「エレガントなカメラワークが魅力」オーシャンズ8 すっかんさんの映画レビュー(感想・評価)
エレガントなカメラワークが魅力
作品全体について
監督も変わって作風も大きく変わるかと思っていたけど、ストーリーラインから画面構成までオーシャンズシリーズらしいエレガントな雰囲気に満たされていた。計画のディティールだけを見せて全貌を映さないのも最後まで徹底されてる。
スマートな印象のある本作ながら、全体的に曇天や雨天、暗めの画面が多い。画面の明度というよりカメラワークの良さがあるからこそ、そういう印象が残るのかも。
カメラワークについて
動きの早い画面ブレ等は使わず、1カット1カットを長く使った上品な画面構成はシリーズ通しての印象。空間の広い舞台をゆっくりカメラを動かして、贅沢に見せるカットが多い。計画の全貌がわからない分、カメラは多くの情報を写そうとしているように感じた。ごちゃごちゃとした印象がないのはフレキシブルなカメラワークながらゆったりとした動きを徹底しているからかな。
壁に書かれた文字を写し場面転換でカットを割って、室内から反転して見えるガラスの文字につなげる…みたいなアイデアが面白かった。BGMが終わるギリギリのタイミングでこのカットつなぎをしているのもオシャレでかっこいい。
その他
デビーがミラーを計画に誘うランチのシーン、渋るミラーが計画への賛同を示すときに、デビーが差し出した食べ物を食べて賛同の意思を示す。相手のものを口にすることにより同じ意思を持つという表現となる。
その表現がダフネにもあって、ミラーが仕込んだ下剤を(意図して?)口にするところ。今回の計画の大事な部分ということもあって、デビーたちの計画にダフネがノッた演出として印象に残った。