「三人目」三度目の殺人 はるさんの映画レビュー(感想・評価)
三人目
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映画を見終わり、三度目の殺人。というタイトルを考えた。
作中で死ぬのは三人。となると、三人目は死刑になった三隅である。三隅は本当に殺したのか定かでないまま終わってしまったが、二度本当に殺したというのであれば、三隅が三隅を死刑にしたということで三度目の殺人になる。
それか三隅は、重森の心を殺したのか。咲江の未来を殺したのか。重森が、咲江が、三隅を死刑にしたのか。
もしかしたら死ぬべきだと思った人間皆被害者を殺していて、三隅はそれを実行する器に過ぎないのではないだろうか。三度目といっても、三隅だけが苦しめられていた訳ではないのは、あなたも殺したいと思ったことあるでしょ?その人が死んだら、少し嬉しかったりしたら、あなたも殺人と同じじゃない?という事なのかもしれないと背筋がひんやりした。
にしても実行した人間が圧倒的に悪い。
結局分からないが、あの訳のわからない容疑者を演じた役所広司はほんとうに凄かった。私なら怖くて手を合わせるなんて出来ない。すごく不気味だった。
法廷という場所は不気味である。事実を知る場所ではなく、白黒つけるため、ストーリを作る裁判になってしまっているというのは私には気付かなかった事だと思う。
この映画で咲江に感情移入してしまうあたりまだ子どもだなぁと自覚した。私はあそこで三隅と目を合わせたかった。いつも、子どもの知らないうちに大人が覚悟を決めている。
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