しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイスのレビュー・感想・評価
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なぜこんなにいい映画をもっと宣伝しないんだ!
この映画で初めて彼女を知った。絵はシンプルな色彩と画風だが、確かに優しさが溢れる心惹かれるものがあった。実物のご夫妻も人柄が現れたいいお顔でびっくり。夫婦役夫々が素晴らしい演技だった。イーサン・ホークを観ていると自分と重なり、ちょっと申し訳なくも思った。彼女が亡くなると自分が大きな喪失感を感じてしまった。妻と一緒に観れて尚更よかった。妻の大事さを改めて感じさせてくれたいい映画でした。
夫婦のあり方
を教えられているよう。言葉がなくても想いやる心も大事だが、声に出して想いを伝えるのも必要。体や絵がきっかけにはなっているが、普段何処にでもいる夫婦の会話を切り出した、はっと気づかされる映画でした。
しあわせは今あるものからみつける。
シェイプオブウォーターに続いてのサリーホーキンス主演作です。これはこれでよかったです。
モードは割と裕福な家庭出身なのに両親早世ののちは辛い日々だったみたいですね。兄も叔母もひどいったらない。
モードは自立しようとしてエべレットの家政婦募集に応募します。
はじめの頃のエベレットはまぁ粗野で無愛想なヤローで、そんなに怒鳴らんといてよ、なんなん?とスクリーンのこちら側から怒っていましたが、何年もかけてゆっくりゆっくり近づいて行き…という、過程が良かったです。
わたし、好きなんです、はみだしっ子が傷を癒し合うように寄り添い、やがて愛し合うというプロットが。自分にとっておとずれてほしいとかすかに願っているからなんですが。
シェイプオブウォーターもそういう物語で、この映画もその類でしょ?だから、ね。すきなんですわ。
モードの絵が売れても小さな小屋で二人ちんまり生きる。
もっといろいろ便利にできそうなところを、そうはせず昨日と同じような今日をもとめ、明日も求める。
体が言うこと聞かなくても、目の輝きは昔のまま。
そんなモードから見いだしたのは、しあわせはどこか遠いところから見つけるのではなく、今自分が持っているものから見つけるってことなのかな、ということ。
確信はないけど真実味があるなぁと思っています。
自分の幸せや彩りのある人生について考える映画
サリー・ホーキンスさんの大ファンになってしまって、ずっと彼女のお芝居が観たくなっちゃって、シェイプ・オブ・ウォーターとはしご!
カナダの画家モード・ルイスと夫のエベレットの物語。観るまで存じ上げなかったけれど、人が出会って共に暮らすこと、人生の伴侶とは如何なるものか、ということがどんな物語よりもリアルな気がした。
輝かしいハレの日だけじゃなく、遠回りでも地道に心を通わせてゆく過程、またはすれ違う瞬間、人生の殆どを占める「日常」を丁寧に追っていき、それをゆっくりと眺めている時間はとても贅沢で多幸感に満ちた映画体験だった。まるで彼女によって色づいてゆくあのおうちのように。
生まれ故郷の周辺から一度も離れず生きたモードが窓の外を見て「命の輝きが1つのフレームに」と話す所。
全体的に窓越しのショットが多かったけれど、そのフレームから見える世界が1日として同じ風景でないことを知っていたし、その美しさと尊さを毎日感じ、絵に残しながら生きたんだね。
エベレットは不器用な人だけど、雲を見て笑うモードを見つめ、“I see you as my wife.”と最後に言えた。
彼は彼なりに世界を縁取りまなざし(=フレーム)をモードに向け続けていた。その静かな愛情の豊かさに心が震えたし、ラストであのメモを見つけた瞬間私も涙腺決壊した…
モードの「人って自分と違う人間を嫌うの」という台詞は、奇しくもシェイプ・オブ・ウォーター にも繋がる話だ。その「違い」にひそんでる何かをお互いに見出せた夫婦だったのかな。
心が絵の具のように鮮やかにあたたかく染まる物語。主演のおふたりは言わずもがな素晴らしかった…
【2回目 4/24@Bunkamuraル・シネマ】
