「疎外感を感じる親父の癒し!オヤジヒーロー頑張れ!」いぬやしき ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
疎外感を感じる親父の癒し!オヤジヒーロー頑張れ!
最高です!再見でしたが楽しませてもらいました。
公開当時、漫画の「GANTZ」が大好きで、同じ作者の作品ということで興味はあったのですが、「いぬやしき」というわけのわからないタイトルから敬遠してました。映画化が決まってからコミックを読んで・・・一気見でしたね。メチャクチャ面白い!
その後、アニメも見たのですが、これまた楽しませてもらいました。
そして、映画館へ足を運んだわけですが・・・
確かに面白かったっていう印象はあるのですが、細部が思い出せない。それでいてもう一度見たいっていう想いだけは沸々しているという何とも奇妙な気持ちで今回の再見に至りました。
改めて見直して、やっぱりノリさん最高です。言いたいことも言い出せない。如何にも年下の上司から叱咤される。本来、安らぎである家庭から疎外されるしょぼくれオヤジを見事に魅せてくれて、共感。まさに涙が出る想いでした。この3月に定年を迎え、家に浸っている自分の立場とかぶった感じです。
そして、今回改めて見直して感じたのが佐藤さん演じる獅子神の悲痛でしたね。(佐藤さんが高校生ってとこにちょっと無理があるかと思いましたが、流石ですね。あんまり年を感じません。むしろ若者特有のナイーブな感じが伝わってくる感じでした。)
大好きな母親を悲しませた父親。強大な力を手に入れ、憎しみの対象である父親に殺意を抱きながらも、慕ってくれる家族の間で葛藤する。その葛藤の末に、全く関係の無い幸せそうな家族に手をかけてしまう。
母親から病気のことを打ち明けられ、絶望の縁に落ち込むが、無意識のなかで自身の力が病気を完治させていた。再び母親との幸せな日々がおくれると安堵した帰り、殺人事件の容疑者として警察に追われる身となってしまい、母親はこれを苦に自殺する。
大好きな母親を死に追いやり、自責の念に押し潰されそうな彼を同級生が救う。(この役を二階堂ふみさんが演じてたことも忘れてました)
お婆さんと二人暮らしだった彼女か匿うこととなったのだが、警察の襲撃にあい、二人は殺されてしまう。(ここはちょっと、やり過ぎでしょ。民間人を巻き込むことは本来の警察では無いと思いますが、まぁ、ドラマだから)
そんなわけで、全てを失った彼が全国民に対し、刃を向けていく。
そこから、クライマックス、二人の対決になるんだけど、これがスゴい!空中戦、ビル破壊、邦画もここまで来たかってくらいに、楽しませてもらいました。今見ても、かなり迫力ある映像じゃないでしょうか。
いや~、面白かった。改めて見直して、なお好きになった一本です。
(だからって、続きが見たいとは思いませんが)
割と単純なストーリーですが、きれいな型とUFOによる人間のマシン化という斬新な設定が面白かったです。
憲さんと健くんという対比も最高でした。
アメリカは善か悪、スパイダーマンのように明確化しますが、日本のようにそれぞれにしっかりした動機を持たせている点が素晴らしいです。
UFOの目的は不明です。しかしそれは、「自由」であり「何でもできる」そして「ルールなどない」という意味があるように思います。
つまるところ、この世界と同じということかもしれません。