グレイテスト・ショーマンのレビュー・感想・評価
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ザック、ザック、そしてゼンデイヤ、ザック!
えげつない見世物小屋の権化みたいなP.T.バーナムの人生を、夢を追う感動ミュージカルとして描く。このご時世には難しい、センシティブな題材だと思う。それが成功しているとは思わないが、はぐれ者たちが身を寄せ合う物語に音楽の高揚感が重なると、心打たれずにはいられない。多少危険な陶酔だとも思うが、エンターテインメントにはこれくらいの棘やささくれがあっていいとも思う。
そして輝いているのはなんといってもザック・エフロンである。「ハイスクール・ミュージカル」の歌って踊れるアイドルスターとして人気を博したわけだが、さすがに同じ売りでは可能性が開けないと判断したのか、得意とする歌とダンスを披露する場は控えていた印象がある。
ここでは本来のポテンシャルを久々に解放していて、歌のグルーブ感などはヒュージャク座長を上回っていると感じたし、ゼンデイヤとの相性もいい。美男美女に素直に酔わせられるのもたまにはいいものである。
圧倒的な音楽の世界に心奪われる
凄い作品に出逢ってしまった。観終わって劇場内が明るくなっても、暫くの間、作品の世界感に浸っていた。心地良い余韻は当分続くだろう。本作は、実在した伝説の興行師の波乱万丈の半生を描いたミュージカルである。台詞を極力排除した、全編、力強い音楽の世界に酔いしれる見応えのある作品である。
本作の舞台は19世紀のアメリカ。貧しい子供時代を過ごした主人公バーナム(ヒュー・ジャックマン)は、長年想っていた妻(ミシェル・ウィルアムズ)と結婚し、幸せな家庭を築いていた。彼は、突然、勤め先を解雇されるが、家族のために奮起し奇想天外なショーを思いつく。世間の非難を受けながらもショーは次第に人気を集めるが、彼は、それでは満足せず、更にショービジネスの世界に没頭していく・・・。
本作は波乱万丈なストーリーではあるが、分かり易くシンプルな展開であり、意外性は少ない。しかし、全編に溢れる音楽のパワーが圧倒的であり、冒頭から心を鷲掴みにされ、作品の世界に惹き込まれる。キレキレのダンス、躍動感溢れる楽曲、歌唱力抜群の歌声に加え、歌詞が素晴らしい。心奪われる。
バーカウンターのシーンでは、価値観の違う2人、夢を追いかける主人公と現実主義者のフィリップ・カーライル(ザック・エフロン)の心情が、コミカルな歌とダンスに加え、巧みな歌詞で小気味良く表現されている。主題歌『This is me』は、数奇な運命を辿ったショーの演者たちの心情を無駄のない歌詞で力強くストレートに表現している。運命に屈することなく、自分を受け入れ強く立ち上ろうとする想いに溢れていて、強く胸を打つ。涙が止まらない。悩み多き我々の人生を鼓舞してくれる。
実在した主人公は決して善人ではない。金儲け目的の奇想天外なショーを企画するような人物なのだが、そうは観えないのは、主人公を演じるヒュー・ジャックマンのクリーンな佇まい、人を楽しませたいというエンターテイメントに徹した姿勢によるものである。前半で、妻との結婚に至るまでの紆余曲折の経緯が描かれるので、夫婦愛を感じるのも奏功している。
本作は、音楽の持つ圧倒的なパワーで元気が貰える上質のミュージカルである。親子愛、夫婦愛、友情、仲間、成功と挫折、偏見、驕りなど、人生で経験する様々なものが詰め込まれているので、世代を問わず楽しめる作品である。
大興奮のショータイム。何度観ても感動と迫力が伝わる
フォックスは『X-MEN』シリーズやティム・バートン監督の『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』でも「“人と違う”ことは一つの才能なんだ」と背中を押してくれるテーマを掲げてきた。その文脈から見て、長年X-MENを率いてきたヒュー・ジャックマンが、シリーズから身を引くのとほぼ同時期に『グレイテスト・ショーマン』でも同じテーマを訴えているのは、もはや宿命というほかないだろう。その冒頭、頭のてっぺんから手足の先まで、全ての神経が総動員された抜群の身のこなしを目撃にするだけで、瞬時に世界へ入り込める。軽やかさと力強さを併せ持つあの歌声。観客たちの力強い足踏み。そこから始まる、身分の違う少年と少女が流れるように大人になっていくシークエンスは出色の出来だ。華やかで、テーマ性も厚く、観ているだけでも興奮が伝わる。何よりも大きなパワーをもらえる。世界中で批評家よりも観客に愛されてヒットしているのも納得だ。