観納めかなと思っておかわりして来たけど、もうじんわりあたたかいものが身体にしみてゆく名作…あの時こんなこと言ってたのか、そんな表情を見せていたのかと再発見が。
このお話を見つめている時間はそんな細やかな気付きをゆるやかに、でも確かに積み重ねてゆく時間。
今日は完全にエベレットの視点になってて、モードが笑ったり怒ったり拗ねたり楽しそうに絵を描いたりする、そのくるくると変わる表情や言葉の1つ1つをきっと好きになっていったんだな…と追体験したみたいだった。
「皆はあなたを嫌うけど、私は好き」なんて言われたらなあ…
そもそも、エベレットは「俺の人生に入り込めると思うな」って言ってたのにさ…モードは突然現れて、彼の心をノックし続けいつのまにか人生のパートナーになり、先にいなくなってからエベレットがあの貼り紙ラストで見つけるわけじゃん…ほんと見事すぎて泣く…
さて、2人の関係性について改めて考えてみると、エベレットもモードも思うことを、適切な瞬間にきちんと伝えてる。嘘偽りのない自分の言葉で。
だからお互いの想いが私達にも透けて見える。人として尊いと心から思った。
本当に人生の中ではとてもさりげなくささやかな一瞬なのだろう、でもその美しさが沢山きらめいていた。
今日は私より年上の女性達が沢山で、涙目になりながらいそいそと帰って行ったり、感想を丁寧に書いていたり、いつまでも愛おしそうに看板の写真撮ったり、いろんな人がいてそれがじーんと来た。
私が好きなものに対して、その人なりの「好き」が滲み出る瞬間に立ち会えて嬉しかった。
ノバスコシアの景色が本当に本当に美しくて、特に空の色とそれを反射する海と空気の透明感にため息が出るくらい。
モードが窓から見ていた景色を私もいつかこの目で見るのが夢になった。
カナダはシェイプ・オブ・ウォーター も撮ってるから本当に聖地巡礼するために頑張ろうと思う…!
夫婦の物語
最後まで飽きずに観られたのだから、まぁまぁだったのだろう。熟成した夫婦が観ると、また違った印象を受けるのだろう、と思った。
全体として、派手さはないのだが、舞台となったカナダの風景が美しくて良かった。
普通なら腐ってしまいそうなところ、夫役のイーサン・ホークが持病のある妻を支える姿が上手だなと思った。
これはもしかして夫が主人公の映画なのでは。
夫の立場にものすごく共感できる映画でした。
批判的なレビューもありますが、私はむしろ憧れさえ感じたほどです。
彼の変化を気付かせないくらいに、しっとり描いた映画のように思いました。
お葬式には誰も並ばないかもしれないけど、そんなのどうでもいい。
こんな妻がいてくれた。
それはかけがえのない幸福だと思います。
あの家の絵に囲まれて暮らせたら、きっと独りぼっちじゃない。
飲んでいるお茶を、私とあなたで「半分こ」って和訳したこの映画の翻訳家、ものすごく素敵だなって思いました。
二人の生活
モードがエベレットの家に「転がり込む」ところから物語はスタートする。生まれつき障害のあるモードと性格的に偏りのあるエベレットが、出会ってから死別するまでの物語。モードに絵の才能があったことから巻き起こる騒動は副次的なことに過ぎない。
夫婦はずっと小さな小屋で暮らした。電気もガスもない生活を、たぶん二人は不幸だとは感じていなかったのではないか。
トラブルのない人生などない。その過程の中でどれだけ幸せを感じることができるか、幸福だと思える瞬間がどれだけあるかが、その人にとっての人生の価値を決めるのではないか。
モードにとって絵を描く行為そのものが喜びであったこと、エベレットがそんな彼女を受け入れたこと。そこに、凡庸なわれわれでも幸福な人生を送れるヒントがある。
黒猫の絵欲しい‼︎
不器用なのはわかるけど
仕事仲間に
からかわれたぐらいで
いや
殴らなくても...
なんかあのシーンが
引きずっちゃった...
モードは
身体は不自由だし
子供や家族の事で色々あったけど
死ぬまで
好きな人と暮らせて
好きな絵を描けて
しあわせだったのでしょう
とても
ホッコリする
優しい絵だなと思います。
可愛い絵画も見れて★★★★★です!
