガーら第一線で活躍する英国勢の出世作でもある『トレインスポッティング』。
今尚日本でも熱狂的な人気作ではあるが、どうもヤク中の若者たちの話は性に合わず、音楽以外当時から乗れないでいた。確か当時も見たのは2回くらいで、以来全く見ていない。
しかし、主要スタッフ・キャストがカムバックして20年振りに続編を作るとなれば、さすがに興味惹かれる。
前作も超久々に再見して(やっぱり乗れなかったけど)、鑑賞。
率直な感想としては、全力疾走なヤク中若者物語だった前作より何だか落ち着いた印象と言うか、見易かった。
ま、一応彼らも大人になった訳だし。
若い頃の自堕落な日々が祟ってか、大人になってもパッとしない日々のかつての仲間たち。
シック・ボーイは恐喝や売春業で生計を立て、スパッドは職ナシ家族ナシに。ベグビーに至ってはムショに入ったまま。
そんな時、20年前に仲間を裏切って大金を持ち逃げしたレントンがエディンバラに帰郷して…。
にしても、この20年という歳月!
ユアンはジェダイ・マスターとなり、ロバート・カーライルは何だかハーヴェイ・カイテルそっくりに(笑)
ダニー・ボイルなんてオスカー監督になっちゃった!
変わったのは見た目だけで、中身の方は…。
さすがに若い頃のようなはっちゃけ勢いは歳を取って衰えたにしても、やってる事は同じ。
ヤク、犯罪、騒動…。
おまけに、レントンに恨みを持つベグビーが脱獄して…。
因果応報。
生き方は変えられない。
若い頃からバカばかりやってきた自分の人生。
でもこれが、選んだ未来、選んだ人生。
自分なりに生きろ。
中年に差し掛かったかつての若者たちの変わらぬ生き方を、生き生きと、ユーモアと哀愁散りばめて綴る。
若い頃から中年間近へ、そしてまた20年後に初老に差し掛かった彼らを見るのも面白そう。
でも、全く変わってなかったら…ちょっと洒落にならないかな?(^^;