着想の良さと音楽の魅力
まず、実在した興行師の半生をミュージカル映画で描くという着想がいい。ミュージカルの題材としてエンタメ業界は過去にもたびたび扱われてきたが、個性豊かな外見のパフォーマーたちが歌い踊るショーや、アクロバティックな空中の曲芸、美しき歌姫の劇場公演など、ミュージカルという枠組みの中で描かれることによってその魅力も輝きを増す。なるほど親和性は抜群だと感心させられる。
楽曲もポップで気分を盛り上げる。19世紀米国の話なのに現代的なアレンジが馴染むのは、エレキギターやシンセ系の音色を控え目に、ストリングスとリズムセクションを前面に出す配慮のおかげだろう。
元々オーストラリア時代にミュージカルの舞台でも活躍していたヒュー・ジャックマン。ハリウッド映画でこれほど精力的に歌い踊るパフォーマンスは、年齢的にぎりぎり間に合ったという印象。良いものを見せてもらった。
評論家には酷評・観客には大人気
一種の模範的作品だと思う。脚本・演出・編集において「ある意味」良く出来ている。(ただし捻りは皆無。ご都合主義満載)
とりあえず及第点の星3は確定するとして、諸手を挙げて拍手するには引っかかってしまう部分に言及したい。
先にポイントを述べると
・実在のP.T.バーナムは「良い奴」ではない。
・フリークショーは奇異な外見、珍奇さや禍々しさ、猥雑さを売りにしたものであり、観客の好奇の視線に晒す事を目的としている。
・それを「個性を輝かせる」「差別・偏見の払拭」という美談に作り替えるのはどうかと思う。
という事になると思う。
まず19世紀のアメリカが舞台という事で、当時の史実や社会情勢を「現代」と重ねて考える事は出来ない。
(日本では天保年間。幕末の志士達がまだオギャーと生まれた赤ん坊の頃だ。)
とりわけ「身分制度・階級意識」
「独立戦争の頃には今後縮小されていくと思われた奴隷制度が、綿花栽培産業などの為にむしろ拡大していった事」
「全白人男性の普通選挙の実現(それまでは一部の上流階級に限られた)」
「一般大衆を支持基盤としたジャクソン支持者達による民主党の創立。ジャクソンの大統領就任」
「南部西部による中央銀行潰しと州銀行による通貨過剰発行によるインフレ」
その辺りを踏まえて本作を観ると、当時の人権意識が発達過程のどのような段階にあったのかを推し量る事が出来る。
・欧州の支配からは逃れたいが、自らはその模倣に拘泥している上流階級。(しかしながら彼らが「本物の芸術」を育成する支援者である事実も少なからずある)
・一般大衆や移民層の、政治&経済的影響力の拡大
そういう熱いエネルギーが蠢く混迷の中、P.T.バーナムという人物は実に水を得た魚だったのだろうと思う。
LIFE誌では「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に選ばれている。
バーナムが残した目覚ましい功績は
「多数の大衆を動員出来る『サーカス』『動物園』『フリークショー』『蝋人形』をすべて盛り込み、演出や構成にも趣向を凝らした「ショービジネス」の確立」
「サーカス業界初のサーカス興行列車の立ち上げ」
かと思う。
(※晩年は市長や州下院議員として色々と功績を上げているだろうが興行師としての件に絞る。
※webに「サーカスの創設者」のような解説が散見されるが「サーカス」自体は1770年にはすでに確立されている。)
しかしながら、やはり彼の成功を切り拓いた原点は「フリークショー」であり、そこにあるのは人権意識ではなく金儲けだった事は想像に難くない。
フリークショーが「空中ブランコ」や「曲芸」のように「サーカスの一演目」とされず、わざわざ「フリークショー」と区別されているのは「奇異な外見を好奇の目で見る差別意識」に対する人権的反発が根底にあるからだ。
映画内では、バーナム博物館への反対者達はレイシスト(差別主義者)として描かれていたが実際はどうだったのだろうか?
