「監督の力量差」グレイテスト・ショーマン TOKIESさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の力量差
貧乏時代を送った野心家が滑稽なサーカスをヒットさせ、上流階級へのし上がるストーリー。
曲や扱うテーマが良かっただけに、ストーリー展開が残念に思われる。ララランドの音楽制作班が加わったことにより曲自体の安定感はあるが、そもそもの脚本はどうか。やはりデミアン=チャゼルはミュージカルを研究し尽くしている感があるが、本作はどこか中途半端で安っぽく、ストーリーそのものには感動できないのが本音である。
そもそもゼンデイヤやザックエフロンは客寄せのための道具にしか見えず、他の個性的なキャストが十分に目立たないあたりも残念なところ。全体的にストーリーがツルっとし過ぎなため、もう少し泥臭さとか人間臭さがあっても良かっただろう。
曲は素晴らしいものが多いが、曲調はどれも大衆ウケを狙った現代ポップスだったので、もう少し時代性を取り込んだ曲が何曲かあったほうが良かった。
ララランドが選ばれて、本作が作品賞にノミネートされなかった理由が、脚本と監督の力量の差であることは明白だろう。
コメントする