「出自の経済水準をまたぐ見えない壁の高さ厚さ」グレイテスト・ショーマン movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
出自の経済水準をまたぐ見えない壁の高さ厚さ
言われているほど良さがわからない。
容姿で見せ物にされてしまうようなメンバーも一芸があって、突発的暴動なのにいつ練習してたの?!というようなショーを繰り広げられる。
それでも、テイラーの息子として裕福ではない生い立ちのバーナムが生きてきた経済水準より上によじ登ろうとする材料にされているだけ。
サーカスに出られた事で同じ悩みを抱えてきた仲間たちと出会い、もう身を潜めて生活しなくて良くなっただけ。
バーナムとは逆で、富裕層に生まれ育つも世間体を保つ文化に窮屈を感じていたフィリップは逆に、サーカスの空中ブランコの子に恋をする。
でもみーんな、
バーナムは北欧の歌姫と公演を周り上流階級の顧客ができたら彼らとの場にはサーカスのメンバーを隠そうとしたし、北欧の歌姫は婚外子なことを隠しているし、フィリップは好きな子が黒人だと知られるのを隠そうとしていた。
全てはお金を持っている層に本物面をして受け入れて貰って生活する方が楽だし惨めな思いをしなくて済むから。
結局、そういう他人軸の評価とは訣別し、何者でもなくても一緒にいてくれる存在の幸せのために生きることが喜びだ、と気付くのだが、それは一文なしになってから。
しかも、再建には結局、ルッキズム上位か一芸あってこそで、それらが備わっていても、ビジネスのダシになるだけ。
ショービズ自体、そういう世界だからそのまま映像化しただけで、なんやかんや白人支配なことも容姿端麗が良い思いをしていることも本作内でも当たり前の構成。
芸能界も、今は高学歴もいるものの、昔は河原乞食と呼ばれていたように、やはりいまだに生活苦だったり在日だったりの出自の子達が一攫千金求めてのパターンも多い。家に余裕があれば、敢えて顔と名前と場合により身体を晒すようなお仕事、止めるもの。
まるで「もう他人の目を我慢せず、思いっきり生きて人を幸せにする側に回ろうよ」とメッセージ性満載のようで、世間の見方を教えてくれる作品。
かえって、作品の中だから成立するフィクションで、夢なんか見れるポジションでないんだわ私は。と思う人も多いのでは?と思った。
そもそもアメリカ人、私の周りのどこを探しても、我慢強い人なんて見たことない。
あとは、歌姫役、あんたミッションインポッシブルでさんっざんイーサンを振り回した、イルサやろ?味方か敵かわからないのがあんたやで?必ず何か起こるはず。
そう思ったら、婚外子設定なので愛情求めて、妻子持ちバーナムを求めてきましたか。断られたらツアー離脱、写真も撮らせて破滅させる、そうきましたか。予想以上、脱帽。
これを見て、人生における世間体の抑圧経験と重ねて感動したとしても、じゃあショービズに出る側の人生いいなってなるのは結局容姿端麗か一芸ある組よな。
大多数は、登場人物の人生の起伏に全く左右されず、ショーを観に行く側の生活をのぞむ。
だから成り上がりたくなる=他人軸という無限ループな話やん。
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