劇場公開日 2017年12月16日

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「民主主義は国民主権と言う意味。」ヒトラーに屈しなかった国王 はるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0民主主義は国民主権と言う意味。

2020年4月28日
PCから投稿

ずっと気になっていた映画だった。
王国と民主主義は違うだろう?
単純にそんな意味合いだけれど、国王は国民のために何ができるかを考え行動し、国民もまた同じなのだ。そこに政治が存在して国民のために是非を判断する機能が働く。ノルウェーは中立国として世界に宣言していたにも関わらずヒトラーの野望のために侵略する。ルールを無視した暴挙にどう立ち向かうのか。犠牲を払わずに・・・。
危機はいつの世も音を立てて忍び寄ってくる。猫のような嗅覚を持たぬ人間はある日突然、降ってわいたかのように戦争に直面し逃亡を頭に浮かべる。
信念あるものは未来を見つめ、信念を持ち合わせぬ者は対処療法にしがみつくばかりだ。
しかし、国王は、偉大な国王は信念に基づいて自らの考えを主張しなければならない。そして、ナチスと交渉する、交渉というほどのことではなく、自らの国の何たるかを言い放つだけだった。それが、国民の総意でなくとも信念を伝えるだけだった。

けして威厳にあふれた態度ではないし迷い苦悩の色さえも露わにする映像はリアルに観ている者の心を乱打する。
払われた兵士の犠牲に対してどう償うのかも含めて生き続ける。
それは、敵がヒトラーであるが故の話だ。
1940年代はシンプルだったのだろう。善と悪が猿でもわかる時の流れだった。

複雑さを知的能力で超えなければならない今。
でも、信念は誰しもが持たなければならない心の在り方なんだろう。

はる