ディストピア パンドラの少女のレビュー・感想・評価
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ゾンビ映画は昔も今も、最も切り込んだ文明論なのだ
物語は少女の視点で始まる。この広大かつ絶望的な世界を、針で開けたような小さなのぞき穴から想像させる手法は、どこカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を思わせ、かなり巧みだ。大人たちが少女のもとを訪れるのを通じて適切に主要キャストを紹介していく流れも無駄がない。それでいて車椅子の子供達を集めた授業で語られる「ギリシア神話」は、今起きている現実、これから待ち受ける未来を示唆するもの。これだけの内容を前半部に盛り込めた手腕を評価したい。
「すでに人間じゃなくなっている少女」は冷静で思いやりに満ち、一方、人間であるはずの科学者は、被験者の生命を「必要な犠牲」として切り捨てる冷酷さを持つ。人間とは一体何なのか。その問いはもはや意味をなさなくなっている。パンドラを開けるというテーマを大上段に掲げた本作が「ゾンビ後の世界をどう築くか」に切り込んでいるのも画期的なところ。ゾンビ映画は文明論でもあるのだ。
第2世代ゾンビ
ちょっと切り口が違うゾンビ映画。
人類はほぼ全滅に近くハングリーズと呼ばれるゾンビがあふれかえっている世界。
アクションはあまりなく、ハングリーズ第2世代のメラニーを中心に動き、
少女の姿をしたハングリーズ食人欲求と知性を持ち合わせている。
扱いに戸惑う人間たちの揺れ動きが描かれている。
メラニーを犠牲にすればワクチンを完成させられるかもしれないという状況で
少女ひとりを犠牲にするのか人類を犠牲にするのか、重大な選択を迫られる。
それはわずか数人で世界を変えるかもしれない重大な決断を感情的な先生と
グローバルに見た博士の考えは見ている人たちには大きく意見が分かれる
ところだと思う。
エンディングではあたかも希望が見えるような終わり方をしているが
果たしてこれが、物語にもあったパンドラの箱の最後の希望と言えるだろうか?
個人的にはゾンビ映画はもっと派手なのが好きなので★3.5止まり。
個人的には好きな映画
ゾンビ映画を進化の側面から描いた作品。
単純ゴリゴリB級ゾンビではないので、
グロとかそんなの求めてる人には向いてません。違う切り口でのゾンビ映画としては、自分は好きなタイプでした。
映画のテンポもよく◎
ラストシーンでは、今まで立場上人間が優位な環境で監禁されてきた子供達が、世界が変わる事をきっかけに立場が逆転し、先生が最終モルモットのように監禁された生活を余儀なくされていて怖かった。
人間 対 菌感染
バイオハザードとは違ったゾンビ映画!
BGMが映画の不気味な感じを引き立てていて
展開が気になりどんどん引き込まれて行った。
自分の中でゾンビと言えば
バイオハザードが1番に思い浮かぶが
そのゾンビとは一味違って
肌質が植物のようなところに、ウイルスではなく
植物由来の菌感染であることを感じたり、
母性があったり、瞬足で追いかけてくるところが新しいなと思った。
ブロッカージェルを塗れば
気付かれずに済むというところも安易だが面白い。
大量のハングリーズが立ちはだかる間をぬって
通りを抜けるシーンはこちらも息を飲んだ。
ハングリーズの第二世代であるメラニーは
ハングリーズでありながらも
誰よりも人間的な感情が強かったと思う。
それ故にラストシーンでは
覚悟を持っての行動であったし
自分が慕う人は助かって欲しいという
切ない終わり方には心を打たれた。
人間としての未来のことを考えると
絶望的なラストであったが
壁を1枚経ての共生というのは
バッドエンドではないなと思う。
パンドラの箱に残された希望と理想郷とは
イギリス発のゾンビ映画と言えば「28日後」を私は思い浮かべます。あの走るゾンビの衝撃は今でも忘れられません。
今回のゾンビは「人間の人格とゾンビの人格(ゾン格)を併せ持つハイブリッドゾンビ」です。完全に人間としての性格を持つという点においてはかなり斬新。新たなゾンビを定義しました。
さて、映画のテーマは「パンドラの箱」。その神話については本作を見るなり、調べればわかるのですが、最後に残る「希望」とその解釈がキーポイントとなります。
主人公メラニーはゾンビ菌を世界にばら撒くことで既存の人類を破滅させます。これはパンドラの箱を開けることであらゆる災厄をもたらすという神話のメタファーとなっています。
故に、菌の繁殖によって人類が滅亡、ゾンビ化した世界に最後に「希望」が残っていることも描写されていることが前提となります。
人類滅亡後、メラニーを始めとするセカンドチルドレンたち(人間とゾンビのハイブリッド)は青空教室で授業を受けています。パンドラの箱の話に基づけばこの光景こそが「希望」のメタファーであり「理想郷」と考えられます。
そんな話は救いがなさすぎる。ラストシーンこそディストピアという状況を表してるんじゃないのか?と考える人もいるかと思いますが私はあくまで製作者の意図は上記のものだと捉えています。
あのラストシーン、ユートピアかディストピアか、あなたはどう思いますか?
