「【”父は娘の人生についてのコンサル&コーチ。そしてGREATEST LOVE IS ALL。”父親は、どんなに娘が優秀でも心配する生き物なんです。父と娘の関係性の変遷をユーモアたっぷりに描いた作品。】」ありがとう、トニ・エルドマン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”父は娘の人生についてのコンサル&コーチ。そしてGREATEST LOVE IS ALL。”父親は、どんなに娘が優秀でも心配する生き物なんです。父と娘の関係性の変遷をユーモアたっぷりに描いた作品。】
ー 今作は、実に可笑しくてヘンテコリンな作品である。-
■悪ふざけの好きな性格の父・ヴィンフリート(ペーター・ジモニシェック)とバリバリのキャリアウーマンの娘・イネス(ザンドラ・ヒュラー)。
娘と久しぶりに会った父は、コンサルとしてバリバリ働く姿を見て優秀だと思いつつ、彼女が営業用の作り笑いしかしない姿に少し心配になり”トニ・エルドマン”という名前になって、何処から見ても変装しているとしか見えない出っ歯の入歯とかつらを被り、彼女のもとに現れる。
イネスの大事なビジネスの最中に、突如現れ悪ふざけを繰り返すトニ・エルドマンに、イネスはいら立ちを募らせていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作を観ていると、ヴィンフリートがキャリアウーマンの娘・イネスの事を、本当に大切に思っている事が分かるんだよね、娘を持つ男としては。
・けれども、あれだけ大事なビジネスの最中に、変装しているとしか見えない出っ歯の入歯とかつらを被り”トニ・エルドマン”と名乗って、”ドイツ大使です。”。とか言って現れたら、そりゃ最初は苛つくだろうなあ。イネスの女子会に突如現れるシーンは可笑しかったなあ。
・けれども、イネスはそんな父の姿を見て、徐々に父の自分を心配する気持ちに気付いていくんだよね。
・そして、ルーマニアの人達の仕事をマルっとアウトソーシングしようとする会社のコンサルとして働いていたイネスは、”トニ・エルドマン”が仕事の手順を間違えただけで首にされそうになったルーマニアの労働者を助けようとしたりする姿などを見て、”トニ・エルドマン”とルーマニアの家庭のパーティにお邪魔して、ホイットニー・ヒューストンの”GREATEST LOVE IS ALL”を”トニ・エルドマン”のピアノに合わせて歌っちゃうんだよね。
・徐々に”トニ・エルドマン”の影響を受け始めたイネスは、自分の誕生日パーティをイキナリ、全裸パーティにしちゃうシーンもクスクス可笑しいのだなあ。
会社の上司や同僚も、ビックリしながらも恥ずかしそうに裸になって参加するしね。けれども、一番笑ったのは、”トニ・エルドマン”が毛むくじゃらの”クケリ”の着ぐるみを着て部屋に入って来るシーンだったね。イキナリ毛むくじゃらの”クケリ”に肩を叩かれてビックリする(そりゃ、そーだ。)の上司の姿は可笑しかった。
けれども、部屋を出て行った”トニ・エルドマン”を全裸のイネスは一枚だけネグリジェみたいな服を羽織って追い掛けて行って抱き付くんだよね。
<今作は、お互いに相手を思い遣っているのに、上手く意思疎通できなかった父と娘が、父が”トニ・エルドマン”となって、娘に対して”そんなに、しかめっ面で仕事ばかりして、利益優先とか言って労働者たちの仕事を奪ったりしないで、人間らしく生きようよ。”と言う思いを伝える様が、何だかクスクス笑えて、少し心に沁みる作品ではないかな、と思ってしまったのだよ。今作はヒューマニズムを基調にした良き作品だと、私は思いました。>
NOBUさん、こんばんは。この映画好きでありがとうございます。私は好きでドイツの友達にも勧めたけれど、ありえなーいという反応でした。そういうドイツ人が馬鹿なんだと私は思います。この映画でザンドラ・ヒュラーを知りました。すごい、超ドイツ!(意味不明)、と思いました。ドイツ映画はこれから変わるなとワクワクしました。東西ドイツの壁が壊れた時、まだ子どもで若かった人達、彼らが素晴らしい俳優になっています!