「人が人を想う、あたたかな気持ち」草原に黄色い花を見つける suntammyさんの映画レビュー(感想・評価)
人が人を想う、あたたかな気持ち
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1989年のベトナムの農村が舞台なのに、なぜか自分の子ども時代や身近な兄弟に重ね合わせ雄大な風景の中に自分がいるような感覚で観てしまいました。貧しさや戦後の名残りはあるのに悲惨さはそこまで感じさせることなく、日々の暮らしを楽しみながらたくましく生きる兄弟とムーンの姿がほほえましくとても懐かしかったです。
お祭りのシーン、空き缶を2つ組み合わせてカラカラ走らせて遊ぶおもちゃやろうそくの入ったランタンはベトナムの農村のお話なのに、なぜか私に浴衣を着て出かけたふるさと日本の夏祭りを思い出させてくれました。草を帆にした舟が出て来ますが私も似たような笹舟を作って遊んでいたし、お祭りでろうそくの入った提灯を持って歩いたし、棒の先に車輪のついたアヒルや自動車をカラカラ走らせて遊んでもいたそんな自分の子ども時代を懐かしく思い出させてもらえました。
そして、私は姉なので、純真無垢で愛されキャラの弟をかわいいとは思いつつも妬んでしまう兄の気持ちが痛い程理解出来たし、ムーンのあの態度も手に取るように分かりました。ただの友達とは気軽にじゃれあえるのに、本当に好きな人の前では、自分の気持ちが大きくなりすぎてることに気づいて恥ずかしくなり喋れなくなったり、逆にどうでもいいコトばかり喋り過ぎてしまったり、、、
このまま三人の模様を描いた流れで映画が終わるかと思いきや、最後に黄色い花の重みを全く別の形で知ることになり、、、
【草原で黄色い花を見つける】ぜひ観てほしい作品です。
国や文化を越えて、ノスタルジーと家族の愛に浸り、人を想うということ…について考えさせられる、あたたかい映画です。
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