実は真逆で、差別意識に対する不快感から否定していた人達もいたのではないだろうか。
ベネット記者の酷評に似た反発があったのではないかな?(いや、民衆側だとやっぱりレイシストも多かったのか、、、)
残念ながら1830年代というのはまだまだ孤児を監視下において虐待による芸の習得や搾取が罷り通っていた時代だ。映画「フリークス」に出演しているヒルトン姉妹(結合双生児)などは実親に売り飛ばされている。
「フリークス」は1932年、トッド・ブラウニング監督作品だが、この作品は観客に大変なショックを与え、監督生命を閉ざすものとなり、イギリスでは30年に渡って公開禁止とされた。
バーナムが最初に博物館を開いてから約100年。この100年間で人権意識の普及には格段の進歩があったと言える。
現実のバーナムに好感がもてる点といえば、フリークショーの出演者達に「正当な報酬」を支払っていた事だ。
先のヒルトン姉妹などは支配者らにすべての利益を奪われ、姉妹は彼らが飼育する「所有物」として扱われていた。その半世紀以上も前から、彼らを対等な人間として正規契約していた事はバーナムの人柄に優れたものを見いだす事が出来る。
事実「親指トム将軍」は大人気のスターとなる。史実ではヴィクトリア女王に拝謁できたのはフィリップのコネではなくトム将軍の人気によるものだし、火災ですべてを失ったバーナムを助けたのはこれまたフィリップではなく、財を築いていたトム将軍だ。
今よりも遥かに身体障害者への差別と偏見が激しかった時代、例え大半が好奇と憐れみと蔑みの視線だったとしても彼らに「生きるすべ」と「成功へのチャンス」を与えたことは評価すべき功績なのかもしれない。
ただ、やはり「バーナム効果(行動心理学用語)」などのネガティブな単語まで作られてしまうようなP.T.バーナム。美談と感動の名作にしてしまうのはどうかなぁ、と思ってしまう。
いっそ、バーナムにインスパイアされた「まったく架空設定の物語」にすれば良かったのになぁ。
(バーナムがフィリップを助けに炎の中に飛び込んだシーンは素晴らしいと思った。あの行動が団員達に「あれが自分だったとしてもバーナムは助けに来てくれる」という強い信頼を生んだと思う)
とまぁ、初見直後にはこんな感想を抱いたわけなんですがね。
改めて映画評を見てみると「映画評論家の反応は真っ二つに分かれ半数は酷評」「しかしながら観客評価は高く、口コミでじわじわ評判が広がりアカデミー賞ノミネートに至る。ただし無冠」
(米国評論家はやっぱり実際のバーナムに引っかかるらしいw)
なんてこった!
まるで本作内のBarnum's American Museumそのものじゃないか!(苦笑)
そして、日本では公開初日から大ヒット。
つまり「アメリカの近現代史」に馴染みが薄ければ薄いほど本作の評価は高いというわけだ。
実際、ウチの息子も「視聴前と視聴後で人生が変わるくらい感動した!」って言ってるしねぇ。(ただし、キミはもう少しアメリカ史を勉強しろ(笑))
う〜む、映画制作の「教材」にしたい作品だとは思ったけど、感動はしなかったしなぁ、、、。
時代背景や時代考証はすべて無視して
「現代社会の投影」として鑑賞した方が良いのかなぁ、、、。
いずれにせよ「世の中のニーズに応える作品」である事は認めねばなるまい。
でもなー、やっぱり本心では「多様性」という「見せかけのポリコレ」で感動を狙った薄っぺらい映画、って感じちゃってるんだよなー。曲とダンスはまぁ良かったけど。
でも、ミュージカル仕立てなのに歌がアテレコ感多すぎるのもどーかと思う。
映画としてはバーナム並みのフェイクって感じる。
「感動させるフォーマット」に落とし込んだ小手先のテクニックだと感じてしまう。(だから、ある意味では映画制作教本向きなのよね)
こーやってごちゃごちゃ書くと、またぞろ知識のひけらかしだと不興を被るかもしれないが、率直な感想なのだから仕方ない。
まぁ、そんな時には一言。
This is Me♪
と歌ってみるか。
頭でみるな、心で感じろ
アメリカ公開当時、映画にも出てくるような映画に喜びを見いだせない、頭で映画を観る評論家達がこの映画にフリークスへの扱い当々について『偽善』と辛口批評したそうですね。
おかげで公開3日の数字もかんばしくなかった本作。しかしながら観客は楽しむ為に映画を観る。頭なんかで見ずに純粋に心で楽しんだ観客達からの評判であれよあれよと大ヒット。
