「アメリカって恐ろしい」パトリオット・デイ ぴゅあるさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカって恐ろしい
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実話の映画化。
丁寧に積み重ねた映像がとてもリアリティあるものになっている。テロが起きる前でしっかり日常を描いているから(その間にも不穏な音楽でこれから起こる事を示唆している)テロの悲惨さ、残酷さが際立っている。実際の映像が合間に使われているのも痛々しさを増している。
その中にきちんと監督の演出が入っているから、映画として縦軸がしっかりしているんだろうな。例えば子供が亡くなってから警察官の一人がずっと側にいるのだけれど、何か喋るわけでもないがただその目をしっかり写しているとことか、感情の流れを上手く持っていっているなと思った。
まあ、テロは怖い。許せない。と思うけれど、映画のラスト、犯人が捕まりパトカーが走る時、ボストンの人々がパトカーに拍手をしている姿に何だかとても恐ろしいものを感じた。バーで皆がビールで乾杯する姿。余計な者を排除出来て良かった。そんな風に喜んでいる感じ。
なぜ犯人はテロを起こそうとしたのか?そんなのはきっと全く理解出来ないとは思うんだけど、ボストンの人々はそれを考える事はあるのだろうか?ボストンストロングってボストンの人が一つになってたけど、どこからどこまでがボストンの人なんだろう?どこからどこまでがアメリカ人なんだろう?
アメリカの銃社会は日本人の自分にとっては恐ろしい。でもそれ以上にラストの考えの方が恐ろしいと思った。
良い作品ではあるが、好きではない作品。
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