エル ELLEのレビュー・感想・評価
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やっぱりコメディだった
日本人だからか、最初は全くコメディには感じられず。
このおばあちゃん、全く綺麗なんて感じなかった。なんかプロポーションのバランスもおかしい。え?それこそがコメディなのか?こんなおばあちゃんがそんなモテるわけもなく、ゲーム会社を経営出来るわけもなく、全てが有るわけもない設定なのがコメディなのか。絶対そうだ。心の中で「ない!ない!」って突っ込む映画で、そもそもオランダ人がフランス映画として制作している時点でコメディだよな。
ただ飽きずに見ることができる作品だった。バーホーベンは好きだし、こういう穴だらけの映画こそが彼の持ち味なのを思い出した。
議論を恐れない大胆さと、鋭利でセクシーなヒロイン像。
久しぶりにヒリヒリとした痛みを伴いながら、かつ体が思わず火照ってくるようなそんなセンシュアルで刺激的な作品を観たなぁと思った。そして私はこういう映画が好きだったと改めて思い出すと同時に、この映画のヒロインのことをとても好きだと感じた。
かねてより、私は「説明のつかない女の映画」が好きだ。つまり、旧時代的な「女」という概念や、世間一般でノーマルとされている女性像では説明しきれない女を描いた物語に、いつも感動し、共感してしまう。私にとってミシェルはまさしくそういう人物。彼女の身に起こることは、女として生まれた者が受ける屈辱の最たるもの。だからと言って彼女は女という固着観念の中に閉じ込められるような真似はしない。生々しいまでに女として生き、女であることを肯定し、けれども女であるという柵(それだけでなく全般的なステレオタイプも含め)を次々に破壊して生きているようなその姿が爽快かつとてもセクシーで、私は彼女もまた女性の中の英雄だと感じた。
私は、女性が男性化することを望まないし、それを男女の平等だとも思いたくない。だからこそ「ワンダー・ウーマン」のような英雄像よりも、この作品のミシェルのような女性の方が、私にとってはより英雄的に思った。同じ女性でさえ、彼女に共感する人は少ないかもしれないけれど、私は彼女のことをとても好きだと思った。
(この感想を書きながら、あまりにも「女」「女」と連呼していて、自分でそれもいかがなものか?と思っているが・・・)
題材はとてもデリケートな要素が大きい。しかし物語も演出も、そしてフランスの大女優イザベル・ユペールの演技も、すべてがエッジィで大胆だし、題材に対してまったく恐れをなしていないどころか、むしろ更に挑発的なまでに物語を鋭く研いでいく。彼女を襲ったレイプや、性的な嫌がらせなども恐ろしいのに違いないが、この映画の本当のスリルはミシェルの心理描写にある。彼女が次にとる行動、話す言葉、考えること、思うこと、そういったものの積み重ねこそがスリリング。そしてそのスリルがとても煽情的でセクシー。そしてそれを体言するイザベル・ユペールがひたすら格好良くて、惚れ惚れした。
「ピアニスト」での名演を代表作に持つフランスの女優は、60歳を過ぎてなお攻めの姿勢を崩さない。誰にも説明のつかない女ミシェルを、誰よりも理解してその矛盾だらけの情念が滾る様子を魅せつけてくる。こういう役柄を演じるのに、ユペール以上の適任者は居なかっただろうと思うし、この役を演じたのがユペールで良かったと心から思った。
社会的地位も成功も手に入れた賢い女は無敵
面白かったなぁ。この映画。
気に入らない男たちをこの世から葬り去る女性ミシェルの物語
自らの手で殺すのではなく、結果的に男たちがこの世から消え去っただけ
彼女の生き方は、倫理、道徳、正論などのあらゆる常識を超えたところにあって
常に自分に正直に生きることで、道を切り開いてきた
欲望も願望も仕事も、彼女の気のおもむくままに、嘘のない生き方
そういうと、まるで悪女のようだけど、そうではなく
彼女は自立して、社会的な地位も確立された女性であって、だからこそ、恐ろしい
彼女を困らせた男たちは、目の前から姿を消し
女たちは、新しい人生をスタートさせる
そんな女たちのたくましさに、私は思わず微笑んでしまった
女を怒らせたら怖いんだよ
日本人には理解できません
ユペールにしか出来ない〜
確かにこの役、イザベル・ユペールしか出来ないよね〜〜
もともと役に挑む姿勢がいつもチャレンジングな女優さん。
平静を装いながら、変態チックな出来事の全て飲み込むこの役は
アメリカ的倫理観の女優さんには難しいかも〜。
演技の上手い下手ではなく、イザベル・ユペールが
育って来た欧州文化の「懐の深さの差」だと思う。
女性を力ずくでレイプする様なバカな相手を
最後は飲み込んでしまう!