この映画と同じ事が公開当時に起こったんですね。素晴らしいじゃありませんか。評論家と違って観客は感動に素直なんですよ。
制作陣はそう言った評論家から出るであろう偽善という批判が出る事はわかりきった上で、それをバーナムのようにあえて最初から飲み込むつもりで力強く進んだのかと思うともう鳥肌もんです。
企画段階では出演するのがフリークスという事でテーマ的に映画化まではかなりの困難な道程で8年の月日がかかっとか。
私達はフリークスではないが、同じように社会で人から蔑まれたり、人から愛してもらえない孤独を感じたり、何かしらの社会からはみ出している感覚を味わう。
そんな誰もが持っているコンプレックス。のけものにされたフリークス達の魂の叫びでもある『this is me 』に強く生きる勇気をもらえるのだ。
そしてそんなストーリーがまだ始はじまってもないオープニングのシーンで圧巻の映像と迫りくるような歌声に、悲しくもないのに涙をながしました。
これぞ心が素晴らしい芸術に圧倒されると言う事をなんだと思い知りました。
ストーリーがどうとか、フリークスの扱いが薄いとか評論家のように頭で映画を観ずに、思いきり心を200%開放してこの映画を楽しむ事をオススメいたします。
完全に中毒の私はすでに5回鑑賞しました。この映画をまだまだ何度でも見れます。というより観たいです。はい。
異形の人たちが『This is me』と誇りを持って言える世界
はそれだけで素敵です。
19世紀に実在した興行師のP・T・バーナム。
サーカスと言う呼び名を広めたことでも知られる。
はじめは「バーナム博物館」を作るが、客が集まらず、
思いついたのは畏形の人々を見せ物にすること。
空中ブランコ乗りの兄弟、小人症の男、髭もじゃの女性、
など異形のマイノリティたちは、親にも疎まれ暗い日々を
送っていた。
しかし家を出て、サーカスで働き、賃金を得て、仲間がいる。
彼らは自分の個性を、これが私、『T his is me』と誇りに思うのです。
この場面は胸を打ちました。
サーカスは社交界や知識人からは馬鹿にされて、
山師っけのあるバーナムはもっと上を目指します。
ヴィクトリア女王との謁見に気を良くして、更にスエーデン人の
オペラ歌手ジェニー・リンド
(実在の人物です、演じるはレベッカ・ファーガソン)を
連れて世界ツアーで勝負を賭けるのです。
しかしジェニーの裏切りにより、興行は大失敗。
留守中のサーカスは放火により消失。
そんな時にマイノリティの団員たちが、
『サーカスは私たちの家族』と歌ってバーナムを励まします。
彼らにとってサーカスはもうなくてはならない存在。
生き甲斐そのものなのです。
バーナム役のヒュー・ジャックマン。
当たり役ですね。素晴らしいショーマンぶり。
歌もピカイチ、踊れるし二枚目だし、
このミュージカル映画は名曲揃い、歌う俳優たちの歌唱力も
言うことなし。
ザック・エフロンと空中ブランコ乗りのゼンデイヤの恋も花を添えます。
続編の構想はあるそうなのですが、いつになるのでしょうね。
全体的に歌もダンスもクオリティが高く、聞きごたえ&見応えがある
Amazon Prime Videoにて字幕で視聴。
いつのまにか妊娠したり、いつのまにか二人の娘がいたりと、最初からテンポが良いミュージカル映画。テンポが良いからなのか、此方の想像力が自動的に働いた。おかげで細かいことは氣にならなかった。
いつのまにかユニーク団は歌もダンスも上手になっている。いつのまにか作った劇中歌。バーナム(ヒュー・ジャックマン)が楽曲づくり兼プロデュース&踊りも考えているという設定だとしたら、バーナム天才。
俳優陣の演技力と歌唱力がすばらしくて、何度も観れる。
ジェニーが歌う『Never Enough』が好き。
フィリップ・カーライル(ザック・エフロン)&アン・ウィーラー(ゼンデイヤ)の身分違いの恋の歌『Rewrite The Stars』が最高で、エンドロールで再び聞いても飽きない。
エンドロール中の油絵風の紙芝居的な演出も味わい深い。
主人公の人間性を肯定できなかった
とても話題で評価も高かったため見てきました。
レティと歌姫の歌声は素敵でしたが、主人公やストーリーがイマイチ。
