ドリームのレビュー・感想・評価
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人種差別の風潮を跳ね除け、アメリカの有人飛行計画を陰で支えた黒人女性達の奮闘する姿を描き出す
原題:HIDDEN FIGURES
1950年代後期、アメリカとソビエトの宇宙開発競争が激化する中、「スプートニク・ショック」がアメリカを襲う。
<有人宇宙飛行競争の中、又しても「ガガーリン・ショック」が起こり、アメリカは形振り構わず有能な黒人達をNASAに雇い入れる、というのがこの物語の背景にある。>
ケビン・コスナー演じるNASAの数学者アルは焦りの中、部下達に檄を飛ばす。
偏見と差別の中、NASAに雇われた黒人女性数学者達の奮闘ぶりが、笑いと涙を誘う。
特にタラジ・P・ジョンソン演じる天才数学者キャサリンの言動(トイレに纏わる件は特に秀逸)、行動の素晴らしさよ。
彼女とタッグを組むドロシー(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー(ジャネール・モネイ)とキャサリンを支えるジム(マハーシャラ・アリ この方の出演する作品には外れが無い)の姿も丁寧に描かれる。
人種差別を描いた映画は数々あれど、この作品は特出した傑作である。
<2017年9月29日鑑賞 2017年11月21日に再鑑賞>
ハリウッドぽい作品
コメディ寄りにしたのがよかったと思う。
素敵。
シェルドンが出ている・・・
人を惹きつける能力
差別と偏見を無くすための戦い方とは
黒人であること、そして女性であること
二重に差別され文字通り地下室に押し込められた存在
宇宙計画の裏側を描きつつ、黒人の公民権運動が盛り上がろうとする60年代始めの黒人社会も活写する
音楽は全てR&Bだ
もちろん本作は映画「ライトスタッフ」と対をなす
それを観ていれば本作をより一層楽しめるのは間違いない
しかし本当に対になっているのは映画「マルコムX」では無いだろうか?
差別に対して不当であると主張することは正しい
しかし、正しいことを正しいと声高に怒鳴り回るだけで差別は解消されるのか?
暴力で差別や偏見をなくす事ができるのか?
そんなわけはない
暴力は暴力の連鎖を生み、攻撃的な言説は反発を生み差別と偏見を見えないように隠して陰湿にするだけだ
本作の三人の黒人女性は差別と偏見を無くす為に戦う
それは暴力でも攻撃的な言論でもなく、仕事の能力によって戦い正しい評価を勝ち取るのだ
数字には差別や偏見は無いのだ
宇宙開発もジムの仕事である軍も実力だけがものをいう世界なのだ
それゆえにジムは自分の過ちにすぐに気がつくことができたのだ
仕事を前に進める事のできる推進力という指導力は差別や偏見などに価値を認めない度量を求めるのだ
漫然と被差別者であると嘆き、他者を批判するだけでは何も解決はしない
差別と偏見に勝つには努力して能力で圧倒し尊敬を勝ち取ることが必要なのだ
これが本作のテーマなのだ
AIによってホワイトカラーは、本作の計算係のように解雇される時代がまもなく訪れようとしている
本作の黒人女性達のように勝ち残るために今何をすべきなのかも考えさせられた
素晴らしい映画だ
スカッとする作品
一言で言うとスカッとする作品。
気分よく映画館を後に出来る作品だ。
人種差別が顕著な時代に、天才的な数学者キャサリンをはじめとする、優秀な3人の黒人女性の直向さや頑張りに、感情移入もさせられるし、とにかく応援したくなる。
実話だから最後はめでたしめでたしで終わるのは予定通りだが、あまりメリハリが無く淡々と終わった感じ。
クライマックスはもう少し緊張感を味わいたいかな。
あとは登場人物が結局は皆いい人ばかりで、強烈ないじめや嫌がらせのシーンがないので安心して観ていられるが、その分どこか物足りなさも感じる。
ケビン・コスナーは漢前な本部長役がよく似合う。
うん、カッコイイ。
家族で楽しめるのはもちろん、若い子たちにもぜひ観てもらいた作品だ。
拳を握り応援したくなる。気持ち良いサクセスストーリー
着眼点がすばらしい。
着眼点がすばらしい。一つのストーリーで複数のテーマを提示し、なおかつ散漫な印象はない。
マイノリティ、ジェンダーを主にした差別問題を扱う一方、NASAという組織内での痛快なサクセスストーリー、そして有人宇宙飛行の成功という史実、ロマンを描いてもいる。