解剖したがる博士と猫を食べたがる少女
新しい感覚のゾンビ映画と言ってしまえばそれで済むのだが、人間に近く、高い知性を持った少女がやがて来る第二のパンデミックを見据えて新世界で生きようとする哲学的なゾンビ映画。
知性を持った少年少女に授業するという画期的なゾンビ世界。非感染者の子供がいないためなのかと思っていたら、まるでマッド・サイエンティストのようなキャロライン博士が解剖してワクチン生成しか考えてないという檻の中の実験体でもあったわけだ。特に気に入られたのが優秀なメラニー(セニア・ナニュア)という黒人少女。人類を救うためとは言いつつも単なるエゴイストにしか見えない狂気の科学者といったグレン・クローズ演ずるキャロラインが怖い。
やがて“ハングリーズ”によってフェンスが破られ、基地内の人々が次々とゾンビ化する中、メラニーと教師ヘレン・ジャスティノー(ジェマ・アータートン)、キャロライン博士、パークス軍曹(パディ・コンシダイン)たちがビーコンの基地を目指して行動を共にする。
終盤、自分が助かりたいとエゴをむき出しにしたキャロラインがメラニーを解剖しようと説得するが、メラニーは思ってた以上に学習し、人類は滅亡しても仕方がないと考える。彼女は胞子に火を放ち、世界の終焉を早めるのだった。
絶望したパークスの最期がとてもいい。拳銃をメラニーに渡し、人間として死にたいと彼女に託すところは人間の尊厳を感じるシーン。超能力を持ったミュータントが新世界を作ろうとする、よくある話をゾンビに置き換えたような内容でもあり、共生とかなんとか言っても、結局は無理なんだよな~と悲観的に見ていたら、最後にはとんでもない展開。移動基地に隔離状態になったジャスティノーだけが人間のまま、序盤と同じようにゾンビキッズに授業しているのだ。笑ってもいいのかもしれないラストシーンは印象に残る・・・
主人公が
産まれたときからゾンビ・・・と言っていいのか!?と言うのは斬新。
しかも、普段は高知能で倫理的というのも。
が、最後に木を燃やし胞子を撒き散らしたのが?。
旧人類を滅ぼし、自分達=セカンドチャイルドの世界にするつもり!?だったのか・・・
女教師はこの後、どうなるのか?
ある意味、最期まで斬新だった。
アレとアレを足したフワフワ映画
オールドスクールなゾンビ映画では無く
アイアムレジェンドのような感じ。
タイトルは忘れたが
植物に意識が生まれて、有毒な花粉をバラまく映画が昔あったんだけど
その映画では意識を持ち出した植物たちが、人間が吸うと自殺や殺傷行動を起こす花粉をバラまくという設定だった(たしか)
その映画と【アイアムアヒーロー原作】の設定を足して4で割ったような映画。
つまるところ、極まってない!
設定やストーリーは出尽くしてる近年
だとしてもっっ、脚本家が昇華しきれていない。
中盤からフワフワとしたストーリーを巡らされて、無理矢理に言いたかったのであろう結論に着地させられる。
とはいえ、そこまでヒドイ映画ではないので、ちゃんと時間潰しになりますが
2日後には内容忘れてる感じ。
なんじゃこりゃ
人間の存在価値を問うようなSF映画は好きなので、楽しみにしていたのですが、、、なんだこりゃ( ̄~ ̄;)
設定はおもしろい。でも要所要所にツッコミどころ満載で、アイロニックなコメディかと思った。真面目に観るにはアホらしすぎる。
・まず素手のゾンビにやられる軍事施設、て何?シェルターも用意せずに重要な実験?を行う、て設定がチープすぎる。
・その施設の気持ち悪さが戦前な感じで未来感ゼロ。
・森に入ったら音をたてるな、とか言いながら、メラニーはペラペラ呑気にくっちゃべってるし。
・町に入ったら、ゾンビを避けて建物に入ったらOKだろう、ていうルールもよくわからん。
・民間人一人で見回りに行かせる、て何?
