怪物はささやくのレビュー・感想・評価
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フツー
少年が成長するだけの話。前評判なく見たら良い映画ね( ´_ゝ`)ってなったかもしれないけど、パンズラビリンスと比較するような批評を見てしまったので期待してたのですよ。薄い薄い。雰囲気分からんでもないけど薄いよ!
決して綺麗事だけでは語れない。“怪物”がこじ開けた、少年の心。
【賛否両論チェック】
賛:心を閉ざした孤独な少年が、夢に出てきた怪物が語る物語によって、自分の本心と向き合っていく様が、不思議な雰囲気の中で描かれていくのが印象深い。ラストも感動的。
否:展開は非常に静かなので、気をつけないと思わず眠くなってしまうかも。
学校でイジメに遭って孤立し、唯一の拠り所であるはずの母親は重い病で不安定。そんな孤独な少年の夢に姿を現した怪物が語る、「善悪」「信念」「存在」にまつわる物語が、少年の閉ざした心から、その本当の感情を引き出していきます。
やがて母親の容態が悪化し、少年の心もすさんでいってしまった時、3つの物語を語り終えた怪物が、少年がずっと想いながらも表に出すことを許せずにいた“心の叫び”を解放させるシーンは、本当に印象に残ります。
決して明るい気持ちで観られるストーリーではありませんが、人としてどう生きていくかの道標になるような、そんな作品です。
為になる話
絵本が原作と聞いていたので、軽い気持ちで観に行ったが、始まってみたらかなり重い内容であり、怪物の三つの話はとても為になる話であったが、自分には少し難し過ぎたのか観終わった後なんだかモヤモヤしてしまった。
生きている限り続く矛盾
予告を見てファンタジーだと思ったら全然違った。
でも、とても染みた。
母親の病と鬱々とした日々。
生きていると色々突き当たる矛盾。
その矛盾を受け入れられずに生まれたのがグルートってことなのかな?
さすがに妄想の怪物を見るほどじゃないけど思い当たる事はある。
お互い好きなのに別れなきゃならない状況。
痛いのはイヤだけど構われないのはもっとイヤ。
嫌いだけど理解して受け入れなきゃいけない。
グルートの矛盾の物語りは遠回しに道を示す。
生きている限りこれからも矛盾に当たり、嫌々受け入れ、それに苦しむ。
でも、もう二度とイチイの木は立ち上がらない。
過ぎし日々の葛藤を想う
体調不良で映画に集中できず。
寝落ちするはトイレに立つはで残念…
そんな日は劇場に
足を運ぶべきではないですね。
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2017.6.21 TOHOシネマズみゆき座にて1回目
少年に突きつけられる過酷な現実
そして人間の真実を語っていく怪物。
現と空想の間を自在に行き来する
少年の心象を綴った脚本が実に魅力的。
ルイス・マクドゥーガルの
大人びた凛とした眼差しが
思春期の危うさを醸し印象に残る。
愛溢れるエンディングに向けて
涙が止まらなかった。
素晴らしい映像美と真実の深さ
数年に一度、観て良かったなぁと思える映画に出会います。これはまさにそれです。
俳優陣の演技、特に主人公の男の子の演技に心が締め付けられました。
詳しくは書きませんが、時間とともに流れる心の機微がよく表現されていました。また『なぜ怪物?これファンタジー?』とはじめはよく理解できていませんでしたが、怪物と現実の接点が最後に理解ができました。よく作り込まれた素晴らしい作品です。
私はレイトショーで観ましたが、これくらいの時間に色々考えることがある大人にぴったりな映画です。オススメします!
子供向け?否、オトナになれない大人向けかも。
大切な人の生命の終わりに直面した時の、自分には何もしてあげられない無力感、腹立たしさ、イラつき‥‥、
そういったやり場のない感情を、少年の成長に仮託して描いた作品だと思いました。
老夫婦や普通の中高年で同じことを描いても、オトナなんだからしっかりと現実を受け止めろよ、と鼻で笑われてしまうので、ファンタジーの形をとったのではないでしょうか。
小学生や中学生の時、物凄く大人に見えた先生や先輩達と同じ歳になっても、『なんだこんなもんか、全然大人になんかなってないじゃん、オレ』と思ったことありませんか?
オトナらしく振る舞うことはそれなりに学びはしましたが、感情をコントロールできるほどの大人に果たしてなれたのだろうか?