とっても暖かい気持ちになれました☺
こんな風に想い合える夫婦って素敵。
酷い事をされてるのに、自分を認めてくれる奥様だからこそ、その奥様の事を認めてあげたくなる存在になってく。。徐々に尻に敷かれてく旦那様の姿が微笑ましいです💕
モードの描く自然がいっぱいの世界が大好きになりました🌷
あんな優しい色彩の中で生きられたモードは幸せだったろうな😌💭
虐げられた生活を照らす華やかな絵
カナダで人気の画家 モード・ルイスが夫のエベレットと過ごした日々を描く
私としては、あの「昭和の頑固おやじ」的な夫エベレットの男尊女卑な態度に腹を立てながら観ていた
特に「お前はチキン以下だ」なんていうセリフの精神的虐待度の高さはかなりのものだった
しかし、彼女のそんな悲惨な生活はエベレットと暮らしてから始まったものではなく、幼い頃から、兄の虐待があり、両親が亡くなって預けられた叔母からも虐げられるという不幸の連続が続いていた末のことである
その生活の中で、彼女の描く、この世のものとは思えないカラフルな絵の世界は、モード自身が辛い現実から逃避し、頭の中で思い描いた空想の夢の世界である
辛いことがあるたびに、彼女の手が絵の具や、絵筆を求めていたことがその証である
ということは、モードが幼い頃から虐げられた生活を送り、その裏で空想の世界を膨らませ、それを絵に表現してきたからこそ、彼女は人気画家になったのである
つまり、兄のチャールズや、夫のエベレットの虐待も、意地悪な叔母も、モードにとっては、画家になるために必要な存在だったのだ
それは何とも皮肉な話だと思った
それでも、自由に絵を描かせてくれたエベレットに対し「愛してくれた」とモードが言うのは、彼女があまりにも純粋過ぎて心が痛む
しかし、エベレットがいなければ、モードの絵がこの世に出ることもなかったかもしれないというのも、また事実だろう
多くの人を感動させる素晴らしい絵というのは、時には、誰かの人生の犠牲の元に生まれるものなんだなと思った
幸せは築くもの
主人公は、病気を理由に、辛い環境にあっても人生を諦めることをせず、相手に求めるのではなくて自ら変化を起こして、強く生き、幸せを築いた。
彼女の描いた絵は、綺麗で、幸せを感じる。彼女の内面や、夢を映したような絵だ。
夫は、そんな彼女に影響を受けて、変わっていったのだと思う。
彼女の絵を、もっと見たいと思った。
暖かい。
サリーホーキンスとイーサンホーク。
主演の二人は不死人すごく若く見えるときもあるし老年に見えるときもある。
不思議な好きな俳優。
カナダを舞台に、自然を背景に美しい生を感じる。
夫婦になった二人の物語。
結局惚れたもの負けなのかなぁ。
暖かい愛を感じる映画だった。
始めのしつけだけは入らなかった。。
映画館で見てよかった。
こういう人がいたんだなぁ
シェイプオブウォーター主演のサリーホーキンスの演技力!さすがです。
どんな理由があれ女に手を出すのはいけません( `ω´ )
旦那さん、難しい人だったんだなぁ。やさしくなったとは思うけれど主人公の女性は長い間苦労しただろうなぁと感じました。
お家が綺麗になっていく様はとても素敵。
壁の絵も可愛いです。
優しさが生み出す優しい絵
知り合いにひとり、リウマチの女性がいる。頭のいい、仕事のできる人で、いつも明るくにこやかだが、使っているボールペンには柔らかい布が厚く巻かれている。硬いペンが指に当たるととても痛いのだそうだ。彼女も本作品のモードと同様に痩せ細っている。そしてモードと同様に、誰に対しても優しく振る舞う。
彼女の様子を見る限り、リウマチは日常生活ができないほどではないが、痛みは相当につらいようである。座敷の和食店で木の床に膝をつくだけでもかなり痛いそうだ。
痛みを我慢しながら生きているからこそ、他人の痛みが想像でき、そして他人に優しくできるのかもしれない。
モードの優しさもまた、生きているだけでつらいこの世の中のつらさを理解している優しさだ。そこには見栄や驕りは微塵もない。ただただ真っすぐ正直に世の中を見つめて、美しいものを美しいと感じ、生きていることを素晴らしいことだと認める。そしてそれを絵にする。絵は描く人の優しさを投影し、人はそこに彼女の魂を見る。
サリー・ホーキンスはアカデミー作品賞の「シェイプオブウォーター」の主演でもあり、今年は何かと話題の女優だ。まさに脂が乗り切っていると言っていい圧倒的な演技で、観客をひとり残らず惹き付ける。
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