「虚実の皮膜を楽しむ」海辺のリア わんだー3さんの映画レビュー(感想・評価)
虚実の皮膜を楽しむ
演技派俳優、仲代達矢84歳の演じる芝居。
登場人物はわずか5人。
舞台は、石川県の千里浜という海辺。
主人公の桑畑兆吉は、元俳優だが老人ホームを抜け出して、、
「用心棒」では、ミフネさんと共演しました、と語る主人公は、84歳の仲代達矢そのもの。
認知症を患い、突然怒りだすわ、呆けるわ、の始末。
しかし、ラスト近く、海辺での「リア王」の一人芝居は、実に堂々たるもの。
仲代達矢も老いに直面しているのだが、それを演じているのが、素なのか、わからないのが魅力でもある。
シェークスピアのリア王が、こういう形で、現代に蘇るとは!
私のような還暦超えには、極めて親近感の湧く作品だが、今時の若い人には理解しがたいかもしれない。
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