劇場公開日 2017年7月21日

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「グルーさん、いい子ちゃん」怪盗グルーのミニオン大脱走 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5グルーさん、いい子ちゃん

2017年7月31日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

イルミネーション・スタジオの看板作、第3弾。
最近このスタジオは「ペット」「SING」とヒット作続き、ミニオンが大人気。
絶頂真っ只中での最新作である。

悪党稼業から足を洗い、ルーシーと結婚し、アグネスたちの良き父親として、“反悪党同盟”の捜査官として働くグルー。
ある日、新悪党バルタザールを取り逃がし、クビになってしまう。
そんなグルーの前に、双子の兄弟ドルーが現れ…。

正直、話が良かったのは第1作目だけ。
2作目よろしく今回も一応話らしい話はあるものの、ただワチャワチャ騒いでる完全な子供向け。
それに今回、話の纏まりにも欠ける。
養豚を営む大富豪のドルーの夢は亡き父やグルーと同じ大悪党になること。足を洗ったグルーを再びワルの道に引き込もうとする。
80年代、TVドラマの天才悪党子役として一世風靡したものの、“あの人は今?”状態のバルタザール。自分を干したハリウッドに大復讐を企て…!
三女のアグネスは本物のユニコーン探しにワクワク、ワクワク!
ルーシーは3姉妹の良きママになろうと奮闘するが、なかなか上手くいかない。
ミニオンたちはワルの道に戻る気無いグルーにうんざりし、家出。歌のコンテストで喝采浴びたり、逮捕されて刑務所入ったり…。
…などなど、あっちで大騒ぎ、こっちで珍騒動。話の面白味はまあまあ。
でもやっぱり本作は、ユニークなキャラたちを楽しんでこそ!

久々にワルをするグルーが活き活きといい顔してる。
ちょっとテンション高くてウザいドルーのキャラも悪くない。
メチャメチャ時代遅れ感丸出しのバルタザール。が、彼のバックに流れる80年代ミュージックがノリノリ!
アグネスはいつも純真だし、ルーシーにもカッコイイ見せ場が設けられている。
そして、ミニオンたちは…

日本では“ミニオン大脱走”なんてまるでミニオンたちが話の肝のようなタイトル付けられてるが、邦題通りのシーンはほんのちょっとだけ。
ミニオンたちの大活躍を期待するとアレレ?となるかもしれないが、まあ本来はサブキャラなので、時折面白可笑しい事する役回りは、これはこれでいい。

子役向けではあるが笑えるシーンも幾つかあったし、ノリの良さテンポの良さ、ラストのスペクタクルなアクションはさすがに楽しい。
同スタジオ作品のような歌のコンテスト、かのスペース・オペラのEP6みたいに固まっちゃったネファリオ博士、ミニオンたちによる名作ミュージカルのようなシーン…パロディにニヤリ。

好きな人でないと退屈。
新作の度に新キャラが増えていって、話はそっちのけ。
グルーもすっかり善人。
でも、この楽しいアットホームな雰囲気やグルーの人の善さもどうしても隠しきれないんだな。
ミニオンたちもね。

近大