・とにかくゾンビがリアルじゃない。特に子どもゾンビ。魂が抜けた狂暴さが欠けてる。ケンカシーンは笑けた。
・スーパーで襲われた軍人の最期はマヌケ過ぎて笑けたし、軍曹かな?の最期のセリフも笑けたし、女教師の惨めな最後も笑けた。首尾一貫して理解できたのは博士だけだな。(笑)
・とにかくコメディとしか思えない。あまりの穴の多さに原作が読みたくなった。(笑)
このエンディングは
メリーバッドエンドって感じですが、これはこれで良かったです。外に出てつい猫を食べちゃって、でもマスクしてしれっと戻ってくる子が可愛かった。シャツに付いた血でバレバレなのにね。博士と対峙した時に、なんで人間の為に死ななければならないの、と言い切る強さが良かったです。きっと、新しい生命としてで新しい世界を作っていくんだろうな。
秀逸
何が起きるか分からないゾンビ映画らしい演出もあるので、凄いドキドキした!。そして、新しい手法として人間とゾンビの共生も扱ってるから面白い。ただ、主役のメラニーと姪っ子が似てるから痛々しかった…。
美しくもゾッとする物語
冒頭から聡明なメラニーが可愛くて、でも恐ろしくて切ない気持ちになった。
綺麗な声でハキハキ明るく話すのが好き。
普段は賢い子供でも動物の匂いを嗅いだときの豹変ぶりが怖い。
形相が変わり顎を突き出してガチガチ噛む様子はゾンビ系の描写の中でもとくに気味が悪い。
菌と共生している、いわば半ハングリーズ半人間という彼女達の存在の未知感が凄かった。
最初から特別視していた先生に加え、だんだんメラニーに感情移入していく軍曹と兵士に柔らかい気持ちになる。
それが油断にも繋がってしまうんだけどね…
研究目的に仲間を危険に晒す博士にはちょっとイラついたけど、わたしも人間なのでワクチンを作りたい気持ちは分かる。
ああ、最後はメラニーも人間の為に自らを犠牲にする結末かな…
と思いきや、まさかのハングリーズ菌ばら撒きでびっくりした笑
でも普通に考えてそりゃそうなのかなと。
「私は生きている、なのに何で人間の為に死ななきゃならないの?」
優しく賢いとはいえ一人の子供だし生存本能もある。
もっと先生と勉強したいし施設にいたほかの仲間達もきになる。
メラニーからしてみれば人間なんてずっと自分を拘束して実験台にしてきたヤツらだし、仲の良い人以外知ったこっちゃないよな…
それならいっそ地球全体ハングリーズの星にしてしまえと
時間の限りやりたいことしたかったんだなと。
観終えたあとすごく複雑な気持ちになった。
メラニーが笑えて幸せならいいのかなーと思いつつ、やっぱ人間なのでワクチン欲しかったー!って気持ちにもなるし、そんな自分と彼女にゾッとする。
111分、どうなるのどうなるのってのめり込んで楽しむことができた。
映像は綺麗だし音楽がとても良いのでもっと大きなスクリーンで観たかったかな。面白い映画が観れた。
けっこう後からジワる
原作者が本を書いているということで、徐々になされるSF的な状況説明があまり破綻せずにこちら側の謎を解いていくのは丁寧かつ上手いなと思う。絵作りに関してはバジェットのこともあるだろうがこういう"Z"モノではチープさが逆に活きる気がする。チェルノブイリの空撮ショットも取り入れたりと実際のところ力作だと思える。
ある意味円環構造なのだけどラストではメラニーとジュスティノーの状況が逆になった。しかし同じ教室のシーンでもラストの方が遥かに健全に見えていることで問いが生じる。「何がまともで正しいのか」。この提起で深掘りしたところで、ではあるのだけど極めてユニークな仕上がりになっていた。
