「マダム塩沢とき・マンブルチューク!」メアリと魔女の花 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
マダム塩沢とき・マンブルチューク!
ジブリ制作部門解散によってゼロからのスタートとなったスタジオポノックの米林宏昌監督。彼は石川県出身の方なので「これは見なきゃ!」、と『思い出のマーニー』さえ見ていない嘘の郷土愛を携えての鑑賞。
『魔女の宅急便』や『ハリーポッター』シリーズと比較されがちな今作。ストーリー的には全く違うし、主人公メアリの年齢も11歳とどちらかと言えば小人向きであります。疾走感もそれほど感じられませんでしたし、宮崎アニメによく見られるマニアックな奥深さも感じられませんでした。劇中にセカオワがいたぞ!なんてことも、セカオワに興味がないため乗り切れません。そんな中にあってもジブリ出身映像作家の作品であるため、ジブリ作品のキャラクター類似点などに注目すれば楽しめるかと思います。
森の中で紫色のスズランのような不思議な花“夜間飛行”とホウキを見つけたメアリ。ピーターからは「赤毛の子ザル」などと呼ばれるこの主人公メアリが、『となりのトトロ』に出てくるメイちゃんがちょっと大きくなった感じ。食欲旺盛でガツガツ食べるイメージのあるメイちゃんですが、声優が杉咲花なので、どうしてもCookDOのCMを思い起こしてしまうのです。映画では食事シーンがあったかどうか・・・思い出せません。
ホウキに乗って魔法界のエンドア大学に到着したメアリ。大学ではマダム・マンブルチュークという、おっかない校長が登場。『天空の城ラピュタ』のドーラだとか、『千と千尋の神隠し』のゆばーば&ぜにーばに似ているのかもしれないけど、塩沢ときを思い出してしまったら、もう塩沢ときにしか見えません・・・そんなキャラの吹き替えを天海祐希が・・・夏木マリにやらせとけ!てな感じです。
そして小日向文世の声だとすぐにわかる、エンドアの魔法科学者ドクター・デイ。『千と千尋の神隠し』の釜爺にも似ているのですが、頭の大きさが全く違います。『プリンプリン物語』のルチ将軍の頭の大きさくらいあるのです(似てるかも)。
大人的な見方をすれば、魔法という名の権力を全て手に入れた瞬間に傲慢さが生まれ、「こんな人たちには負けません」と言うがごとく、史上最強の戦闘力を身につけた独裁者になってしまうマダムとドクターが、力を持たないちっぽけな人間の勇気と知略により敗北し改心するという物語・・・でしょうか。
【2017年7月映画館にて】