主人公が貧しく苦労した少年時代や、フリークスたちの描写をもっと丁寧につくってほしかった。
何より、私は最後まで主人公を肯定できませんでした。主人公の人間性がたまらなく不快だった。
金儲けのためにフリークスを集め見世物にしたあげく、ある程度金を得たらフリークスたちを差別。「みんなに愛される」や「みんなが君に敬礼する」というような文句で、コンプレックスを抱えるフリークス達をその気にさせるけど、そんな言葉は本心でもなんでもなく口車に乗せただけ。クズな詐欺師にしかみえなかった。人の心をなんだと思ってるんだ。ゼロから始めたメンバーや家族をおざなりにするあたりも不快。歌姫に迫られても家族を愛して踏みとどまったところだけは評価できる。
良い人では成り上がっていけないのだろうと思うと、ある意味この主人公はとても現実的ではあるけれど、最終的に周囲が彼を肯定しているのは非現実的。フリークスはもっと怒っていいし、あの上流階級出身の相棒が見出した誇りを持てる仕事に出会えた喜びとやらも描写が雑。酷評してた記者も何故慰めにきたのか。違和感があった。
まぁそもそも私は人の誠実さを重視するタイプなので、主人公が失業後に家族がいるのにまともに働かず奇想天外なことを始めた時点で「コイツはだめだ」と思ってしまっていました。とにかく感情移入は無理でした。誠実で真面目であることが大切だ、地道に努力することが大切だ、と思っている人にはオススメできません。
乱文失礼しました! 。
Emotional songs and dances!
タイトルのとおり。私にとってはこれが全て。
本作の楽曲をラ・ラ・ランドのコンビが手がけているので、本題に入る前にミュージカル映画の音楽について少しだけ。
音楽配信サービスで「映画音楽 洋楽編」というプレイリストを作っている(邦楽編もあるよ)。レビューを書くにあたって、プレイリストを見直してみると、Dancing Queen、Another Day of Sun、Seasons of Loveなどのミュージカル映画の楽曲が結構入っていたりする。ラ・ラ・ランドのレビューで書いたように、ミュージカルは苦手なのに、だ。実は好きなんじゃないか・・・
本作の楽曲もこのプレイリストに勿論入っている。This Is Me、Never Enough、From Now Onの3曲。トップガンの2曲を上回って1つの映画では最多曲数。
私にとって、音楽という観点では今のところNo.1の映画がこの作品だ。
好きな曲を3曲挙げたが、それ以外の楽曲もどれも素晴らしい。そして楽曲に合わせて繰り広げられるダンスシーンも。
この作品の代名詞といっても過言ではないThis Is Me。キアラ・セトルを先頭にメンバー達が躍動するシーンはEmotionalという言葉しか浮かばない。
キアラが映画製作前のワークショップセッションで歌う動画がある。この動画を観れば、この曲が大ヒットした理由と、どうしてこんなシーンが撮れたのかがわかると思う。
ただ、個人的には、この映画のテーマ曲はThis Is Meではなく、From Now Onだと思っている。歌詞に注目してみよう。この曲にこの作品のエッセンスが凝縮されている。
ヒュー・ジャックマンの演技と歌唱は流石の一言。キアラ・セトル、ザック・エフロンも。そして、レベッカ・ファーガソンの裏でNever Enoughを歌ったローレン・オルレッドも忘れてはならない影のキャスト。
登場する異形・異能の者たち(この表現自体も適切かどうか問われそうだが)の扱いや描き方、ストーリーについて賛否両論が巻き起こった。ストーリーについては、確かにどうかと思うところがある。私自身、そこだけ捉えてレビューを書けば点数は確実に下がるだろう。
人々の関心が高い映画ほど、その映画に求めるもののハードルは上がる。私たちは、1つの映画に色んなものを求め過ぎなのかもしれない。どう観るかは、作り手が決めるものでも、高名な評論家が決めるものでもない。観たい人が、観たいように観る。観客にとって、映画とはそういうものとシンプルに考えた方がいいかもしれない。
冒頭に書いたとおり、私は、音楽とダンスに圧倒された。それだけで十分だ。十分すぎるくらいだ。
これからも、プレイリストを流すたび、この映画の数々のシーンを思い出すだろう。
Thanks for a great time!