今作では重要なところはあえてわかりにくくしているのだろうか。まずメラニーがコールドウェルに答えた数字が「4」でコールドウェルは「いいの?」と聞き返すシーン。そして翌日に解剖されそうになるのだが、あれはメラニーの部屋の番号でつまり「単純な数字」と捉えられる。だからコールドウェルの立場からすれば「より知性を感じさせない材料」になるということだろう。だからメラニーは半ば自暴自棄になっていたということで、それはむしろ卓越した知性を発揮している彼女を嫌悪していた軍曹の仕打ちからくる疎外感や、大好きなジュスティノーに対して感じた欲への罪悪感ゆえだったということになる。メラニーは多感でとても弱い存在の普通の女の子でもあったのだ。
そしてもう一つ。基地から逃げ出した後に逃げ込むショピングモールでのシーン。バックヤードのような場所で偵察をしていたジュスティノーが、音のする方向へ向かうとそこには鎖に繋がれて飢えを満たすために自らを食べていたハングリーズの男を撃ち殺す。これも考えられるとしたらトリガーを引く前に彼女が何を思ったかというと、おそらく基地に残されたあの子供達のことだろう。
こういうところで人間とハングリーズ、とりわけ第二世代との対比がなされてこちらの印象も変わってくることになる。悪くない。そして第3幕でメラニーの覚醒に繋がっていく。
変わった映画だなあ〜というのがまず印象としてあったが、思い返すとジワる。ジェマ・アータートン含めて。
ちなみに菌と人間の共生という設定では星野之宣の「共生惑星」を、ハングリーズが樹になっている描写は諸星大二郎の「生命の木」を思い出した。
これは最高のゾンビニューシネマ!
ゾンビ映画に込めたジョージ・A・ロメロの"社会へのテーゼ"の系譜を引き継ぎつつ、これまで見たゾンビ映画の中でも群を抜いたゾンビニューシネマになっている。
パンドラの箱を開けた少女が、新世界における新人類となり、彼女が慕っていた先生が地球最後の旧人類となる終わりは、まさにリチャード・マシスンの名作「地球最後の男」を彷彿とさせる。
単なるゾンビスプラッター映画を観たい方にはお勧めしない。 奥底にあるメッセージ性に感動できる方こそ観るべきゾンビ作品です。
あ、あと邦題の「パンドラの少女(副題)」は秀逸だけど「ディストピア」はあまりに陳腐でダサ過ぎ。きっとそれだけじゃ伝わらないと思ったのだろうけど配給ももっと考えて欲しいな。
個人的には好き
・序盤で、ゾンビの血が飛び散らないように身体を貫通しない特殊な弾を使っている、と説明するシーンがあって「おお!」と思うんだけど、その後のアクションシーンでは容赦なく貫通しまくり血飛び散りまくりで笑う。俺の納得をかえせ。
・よく考えなくても実は狂ってる女教師の倫理観。最後の涙はそういう意味では自業自得…なのか?
・ワクチンのためにセカンド・チルドレンの脳と骨髄が必要です→さっきのガキ1人半殺しにして連れてくるのかな(それくらい平気でやりそう)、と思ったら木に放火。でもそれなんか意味あります?
博士はほっといても死ぬし、女教師と軍人にセカンド・チルドレンの教育をさせるだけなら胞子を撒き散らさなくてもできるでしょ。そう考えると人間2人を永遠に閉じ込めておくため、しか理由が考えられないんだけど、その割に軍人が死んで悲しむ主人公。サイコパスすぎるでしょ…
・主人公が実はサイコパスで、博士の言う通り、論理性や道徳性はただ周りの人間を模倣していただけでした、というオチは全然アリ。だが、それもゾンビ映画じゃなくてよくね。
・他にも色々ツッコミたいことはあるけど個人的にはけっこう好きな映画。特に面白枠軍人の死に方がベタにマヌケすぎて最高。
フリオチシッカリ
きちんとフリがあり、そしてオチを回収するゾンビ映画。それ以上でもそれ以下でもない。頭脳明晰と思いきや、結局、子供の発想から抜け出せないというストーリー。新人類と思わせて置いての、自分の欲を満たすだけのプロットは、なかなか面白い運びである。
たまにはこんな作品もいいのではないのかと思わせる内容であり、さすがハリウッド、バジェットは大きいから作り込みも細かい。
こういう結末も、いい意味での裏切りとして記憶に止めておきたいと思わせる展開である。主人公の女の子の演技の巧さがこれを可能にさせていたんだろう。日本だと、こういう子役いるのかな?
