「見せないことで恐怖を表現したサメ映画の元祖「ジョーズ」を最もリスペクトした作品。」海底47m レントさんの映画レビュー(感想・評価)
見せないことで恐怖を表現したサメ映画の元祖「ジョーズ」を最もリスペクトした作品。
クリックして本文を読む
サメ映画はピンからキリまで数あれどこれはキリの方。同じくキリの「ロストバケーション」よりも面白かったかも。
シチュエーションスリラーとしてはこれまた女性二人が高所に取り残される「フォール」にも似ている。幻覚で死人が生きていると思い込むくだりまでそっくり。順番的にはこちらが先か。
タンクの交換で窒素酔いになり幻覚を見るという伏線から、妹が生きていたと思い込むくだりは幻覚だろうなと思いつつ、そのままサメに襲われながら救助された時点では幻覚のことなど忘れていた。その後にどんでん返しとこれはやられた。
サメ映画にしてはサメの出番は少なめだけど、透明度の低い深海でいつサメが目の前に現れるかもしれないという恐怖感はなかなかのもの。全編にわたって深海という舞台が実に効果的に使われていた。
特に発煙筒を炊いた瞬間、大口を開けたサメに囲まれてたというシーンはかなりの恐怖だった。
サメ映画の元祖「ジョーズ」では当時実物大のサメを作ったもののとても本物には程遠い代物だった。それはクライマックスシーンを見れば明らか。
だからスピルバーグはあえてサメの姿を見せないことで観客の恐怖心を煽った。この見事な演出でかの作品は後世に残る名作となった。
本作は舞台を真っ暗な深海にすることで襲い来るサメの姿をあえて見せずに恐怖心を煽った点、「ジョーズ」を最もリスペクトした作品といえるのではないだろうか。
コメントする