マンチェスター・バイ・ザ・シーのレビュー・感想・評価
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物静かな哀しく前に向かう話
冒頭から暫くは、退屈してしまう。
しかし兄の死
過去が、フラッシュバックしていき
家族 夫婦 兄弟 そして罪悪が浮かび上がる
ケィシーアフレックの淡々とした演技が素晴らしい。
そしてボストンの北の海辺の街が美しい。
最優秀主演男優賞は納得
展開次回はずっと高低差はなく、静かな作品。
人間の感情の繊細さを演技で表現している。
すごく面白いというよりは、ずしっと心に残る作品です。
すききらいはあると思いますが、主人公の想いを見事に演じた作品かと思います。
緩やかな着地点!!
問題解決と男の熱い生き様を期待したので観たかった内容とは違いました。長尺でテンポも悪く感じましたが、現実では時間が癒すしかない事柄なのでこれ以外の表現はないのかも知れません。エンドロールの賛美歌は心が休まる気分でした。特に女好きだったという描写はないのに、そんな気分にはならないと表現するためとはいえ、モーションをかけられるシーンが多すぎ(4人)て気になりました。
まぁ、、、
なんていうんでしょう。
こういう映画を絶賛できるセンスが欲しい。
冒頭からグイグイと物語に没頭させる演出。
リーの過去に背負ってしまった十字架が明らかになっていく過程の小出し感のセンス。
みんな色んな事を、それぞれ抱えて、
消化不良ながらも生きていく人間模様。
そして、リーの最後の決断は、
個人的には、新鮮でした。
ああする事で、陳腐な物語にならないのかな?とか思いました。
良い映画だと思いますが、
何度か数秒目を閉じましたし、欠伸もしました。
シンプルに長いと思います。
あと30分削って、よりスマートにサラリと魅せてくれたら、もっと面白いと個人的には、思える。
とにかく、観る人のセンスによって、
面白さが変わるんじゃない?
人によっては、寝るよコレ。
絶妙!
また、立ち直り系かと思ってアカデミーも最近分からないからなーって。
でも違った、まず随所に流れる音楽、そして雪、とてつもなく寒そうな海辺の街並みが美しい、
何があったの?と思わせ、過去との絶妙な回想シーン。
救急車のタンカの足が中々上手くしまえないとか、冷凍することに抵抗がある息子が冷蔵庫でパニックしたり、小さな丁寧な演出が効いてる。
間違いなくアカデミー賞ものの一本た。
素晴らしい映画
人は誰でも弱い部分がある。アメリカによくある複雑な家族関係の中で人々は心の葛藤にもがき、又、心の機微をゆっくりと丁寧に、アメリカ東部の綺麗で小さな町を舞台にして、本当によく描かれてます。
お金に困らない人や順風満帆な人生だった人にはわからない。
久々に良い映画に出会え、いつまでも余韻は残ります。
美しい風景と映像
街を写す映像が、美しい。その街に対する愛情に溢れている。元妻とのやりとりは。切なくて見ていて苦しくなる。それでも、同じ過ちを繰り返しそうになる、人間の弱さがよく描かれている。リーは一人で抱えて、一人で超えようと苦しんでるけど、それって違う気がするけど。生きていくって残酷。
消えて欲しい記憶の話
結末、彼の結論がねー、
そうなんですよ。
乗り越えられないことってあるんですよ。
元妻とか兄の元妻とか、
頭では分かっていても心が乗り越えられない。
ひどく共感できる。
故郷の田舎町ではみんな「あのリーか…」
ってなっちゃう。
最初は「あのやんちゃ者のリーか」ってことかと思ってたけど、
きっと「あの事件のリーか」ってこと。
それがまた彼を追い詰めてる。
故郷にいることでそれが和らぐことなく、
逆に強くなってしまう現実。
個人の性格的なものもあるけど、
そういうことってある。
辛いこと、嫌なことを忘れられる人って
凄く羨ましいと思う。
嫌だったこと、一生忘れないんだろうな
と思って生きるのは辛い。
私は忘れられないタイプ。
ふと、出てくるんだよね。
本当消えて無くなって欲しいと思う。
だからせめて普段意識しないように
故郷を出るしかないよね…。
それでも出てくるんだから困ったものだ。
ケイシーアフレック、良かったです。
思い出しただけでも泣けてくる。あの笑顔も泣ける。繊細で丁寧なむかし...
