「最高の楽曲と底抜けの明るささえあれば、細かいことはどうでもええねん!」グレイテスト・ショーマン たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
最高の楽曲と底抜けの明るささえあれば、細かいことはどうでもええねん!
興行師P・T・バーナムの活躍を描くミュージカル映画。
主人公バーナムを演じるのは『X-MEN』シリーズや『レ・ミゼラブル』のヒュー・ジャックマン。
バーナムのビジネス・パートナー、フィリップを演じるのは『ハイスクール・ミュージカル』シリーズや『ヘアスプレー』のザック・エフロン。
バーナムの妻、チャリティを演じるのは『シャッター アイランド』『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のミシェル・ウィリアムズ。
欧州最高の歌姫ジェニー・リンド役に『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『ライフ』のレベッカ・ファーガソン。
フィリップと恋に落ちるサーカス団員アンには『スパイダーマン』シリーズのゼンデイヤがキャスティングされている。
第75回ゴールデングローブ賞において、主題歌賞を受賞。
小細工一切無し!1人の男の夢と成功、挫折と栄光を真正面から描き切った超ストロングスタイルな映画。
シナリオは王道で意外性はないかもしれないが、映画を彩る楽曲の数々はどれも眩いばかりの輝きに満ちている。
夢や誇り、愛についてを惜し気もなく歌い切っており、胸がすくような爽快感を与えてくれる。
どの楽曲も素晴らしいが、特にヒゲ女を演じたキアラ・セトラが歌う「this is me」は文句の付けようがない!
被差別者の悲しみと、理不尽な現実に誇りを持って立ち向かうことへの決意を込めたこの楽曲は、そのままこの映画のテーマを表しています。
バーナムの物語と並行して語られるフィリップとアンの恋物語もロマンチックで素敵です。ザック・エフロンとゼンデイヤの表現力の高さに脱帽。
これまでヒュー・ジャックマンといえばウルヴァリンのイメージしか無かったので、こんなにミュージカル俳優として優れているとは知らなかったです。
バーナムは夢想家かつ自信家。自己中心的な所もあるキャラクターであり、ともすれば嫌味な人物に映ってしまいます。
しかし、バーナムをヒュー・ジャックマンという渋めでどこか影のある俳優が演じることで、そこが中和され、非常に好感のあるキャラクターになっていたように思います。
流石ヒュー・ジャックマンと言った所でしょうか。
全然娘が成長しないけど、作中で何年経ったの?とか、史実と全然違うじゃん。とか、細かいことはどーーーでも良いのです。
ミュージカル映画とは、素晴らしい楽曲と眩いほどの明るささえあればそれで合格なのです!
この映画、あまりにも眩しすぎて開始5分で泣いちゃいました。その後もミュージカルシーンに入る毎に涙涙涙…😭
惜しむらくは、歌姫ジェニー・リンドがただのサークルクラッシャーとしてしか機能していなかったこと。
リンドというキャラクターの描き方だけは、もう少し何とかして欲しかった。
とはいえ、個人的には大満足!
観ている間は現実を忘れ、観た後は明日に向けて精一杯努力しようと思わせてくれる「映画の魔力」を備えた作品です!