単純な復讐よりもさらに強烈なこの一撃!
そして社会に対する彼女の凜とした生き方!
被害者だから落ち込んでなきゃいけないのか?
加害者の娘だから隠れて生きなきゃいけないのか?
「世間様」という言葉がある様に
とかく世間体を気にする今の日本では
彼女の生き方は眩しすぎるかもしれない。
でも、自分の生き方は自分で決めて何が悪いのだ!!
自分のお金と足で立っているのなら怯む理由などどこにもないはず。
ポール・バーホーベンの映画も実は「ロボコップ」しか観ていないが
その中の所々に漂う、女性への優しさを信じて観に行った。
その監督がラストに用意した気持ち良さったら!!
ああ、監督を信じて良かった!と思わせてくれた。
大人の女性同士で、ビールでも飲みながら観てほしい。
そして改めて「男ってほんとにバカやろ〜〜」と
あざ笑ってください(笑)
エル ELLE
2017年83本目の劇場鑑賞。
ある日突然、
正体不明の覆面男にレイプされたヒロインが、
自らの手で犯人探しをする予測不能の復讐譚を通して、
モラルや常識で捉えることのできない複雑なヒロイン像が浮かび上がってくるさまをスリリングに描き出す。
女性が苦しむ声だけが聞こえる変態的なオープニングから始まります。
てっきり暴行犯を見つけ出して復讐する話なのかと思いきや、
ミシェルのやりすぎ行動がブラックコメディ風に随所に見せられる本作。
ストーリーが二転三転するラストまで先が読めない展開は良かった。
息子のヴァンサンとジョジーの間に赤ちゃんが生まれたシーンで、
何故か赤ちゃんの肌の色が違うのが一番面白かった。
赤ちゃんを見て何も疑わないアホなヴァンサンも最高。
レイプ物の映画でありながら、
ミシェルという強烈な個性を主人公にすることで、
従来のものとは全く違った作品に仕上がってました。
79歳で本作を監督するヴァーホーヴェンは素敵です。
セックスとか云々より
狂人たちの集まり
狂気とエロティシズム
もっとバーホーベン!
ポール・バーホーベン監督が久しぶりに一線に現れたと思わせる作品。イザベル・ユペールの熱演と相まって、期待感を抱かせたが。
残念ながら、僕には響いてくるものが何もなかった。
ミシェル(ユペール)の過去にあった凄惨な事件、本人の身の上に起こった事件、会社のパソコンにされたいたずら。そのどれもがうまく機能しない。
ミシェルの本性をえぐるようなエピソードがちゃんとあればまだしも、それも半端だし。
思えば、登場人物の内面をじっくりと描くという作品があまりなかったポール・バーホーベン。これまではエキセントリックなストーリーの中で人物がどう動くかで映画を構成していた。それでいうと本作はそのエキセントリックさが足りなかった気がする。
世間的には評価が高かったようなので、ポール・バーホーベンの次なる作品をすぐに観ることができるであろう。
ポール・ハーボーベン マジック
登場人物達は大丈夫なのか?
「この人達ちょっとおかしいよね」っていう人ばっかり出てくるよ。
考えようと思ったら色々考えられる話なんだと思う。でも考えないでボーッと観た。「イザベル・ユペール可愛いなあ」と思って観てると観れちゃうんだよね。
アンヌ・コンシニも綺麗だったなあ。フランスの女優さん達の年取っても魅力的なところは凄いね。
ストーリーではね、ラストのレベッカの「パトリックに応えてくれてありがとう」に震えた。登場人物そんな奴ばっかりかよ。
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