私的史上最高ミュージカルエンターテインメントムービー
2019年に配信で鑑賞して以来、よもや劇場で鑑賞できる機会おとずれるとは
思ってもみませんでした。
今、宮崎市で公演をしている木下大サーカスとのコラボレーション企画として
セントラルシネマ宮崎で上映してくれていて、大感激です。
2019年は個人的に、様々な変化がおとずれた年でもあり、
相当なプレッシャーに苛まれていたところ、本作に出会い鑑賞したのですが、
猛烈に感動し前に進む勇気と元気をもらうことができました。
今でも大舞台に出る前は「From Now On」を聴いて自分を奮い立たせています。
今日はストーリーも全部わかっている中での鑑賞でしたが、
冒頭から涙が止まりませんでした。
やはりベンジ・パセックとジャスティン・ポールによる楽曲、
加えて大スクリーンでの生き生きとした描写、大音量を体全体で浴びるように聴く環境、
すべてが素晴らしく、フィジカルにもメンタルにもエンターテインする作品でした。
細かいことを言い出せばキリがなく、とにかく全てが素晴らしいのですが、
私がもっとも好きなシーンは、やはりラスト近くの酒場で「From Now On」をみんなで
歌い踊るところです。ここは鳥肌が立つ&号泣するレベルで猛烈に感動してしまいます。
またこういう作品に出会いたいです。
5年ぶりに鑑賞して本当に良かったです。生きる活力をもらいました。
ありがとう『グレイテスト・ショーマン』。
【心優しき異形の人々が生き生きと躍動する、人生肯定ミュージカル映画。極上の味わいを堪能する作品である。】
ー 今作は、「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンを演じた時のヒュー・ジャックマンの歌声の素晴らしさへの驚きを思い出させてくれた。(映画館では二回観た。)
そして、”THIS IS ME"”THE GREATEST SHOW"に代表される楽曲の素晴らしさに圧倒された。ー
・P.T.バーナム(ヒュー・ジャックマン)の波乱の生き方を支える妻(ミシェル・ウィリイアムス)、華麗な踊り子アン・ウィラー(ゼンデイヤ)、最初ビックリした、しかし圧倒的な歌声にさらにビックリしたレディ・ルッツ(キアラ・セトル)、歌姫ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)の各女優の魅力も満載である。
<今作は、外見による様々な偏見を、圧倒的な踊りと歌唱で吹き飛ばした人生賛歌の極上ミュージカル映画である。>
<2018年2月15日 劇場にて鑑賞>
<その後、別媒体にて再鑑賞。>
2018-26
観たほうがいいよって、言いふらしたい。
仕事が忙しすぎて、グレイテスト・ビジネスマンになってました。
IMAXか、TCXのDOLBY ATMOSで見たかったから待ってたけど……ぜんっぜん空かんのね。
やっとヒュー様に会えたよ😭
(TCX/DOLBY ATMOSで観ました)
これは好き。
歌もダンスもいい意味で現代的でノリやすく、ど直球なメッセージで、王道だけどいい。
私には、ガガ様のPVを見てるときの感覚と似てました。
歌もダンスも衣装もメイクも、すべてに目が行っちゃうあの感じ。
ヒュー様キレッキレやし、そのあとを同じ歌を歌うザック・エフロンも全然負けてないんですよ。
もちろんだけど、みんなプロ。
しびれたって表現が一番いいかも。
ヒュー様はウルヴァリンもいいけど、やっぱ王子様だった。
どんなに顔に皺が入っても、永遠に。
ザック&ゼンデイヤのアイドルコンビもさすが。こういう人たちが本物のアイドルですよね。
どの歌も素晴らしいのですが、あまり宣伝では放送されてない、レベッカ・ファーガソンの歌う"Never Enough"(実際は別の方が歌われています)。
歌詞がストレートに心に入ってきて、自然と涙がこぼれました。
望んでいた夢を手に入れたはずなのに、なんだか空虚な感じ、だってあなたがいないとそれらは意味を持たないから。
私はショービズの世界にもいないし、有名人でもないけど、わかるその気持ち。