寓意性と普遍性に満ちた少年の物語
イギリスの田舎町、墓地が見える一軒家で暮らす少年コナー(ルイス・マクドゥーガル)。
彼は、毎夜、12時7分になると「怪物」の姿をみる。
それははじめ夢の中での出来事だったが、次第に「怪物」は現実にも現れるようになる。
そして、怪物は「3つの話を聞いて、4つ目にコナー自身の物語を話せ」と告げる・・・
というところから始まる物語で、コナーには重病を患った母親(フェリシティ・ジョーンズ)がおり、娘の看病とコナーの面倒を見るために離れて暮らしていた祖母(シガーニー・ウィーヴァー)がコナーの元へやってくる。
こういう設定なので、怪物はコナー少年の心の内の象徴で、気づかなければならない事柄や乗り越えなければならない事柄を気づかせる役割を果たしていることは早々にわかる。
そして、それらの事柄も、重病の母親にかかわることであろうと想像はつくし、必ず現れる時間の意味も想像はつく。
さらに、怪物の声は、すでに亡くなっている祖父(リーアム・ニーソン、写真でチラリと写る)の声だ。
なので、おおよそ想像が展開は想像がつくのだが、物語の語り口、映像表現が素晴らしく、興味は惹かれる。
特に、目を見張るのが、怪物が語る物語。
3つのうち、はじめの2つはアニメーションで語られ、黒を主体にした水彩画のような感触で、素晴らしい。
また、語られる内容も、通り一遍の価値観を押し付けるものではなく、善悪や良否などは曖昧で多義的であるなど、寓意性も高い。
そして、この寓意性の高い普遍的な物語は、コナー少年が語る(語らねばならない)4つ目の物語にリンクしていく。
ということで、絶賛したいところなのだが、3つ目の物語の表現がアニメーションを捨て、よりコナー少年自身に近づきすぎているあたりは、少しがっかりした。
なお、12時7分の秘密が明かされた後のエピソード、はじめは蛇足かと思えたが、怪物が語った物語の秘密が最後の最後に明かされ、思わず落涙させられてしまいました。
演技陣では、母親役のフェリシティ・ジョーンズが意外と良く、これまで彼女を良いと思ったことがなかったので、、驚かされました。
静かに美しい世界観
余命わずかな母とその息子とそれを取り巻く人たちが困難を乗り越えていくというのが今作のストーリーだ。秘密を抱えながら、孤独に生きている主人公が怪物と出会うことによって成長する姿にはとても感動した。
3つの物語と主人公が語る4つ目の秘密を通して映画は進んでいく。それぞれの物語に違うメッセージが込められている。そして最後に明らかになる主人公の秘密から、人間とはどういうものなのかを改めて実感できる。
全体的にスピリチュアル感が強く、宗教的な考えが映画のベースとなっていた。宗教とはあまり関わりのない自分からすると、スッと自分の中に入ってくるメッセージではなかった。
フェリシティ・ジョーンズの演じた息子を想う母親の、死に際の表情には心を打たれた。
リーアム・ニーソンの声は怪物役にどハマりだった。
大人向けのファンタジー
おじさんになってくると,ひねくれてきて,ちょっとした映画で泣くということはなくなる。
しかし,この映画は泣けた。
冒頭に子どもというには大きすぎ,大人というにはまだ幼いという言葉がある。まさに,その少年が試練を乗り越えるという話。
母の病気は治らないのかもしれないが,母と子は治るものとして日々を送っている。そうしなければ生きていけない。でも,そうやって現実から目を背けていては試練は乗り越えられないし,大事な人に大事なことを伝えることもできない。そういう矛盾がどうやって着地するかが問題なのだが,うまい映画作りをして結末につなげている。
映像もすばらしいし,演技もみなすばらしい。とくに主役の子の地肩の強さはハンパない。
万人におすすめできる。子どもよりもむしろ大人向け。
ところどころ睡魔が…
ママを慕う子供の気持ちがひしひしと切なく伝わってきます。
だだ…自分的にはグルートとダブっちゃったり子供のワガママな妄想じゃん、とイマイチ冷めためで見えてしまって…。
ファンタジーゆえのポワーっとした展開にやや睡魔が…。
切なく悲しい教訓物語
『パンズ・ラビリンス』のスタッフが製作…という売りだが、どちらかというとティム・バートンのダークファンタジーに近いかも。
主人公のコナー少年が友達がいなくて絵ばかり描いているというあたりもバートンっぽいし。
コナーが次々と困難に見舞われる様が観てて辛くなるが、人間誰しも避けられないことを学んでいく教訓物語として文科省推薦にしても良かったのでは。
正直コナーが語る「4つ目の物語」が何かが途中で読めてしまったのが残念だけど、リーアム親父の文字通りの”怪演“はもちろん、シガーニー・ウィーバーがしっかりイギリス英語を喋っていたのがさすがの一言。
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