ゾンビ映画としては傍流だが、悲しい運命を背負ったミュータント的な世界観
年イチくらいは観たい、"ゾンビ映画"のバリエーションである。
原題は、"The Girl with All the Gifts"である。実にクールだ。邦題に、"デストピア"(dystopia)を冠して、どうしても終末世界のゾンビ映画だと伝えたいらしいが、蛇足だと思う。英題も、"すべての贈り物(才能)を受け取った少女"という奥ゆかしいものなのに、「パンドラの少女」と説明がましい。これじゃヘビメタの楽曲タイトルだ。
ゾンビ映画の楽しみは、"鬼ごっこ"と"かくれんぼ"要素がすべてであり、それ以上を求めるのは野暮だ。"単純なゾンビ映画だ"なんて感想は、ゾンビフリークじゃない。"単純上等"である。
本作のプロットは、観客が"ゾンビ映画の様式美"を知っていることを前提にしている。"様式美"とはすなわち、"終末世界"、"ゾンビは集団行動する"、"襲われたらゾンビ化する"、"エンドレス"である。
近年は、ウイルス(または細菌)感染を原因とするパンデミックを描いたものが多く、"生きた人間がゾンビ化する"ものが主流になってしまったが、個人的には本来のゾンビは、"腐った死体が蘇える"べきだと思ったり・・・。
それはさておき、本作はトレンドに沿った、"細菌感染"となっている。字幕や公式サイトも、"ウイルス感染"と混同している。"細菌"は自ら増殖できるが、"ウイルス"の増殖にはヒトなどの媒介が必要である。本作は"細菌"、しかも菌糸を持っているので、"真菌"である。このあたりを正確に認識していないと、エンディングで自己増殖している真菌がいることの意味が理解できないはず。
さて、主人公はメラニーは、細菌感染した人間から生まれたゾンビの第二世代(セカンドチルドレン)である。ゾンビ映画の主人公は通常、襲われる側(ノーマルな人間側)にいるものなので、ゾンビ側が主人公というのは、それだけで新種。ゾンビ映画としては完全に傍流である。
メラニーは、平時は人間として振る舞うが、生肉や生きた動物、その匂いに反応してゾンビ化してしまう。しかし我に返り、論理的に思考できる少女に戻る。ここがミソ。
そもそも原作の作家マイク・ケアリーは、DCコミックやマーベルコミックの作家のひとり(漫画家でもある)であり、X-menのストーリーメイクにも参加している。「LOGAN」(2017)で、X-menのウルヴァリンの血を引き継ぐ新世代のミュータントが現れたように、ゾンビの第二世代(セカンドチルドレン)であるメラニーが、背負った悲しい運命を描いた世界観は、"X-men"シリーズの延長線上にあるようにも思える。
ゾンビと人間のあいのこ。メラニーが、最終的に"選択する"、終末世界の支配者はだれなのか。"人類は地球のガンである"というテーマに対する、ひとつの答えが、この映画にはある。
(2017/7/1/新宿バルト9/ビスタ/字幕:高橋彩)
パンドラとは
パンドラの箱に残っていたのは希望
誰にたいしての希望なのか
種族の希望か、ある人の希望か、自分勝手な思いなのか
個人的には希望のない終わりかただったと感じてしまいました
予備知識なしに観た
観終わった後「え?」って感想が出ました。これから原作考察等観たいと思いますが、素直な感想としてはとても難しい映画だと思います。
最大の謎はエレニーが木を燃やした理由です。それまでエレニーが行った行動・判断などからすると突飛過ぎて理解できませんでした。恐らくそれまで観ていた観客の中の「エレニー」と実際の「エレニー」はかけ離れた存在でそれが具現化したのがあのシーンなのかなと思います。それが何に起因するのかは私にはわかりませんでした。1つ言えるのは彼女は「先生の希望」ではあっても人類の希望ではないです。
映像は素晴らしかったですが、突然感情移入を断ち切られたようなポカンとした感じでした。
少し調べてみたいと思います。
全22件中、1~20件目を表示