片思いの歌としても、すごく伝わる。
私が英語を勉強したきっかけは、育った環境ももちろんですが、字幕や和訳なしに映画を見たり、歌を聴けるようになりたいと思ったからで、
この映画観てて本当に英語勉強してよかったと思った。
歌とダンスが目まぐるしくて、気づいたら没入して字幕の存在忘れてた。
This is Me♪
『レ・ミゼラブル』のヒュー・ジャックマン主演ミュージカル
とにかく、ロマンティックで音楽が最高です。
19世紀半ばのアメリカで
ショービジネスの原点を築いたという
実在の人物、P.Tバーナムの選択した人生を
ヒュー様流に演じられました。
エンターテイナーの才能が発揮され
素晴らしかったです。
オープニングもカッコいい
そして、
レティ役のキアラ・セトルさんの
圧巻のパフォーマンス
『This is Me』に感動の嵐。迫力ありました。
フィリップ役の
ザック・エフロン君(ハイスクール・ミュージカル)
久々のミュージカル出演も嬉しかったです。
ザック君とセンデイヤさんの
『REWRITE THE STARS』☆
空中ブランコシーンも最高でした。
オンリーワンの個性を大事に
メッセージを受け取りました。
単細胞の証明
他の人のレビュー読んでると、如何にアホなのかが判る、俺の事だけど。単細胞なんだ、俺。知ってたけど。
This is meに惹かれて劇場まで出向きましたが、だんだんとMillion Dreamsが良くなり、空中ブランコぐるぐるラブ歌シーンに魅せられ、Come Aliveの子供達のノリノリシーンにやられ、気づいたら5回です。musicalて、やっぱり良い。
脚本、浅かったかなぁ、、、?
字幕見ないで、役者さんの顔をガン見してやったら惹きこまれちゃって、全然浅さは感じなかったです。
最初の10分間の幸福感、彼らの未来がわかってるからなんだと思うのだが、この時点で泣けて来るのには、我ながらまいる。。。
コトの全ては、あのビンタで始まった訳ですが、そこからの7分間が、最高に好きです。
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2020/3/28 時点
上映期間中 9
アンコール 1
爆音 2
コロナの煽り 1
計 13
2021/1/31 14回目
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4/6追記
俺が高校生の頃までは映画館には入れ替え制なんて無くって、しかも2本立て・3本立ての時代。所謂「名画座(旧作専門の映画館)」なんてのもありました。250円とか300円だったかなぁ。夏休みには補習授業をサボって、名画座に通ったもんです。中に、1週間通しで一作のみを上映する劇場がありました。で、1週間通って朝から夕方まで座ってると、一作を20数回見る事になります。で、見てたんです。同じ映画を。20回以上。半分は寝てますけどね。
自己最高回数の映画は、恥ずかしくって言いたくないけど、おそらく、「カサンドラクロス」か「キングコング」か「マニトウ」です。で、色々学んだ。その一つは、どんなに怖そうな映画でも、20回以上見ると「ただのおバカ映画」にしか見えなくなること。怖がらす演技も演出も、ギャグにしか見えなくなりますw 役者さんも大変だね、って気の毒になった。
それは置いといて。この名画座シリーズを除けば、劇場鑑賞回数の自己記録は、間違いなくこの「The Greatest Showman」です。と言う事で、以下、何故この甘々ユルユル映画が好きなのかの自己分析。
1: 他に見るもの無かったのでリピートしてたらハマった
確か、あの年の4月中旬から5月連休に掛けて、興味を惹かれる作品がひとっつも無くって。「グレイテストでも見て帰ろ」とか「しゃーない。グレイテストで良いや」とかで無駄にリピートしてるうちに、どんどんハマって行った。
2: 大好きな女優さんが揃ったところにZENDAYA
