「ソウルフルなサントラに彩られた軽快でポップで痛快な、それでいてリアルな実録ドラマ」ドリーム よねさんの映画レビュー(感想・評価)
ソウルフルなサントラに彩られた軽快でポップで痛快な、それでいてリアルな実録ドラマ
1962年に地球周回軌道飛行を達成した宇宙飛行士ジョン・グレンの偉業を支えたNASAの黒人女性スタッフ、キャスリン、メアリー、ドロシーにまつわる知られざる実話ドラマ。性差別も人種差別もまだまだ顕著だった60年代初頭を背景に、ソ連のガガーリンに有人宇宙飛行で先を越されて焦燥感を募らせるNASAに根強く残る様々な困難を忍耐強く乗り越えていく3人とその仲間達の奮闘と、彼女達を見守る家族との交流や淡い恋をあくまで淡々と描き、彼女達の功績と時代がシンクロしてNASAの組織だけなく米国中がジョン・グレンの有人飛行を通じてひとつになっていく様が美しいです。
いわゆる熱演というものがどこにもなく、それ故にリアリティの増したキャスト達の演技で何度も泣かされましたが、ソウルフルなサントラで彩られた物語はあくまで軽快でポップ、どこまでも痛快な傑作。キャスリンの上司アルを演じるケヴィン・コスナーが圧倒的にダンディで男前であることも申し添えます。
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