「以前とは違って大人な映画になったね」HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION はやてさんの映画レビュー(感想・評価)
以前とは違って大人な映画になったね
アクションシーンは比較的控えめで、というのも今作はファイナルミッションと題してある通り、九龍グループとの対決に拳だけのケンカじゃない、皆それぞれのやるべきことを遂行していくので、前より大人な感じで話が展開していくのは避けられないことなのかなと。しかしそれが悪いことではなくて、善信の言ってた「大人の喧嘩」というのがどういうものか、それがしっかりと伝わってきたのでその面ではむしろ良い展開だったと、個人的にはそう思います。控えめなアクションと言いましたが、それでも相変わらず琥珀の無双っぷりや九十九の抜群な格闘センス、雨宮兄弟のそれぞれの強烈な拳と蹴りはしっかり見せてくれました。G-SWORDの皆のアクションが割と少なめだったのでちょっと物足りないとも感じました。ですが無名街の爆破シーンであったり、山王連合会初の全員でのバイクシーンや達磨一家の片輪走行シーン、それにRUDEの見事なパルクール等が披露されてたりしてたので、以前とはまた一味違う感じで楽しめました。恐らくそれぞれの登場人物同士の掛け合いが多かったのでそれもあってアクション控えめになってしまったのかと思いますが、思わぬ人物同士が話し合うシーンもあったり重要な情報が会話の内容で徐々に明かされるので、それはそれで良かったと思います。
ただ個人的に前々から危惧してた伏線の未回収というのがやっぱりあって、最終章とはいえ拭いきることが出来なかったのは仕方ないですが、不完全燃焼だなとも思いました。マイティーに関してはスピンオフがあるとはいえ出番が少なすぎるかなと。まああくまでもSWORD目線でのストーリー展開な上にマイティーが実際に絡んでたのはザムでの抗争とザム2でのジェシー率いるプリズンギャングとの対決ぐらいしかなく、今作に至っては九龍との全面抗争なので九龍グループ内の龍の一つである劉会の長にしてマイティーの仲間でもある劉だけしか関りがないので、そこは妥協点ですかね。それにエンドロールの方でICEとジェシーが言ってた新スポンサー(?)であるバルジが一体何者なのか、次のステージとは何か、というのが気になって仕方ないです。これは多分続編を匂わせる為の演出なんでしょうけど、最終章からの続編というのがなかなか難点だという人もいるので微妙なところですね。なので、これまではSWORD主軸の物語であり今作はSWORD主軸のストーリーとして最終章を迎えたというように個人的に解釈してます。仮にそうだった場合、続編ではなく新章があることを示す為に、終盤でバルジを投入したのかなとも考えられる上に、先日マイティーのスピンオフを出したのもこの為なのではないかとも捉えることができます。
ただ唯一気になるのが張城ですね。そこだけはザム以降一切登場せず動向も不明なままなので、もし続編或いは新章があるのであればその際に張城も再登場させて一区切りつけてほしいです。マイティーとも一応関わりがあったので、もしかしたらまた一緒に何か大きな仕事をするかもしれませんね。
他にも、琥珀&九十九が海外で何をしてたのか、劉が属してた九龍の一時的壊滅によりマイティー側へどのような影響があるのか、等々の伏線が回収されることを期待してます。
評価の残り0.5は伏線の未回収という点が主な理由です。
それ以外は個人的に特別気になる所はなかったので、当然名シーン名台詞のオンパレードのような感じもあるので大迫力に思わず鳥肌が立ちまくりになったり、涙したりしました。最終章として仕上げる部分はちゃんと仕上がっていたと思います。