「ハートフルよりテクニカルが際立つ」メアリと魔女の花 maruさんの映画レビュー(感想・評価)
ハートフルよりテクニカルが際立つ
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例えば、感情の「怒り」を表現するとき、シーンに合わせた「怒りのパターン」からチョイスし、技術的な見せ方でもって表現をしている雰囲気。そこには、左脳的な配置でキャラクターが動いているようすで、どうも感情移入が難しい。
「見やすい」のだろうけど、キャラクター全員が足りすぎていて「足りない」。キャラクターとして欠けている部分がないから、面白味がない。誰でも頂ける料理のような、好かれる料理のような、クセのない映画。
制作者の心情が現れているのは「線の多さ」。ジャケットのヒロインの髪の「線」が多い。その分、表現できるのかもしれないが、線の多さがそのまま不安の多さを語っているようで、映画をつくるプレッシャーを感じているようで、プレッシャーに押しつぶされそうになりながら作った感がみえて、すこし痛々しい。大看板のジブリがちらつくなら、なおさらだと思いますが。
人間味という部分を表現しきれずに、テクニカルでカバーした現代の映画。たばこ吸って絵描いてたアナログな監督とは相反する作り方なのか。今後このスタジオなりの作り方が確立できて、きちんと人間らしい、人間くさい人生経験が制作者に伴えばジブリを超えることもできると思う。超えていかなければ意味がない。今後に期待。
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