「ブリッジ」猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
ブリッジ
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前二作に引き続き、もはや作り物の映像とは感じさせない高い技術力、今回は更に猿の表情が豊かになり、スケールアップしたように思う。それぞれの猿のキャラクター作りも丁寧で、神話性を高めている。
さて、前二作と旧作のブリッジになる今作、シーザーが不可避である人類との戦いにどのように対したかという前作の課題と人類がどのように愚かに滅びたかという旧作の課題をどのように描くのかに注目がいったが、双方共、消化不良気味に感じた。特に旧作が残した課題については、旧作において核戦争を予見させたが、強欲で殺し合う人類の姿を回収しながらも、結局のところ、シーザーの元飼い主の失態に端を発しているので、少し焦点がぶれたように感じてしまった。なぜ人間は喋れなくなったかという旧作の謎に物語全体が引っ張られ過ぎた感がある。
また、殺し合わない猿と殺し合う人類という対比から人類を痛烈に批判してきたが、シーザーの動機を個人的な恨みにしてコバ化させて、人間的な苦悩をシーザーに組み込ませたことで、この聖戦の意義が半減した印象がある。
とはいえ、シーザーという偉大なキャラと屈折しまくった大佐の対立を軸に話をよく推進させたようには思う。
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