元々ミシェル・ウィリアムズとレベッカ・ファーガソンが大好き。2人が揃って「よッしゃ!」と思い、出かけて行ってザック・エフロンになった。つまりはZENDAYAに一目ぼれ。彼女が「Rewrite the Star」を歌いながら、ロープに片手で掴まり、ゆっくりと歩くようにサーカス小屋(と言うか建屋)を回るシーンとか見惚れてしまいます。
3: Million Dreams
これがでかかった。少年時代からNYで家族と共に暮らす年齢までを、一曲で辿る。しかも「夢を追い続ける生き方」は、子供の頃から変わっておらず、その根底にはCharityへの愛が流れている、ってのを示唆。この歌と2人のダンスが、とにかく好き。
4: 不揃いな人々のダンス
「Celearation of Humanity」な集団ダンス。姿形も衣装も、不揃いなところが飽きさせない。
5: 甘っちょろいストーリー
ララランドは大人の切なさ。ビターなラストは最高だったけど。こう言うのも良いよね、って思いました。
爆音で、また観れると思いますけど、ちょっと新作ミュージカルが一段落してますかね。Catsは別腹的存在ですし。と言うか、純粋な新作や無いですからね。
正統派で、何度も観たくなるミュージカル、待ってます。
日比谷、通常上映に行ってきました💕
君は僕のために生まれてきた
なんてあんなイケメンに言われる人生でありたかったもんです。
ザック・エフロン、大人になってて驚きました。いいね、声も素敵だしかっこいい。
私はバーでの2人の取引のシーンがとてつもなく好きです。
映画でしかできない、音楽と踊りと雰囲気だけで酔えますね。
ミュージカル観た後に、展開がどうだとか、話がどうだとか、伏線が〜とかナンセンス過ぎやしません?
ミュージカルは、音楽や踊りがあるおかげで理性より感情が先に動くようになってるようで。良い意味で、何も考えなくていいと思うんですね、文学やってるわけでもないんだから。歌う前と後で言ってること180度違っててもいいじゃん。言葉にできない感情を音楽と身体表現で伝える、なんて、ずっと前から人間はそうなんだから。
にしても、今回は題材が当たり!って感じで、話が浅いとは思わなかったけどな。実在したモデルが居るからでしょうか。ちょっと破天荒だけどね。
人間関係だけ、もう少し丁寧にシーンを作っても良かった、かな、とは思いますが、あのダンスの映像観たら充分映画館で観た価値があったと思います。
エンタメがある人生素晴らしや。
まさにグレイテストショー!
冒頭から引き込まれ、最後までまったく飽きることはありません。あっという間の2時間でした。ストーリーは、努力と才能で成功を収め、栄光の階段を駆け上がっていくものの、周りが見えなくなって挫折し、そこでやっと大切なものに気づく、というきわめてオーソドックスなものです。だから、展開が読めてしまうわけですが、むしろそのおかげで登場人物に感情移入しやすく、そこで歌われる曲にじっくりと耳を傾け、ダンスを目に焼き付けることができました。
また、その歌がどれも実にすばらしいです。展開に即して、自然に訴えかけてくる感じで、心にしみてきます。しかも、ダンスがこれまたどれも美しく、かっこいい。特に、酒場でバーナムがフィリップを口説くシーンと、ショー舞台でフィリップとアンが語らうシーンは、アクロバティックなダンスと演出に目を奪われ、とても印象的でした。
あとで知ったのですが、本作は実話を元にしているらしいです。説得力があり、共感できる点が多かったのは、そのせいかもしれないと合点がいきました。
夢、自由、友情、愛、家族など、さまざまな要素が盛り込まれていますが、そのどれもが押し付けがましくないのもよかったです。中でも、自分を大切にし、自分らしく生きることのすばらしさ、それを保障する、差別や偏見のない社会の必要性を強く感じました。
見終わって、「おもしろかった」と素直に感じると同時に、夢から覚めたような心持ちになりました。文字どおり、極上のショーに魅了されたかのようでした。この感動は、迫力のある映像と音楽の融合があってこそ味わえるものなので、興味があるなら迷わず映画館で見ることをお勧めします。
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