劇場公開日 2017年12月8日

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「復讐と良心、一人と全員、正義の定義。」オリエント急行殺人事件 アルさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5復讐と良心、一人と全員、正義の定義。

2020年10月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悲しい

知的

難しい

タイトルは昔から知っていたものの、
'74年版も今作も観る機会無く。
今回、地上波での鑑賞。
予備知識ゼロで純粋にストーリーを楽しめた。

次々と見つかる証拠と嘘の証言、曲者ばかり。
突っ込みどころは多々あったが、
ポアロと一緒に推理する楽しさは良い。

【TENET】のセイター役での怖さとは違う、
落ち着いたケネス・ブラナーの演技はさすが。
ジョニー・デップを贅沢に使い(扱い?w)、
脇をしっかり固めたキャストも素晴らしい。

カメラワーク、アングルを考えて作られていて、
狭い列車の中でも観にくいと感じさせない。

結末に賛否がある様だが、
個人的にはポアロは犯人に『犯罪の事実』を、
一生を懸けて『認めさせた』のだと感じた。
理由はどうであれ、ポアロは裁く立場でも無く、
ポアロ自身の感情からの情状酌量に見えた。

まぁ、モヤモヤは残ったのも事実。難しい。

モヤモヤの原因もう一つ。
吹き替えでの視聴を後悔。
ポアロ役を草刈正雄が担当していたが、
あの軽いイメージが常に頭に付き纏う。
鋭い洞察力から淡々と語る草刈ポアロ、、、
だが鑑賞後に字幕での予告編を観て絶句。
一言のセリフと表現の重さが全く別人。
字幕でケネス・ブラナーの声で観れば良かったと、
ただただ後悔。

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アル