「面白かった!」スイス・アーミー・マン Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
面白かった!
無人島に一人でいるような孤独な青年。頭の中には得体の知れない思いがグルグル渦巻いている。
こんな状態じゃ、いざ死のうったって幸せは走馬灯のように見えてこない。
そこへ突如、得体の知れない死体が現れた!そいつのオナラジェットに飛び乗って大冒険のはじまり、はじまり。
そいつは不気味で無表情。ボーッとしているだけのようで(だって死体だもん)、実は最強に頼もしい相棒だった。
死体はとうてい人間社会に馴染まない。人目を気にしなくていい山奥で、二人はサラとのバスでの出会い、デート、パーティを演じ、ハンクは“本当はこうしたかった夢”を追憶した。
二人が一緒に過ごした楽しい記憶がフラッシュバックで蘇ったとき、私は泣きそうになった。かつて見えなかった、誰かと心を通わせる幸せが走馬灯のように見えたのだから。
ジュラシックパークなみの大冒険の末にルークが言う。
「(サラに会うのが)怖かった。(自分が)怯えてて醜い役立たずな男だから。」
するとメニーが答える。
「誰でも少しは醜い。1人が“それでも平気”と言えば、みんな歌って踊りオナラをする。寂しくなくなるさ。」
このセリフ好き。
人は死んだら誰かの排泄物と混じって次の命の糧になるだけ。がんばれ!いつか死ぬ!
ポール・ダノも大好きだし、ダニエル・ラドクリフも凄かった。幽霊でもゾンビでもない、生き生きとしたピュアな死体という世にも難しい役を魅力的なキャラにして見せてくれました。
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