思い出しただけでも泣けてくる。あの笑顔も泣ける。繊細で丁寧なむかしの日本の映画のようだった。押し付けはしないけど感動させてくれる。
C・アフレックの覇気の無い演技に惹き込まれる
ケイシー・アフレックが演じるリーの死んだような目。便利屋の仕事は型通りにはきっちりこなすが、それ以上は自分の知らぬことと言わんばかりの仕事ぶりや受け答え。酒に酔うとケンカっぱやくなり、バーで人に殴りかかる。過去には普通に幸せそうに暮らす父親としてのリーの映像が入り交じる。一体、この男にどんな悲惨な経験が起きてこんな荒んだ人生を送るようになったのか、序盤はとても惹き込まれた。マット・デイモンではこの味は出なかったかも。強い男のイメージが強すぎて、どこかギラギラしてしまいそう^^;
そして、その事件が明らかになる。う~ん、割と誰にでも降りかかりそうな不幸な事故でちょっと拍子抜け。信頼してた人に裏切られるとか、濡れ衣を着せられてとんでもない罪を被せられるとか、人間不信になるような系統の不幸だと思ってた。それだけケイシー・アフレックの演技がいいという事か。
そして突然亡くなった兄から後見人を託された甥が適度にクズで感情移入出来ない。若い男に特有の自分の都合しか考えない部分とか、女を二股かけて普通に思っている所など。特にリーの街へ移住を求められた時におじさんの仕事は便利屋で、どこでも仕事出来るので自分の都合に合わせておじさんが自分の家に住むようにいうくだり。自分ならこんなこと言われたら顔を真っ赤にしてしまうかもしれない。
そして、リーの妻、ランディの無神経な言動。リーは全ての責任は自分にあるので黙って受け入れるしかない。 本当なら誰にでも起こり得る不注意の事故なので、夫婦でその不幸を乗り越えるべきなのに、彼女は彼を責められるだけ責めて彼の元を去った。 ランディから和解を申し入れる時の言動まで無神経でいろいろとアレだった。
他にも、日本より宗教が深く生活に浸透していて、お祈りとかきちんとするのに、日本より離婚が多かったり性が乱れていたりする矛盾も感じた。個人主義と宗教が変な形で同居してるんだろうな。
うーん、大好きだった。
前情報ゼロで観たけど、うーん、大好きだった。説明的映像は最小限に抑えた上でシーンの繋ぎの“アソビ”の多さ。ケイシー・アフレックはずっと素敵だったし、静かに人間を描く。「どんな映画が好き?」と聞かれたら、今度から今作のような映画と答えよう。
見終わったあと語り合いたくなる映画
兄の死と残された甥っ子を預かるという問題を軸に前半は静かに日常が流れていきます。そのあまりの平凡さに、いい映画風ではあるもののこのまま見ているのはつらいかもと感じ始めた中盤に大きな動きがあり、否が応でも物語に引込まれていきます。ここの描写は驚くほどの名演出。
そうなると前半のあらゆることが後半へ繋がってゆき、なるほどと納得もあるけど、うっかり見落とした感も半端ない。もう一回見直さなければ的な。
それはさておき、自身の過去からいつまでも立ち直れない主人公と、父を失いながらも日常に適応してゆきつつある甥っ子のコントラストが、これも静かな中にじっくりと描かれてゆきます。そこにはドラマチックな過度な演出は存在せず、自然体な描きが心地よい。
それぞれの心の痛みがじわじわと伝わってくる見ていてつらい面もある作品に、ほんの少しだけの癒やし、救い、赦しが胸にすっと落ちてくる秀逸な演出。
ケイシー・アフレックと甥っ子役、ふたりの心の演技にところどころ目頭が熱くなる素晴らしい作品でした。
心地よい余韻
レイトショーで鑑賞。
平凡だけど美しい港町マンチェスター・バイ・ザ・シーに根ざした人々で構成される人間ドラマ。
ケイシー・アフレックの抑制された淡々とした演技が素晴らしかった。
甥っ子のパトリックとの軽妙かつユーモアのあるやりとり。
まるでドキュメンタリーを見ているような淡々とした自然な演出も本当に良かった。
一人の人間の人生を追体験しているようですごく感情移入できました。