これは、鬼シナリオ。着想はどこが出発だったのだろう。これだけテーマを多く含んだ素材はめずらしい。奇跡的といえる。
複雑でデリケートな問題を明るく描いている点も良い。表現しにくいところを黒人女性の日常目線で、さらっと提示してみせる。背景の違いはあるが、「それでも夜は明ける」より全然受け入れやすい。
愛嬌のあるキャスティングもグッド。これはかなりの良作でした。
すごく評判よかったけど…
黒人もの、LGBTもの、女性差別もの、今までマイノリティに対する人権意識向上作品を散々見てきたので、物語の展開的にはさほど目新しくもなく、オチが読めた点では、ややエンタメ性には欠けました。
今の時代じゃ考えられないような人権無視は珍しくなかったでしょうが、この作品が他の作品と違うのは、出てくる黒人女性たちがとんでもなく頭がよいこと。
まともな教育が受けられず、親の収入では高等教育を与えられなかったろう時代にあんなに優秀な黒人女性が存在したのがそもそも奇跡的なこと。そして、その時代の黒人女性たちにとっては、誰にも負けない知性があれば、差別を受けずに生きられたという事実。
…だから親や先生は勉強しろと言うのです。自分だって勉強が好きじゃなかった学生時代を送ったくせに(笑)。
でも、勉強っていうのはなかなか平等な気がします。ルックスとか運動神経とか肌の色とか、生まれつきどうしようもない遺伝子レベルの差異ではなく、努力でいくらでも上を目指せるというのは、たしかに夢がありますよね。自分も数学できたら、世界が違ったかもしれないな。
ちなみに原題にあるfigureという単語には「人物」という意味と「数字」という意味があります。黒人女性という「意図的に隠された人」というニュアンスと「コンピュータによってはじき出された計算の裏に潜んでいる、優秀な人物の正確な数値」というダブルミーニングが潜んでいる点でも、こんな陳腐な邦題にガッカリせざるを得ません。
差別って、する意味なくない?
邦題は『ドリームガールズ』に影響されたためか?
冷戦下、アメリカとソ連の宇宙開発競争が熾烈となっていた1961年。人類発の有人宇宙飛行士ガガーリンのニュースを見て焦るアメリカ!といった時代。バージニア州にあるNASA最古の研究施設ラングレー研究所において、計算手として黒人女性の仲良し3人組、キャサリン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー(ジャネール・モネイ)が働いていた。西計算グループという黒人女性ばかりが集まる部署であったが、図らずもキャサリンが宇宙特別研究本部で初の黒人でしかも女性スタッフに抜擢された。
まだ黒人差別のあった時代。トイレも白人専用と有色人種専用に分けられていて、キャサリンが働くことになった棟には有色人種専用トイレがなかったのだ。そのため800メートル離れた棟にまで行かねばならないキャサリン。それに気付いた上司のハリソン(ケヴィン・コスナー)がトイレの差別表示板をぶち壊す。いい役を演じているコスナーを見たのは久しぶりだ。
ドロシーは管理職希望だったが、上司のミッチェル(キルステン・ダンスト)にあっさり却下される。しかし、IBMコンピューターが導入されることになって、扱える者がいないため、自らフォートランというプログラミング言語を学び、部下たちを率いてコンピューターに精通することになる。また、メアリーはエンジニア志望だったが、白人専用の学校の単位が必要なため、裁判に訴えることになる。
NASAの職員たちはそれほどでもないものの黒人冷遇の時代。体制をぶち壊そうとするわけでもなく、地道に努力をして評価される女性たちの姿が真摯に描かれていました。特に痛快だったのは判事に食って掛かるメアリーのシーン。バージニア州にはバージニア州の法律があるというアメリカ南部の特徴も思い知らされました。誰かが壁を破らなければ、発展しないものですよね。
やがてアポロ計画へと繋がる彼女たちの功績は見ていてさわやかに映り、実話であることの重みも感じられます。ロケットやケネディ大統領、キング牧師など実際の映像を上手く取り入れ、それがストーリーの邪魔することなく自然に描かれてるのもいい。ホロっと涙が出たのはプロポーズシーンでしたが・・・
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