劇場公開日 2017年9月9日

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「【是枝監督が法廷劇で観客に問いかけた事】」三度目の殺人 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【是枝監督が法廷劇で観客に問いかけた事】

2019年11月21日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

 今作は、エンターテインメント作品ではない。

 劇中、観る側を誘導するような音楽も殆ど流れず、静に三隅(役所広司)が犯した過去、現在の事件及びそれに関わった人々の姿が描き出される。

 但し、そこから分かり易い物語が始まる訳でもない。

 同僚の摂津(吉田鋼太郎)から安易に三隅の事件を引き継いだ重森(福山雅治)が、三隅の二点三点する供述に翻弄されていく様が面白い。

 今作のクライマックスは(多くの方が述べているが)摂津と重森が接見室の強化ガラス越しに遣り取りする場面であろう。(あの、反射するお互いの姿が反射する映像も含めて)

 家族の姿を描く事に拘る是枝監督が、疑似親子の姿を描こうとした法廷サスペンス。

 相変わらず、観客に解釈を委ねる是枝監督の姿勢は貫かれている作品。

<2017年9月9日 劇場にて鑑賞>

〈20191122 良い夫婦の日に追記 お二人の方から観賞後、二年経って共感を頂いて思い出した苦々しい事。今作、上映初日の土曜日の朝一、観賞中、一つ隣から聞こえて来た鼾。暫く我慢していたが、小声で寝るんだったら他の処でお願いしますと注意したら、後から家人から刺されたらどうするの と叱られ 何で?皆困っていたじゃないと観賞後、反論した。こういう場合、皆様はどうしているのでしょうか?私は注意します。まあ、疲れていたら眠くなるかもしれない作品の造りではあるが、きちんと見て居れば眠くはならない作品レベルだったので。〉

NOBU