ケイシー演じるリーとミシェル・ウィリアムズ演じるランディのやりとりが演技がうますぎて、シリアスな場面なのに逆にユーモラスに感じてしまうほどだった。
そのへんのリアルさも表現しているのが凄いと感じました。
映画が終わった後、なんとなく心がデトックスされたような気分になり、しばらくスマホの電源を入れずにぼーっとしてました。
リーが作中で飲んでいた瓶ビールがどうしても飲みたくなり、コンビニに行ったらなかったので代わりにバドワイザーの缶を買い、リーやパトリックのことを思い出しつつ飲みながら、今夜は眠ることとします。
いい映画でした。 見て良かった。
美しい街で淡々と
初めから最後まで大きなドラマが展開することなく淡々と物語は進んで行く。
ケイシーアフレックが何故マンチェスターを去ったのか。淡々と描くからこそ兄弟を失った悲しみ父親を失った悲しみ家族を失った強い悲しみが伝わってくる。
音楽も特徴的だ。喋り方も。
どこかグッドウィルハンティングを思わせるような。訥々と語る中に真実があって。
不思議と彼は2000年から年をとっていないように甥と兄弟のように感じられる。
そして久しぶりに映画館で沢山泣いた。
いい映画だ。
映画館で見るのがオススメ。
絵終わったのって感じで終わったけど。
長い映画だったんだ。
優しく心に染みる物語
昨晩鑑賞。観終わった時の余韻が今も続いています。誰しもが心に傷を抱えて生きている。主人公と自分を重ね、涙が溢れて止まりませんでした。全般を通して優しいトーンに包まれていて、登場人物全ての人の幸せを願わずにはいられない、そんな素敵な映画でした。人は1人では生きていけない。改めてそう感じました。ケイシー・アフレックの演技、本当に見事でした。
喪失感も大きな罪も抱えて生きていくしかない。
背負ってしまった大きな大きな罪。
抱えきれないほどの喪失体験。
それでも、生きていくしかない。
生かされた。生きることを選んだ。
寿命を全うするんだ。
確かなぬくもりを感じて、思い返して、生きていくしかないんだ。
港町マンチェスター。
高倉健主演作を思わせる透明で、静かな風景。
最後に街を離れるラストも素晴らしい。
生きていればいい。
まずは生きることだ。
幼い、あとから来る者のために。
大切な人たちのために。
生きていればいい。
観終わって、不思議ですが心が軽くなりました。
素晴らしい大傑作なのだと思います。
「乗り越えられない」と言えること
兄の急死によって一人残された甥・パトリックの後見人となった主人公のリー。
他人と関わりを断ち、ただ生きてるだけの日々。
パトリックの面倒を見る事で否応なくまた他人と関わりを持たざるをえなくなる。
その中でリーの辛い過去の出来事が姿をあらわす。
それは閉じ込めて心の奥深くにしまい込まなければ耐えられない、直視なんてできない辛い過去だった。
初めはお互い自分の主張ばかり繰り返す二人。
そんな中でリーはパトリックの、パトリックはリーの癒せない傷を見つける。
リーはパトリックの面倒を見るうちに辛い過去の出来事に直視し、それを自分には「乗り越えられない」とパトリックに話す。
直視できず見ないようにしてしまい込んでいたものを、自分の傷として認める事がようやくできたのだ。
だからといって劇的に快復する事なんてない。
傷は傷のままで、乗り越えられない過去は乗り越えられないままで、生きていくしかない。
でもそれでも生きていこうとするリーの姿と淡々と見えるラストの場面が重なった。
取り残された人間の悲しみ
第89回アカデミー賞にて脚本賞、主演男優賞を受賞した作品。
個人的に脚本がそこまで素晴らしいとは感じませんでした
主人公を演じたケイシー・アフレックのキャラは最初観ていて好きではありませんでした。でも観ていくうちに主人公の過去が余々に明かされ、彼の取り返しのつかない問題を知る。
償うことも忘れることもできず、その事を一生抱えて生きていくしかない。
もう自分に幸せなどいらないというかのように生きる
マンチェスターの風景ひとつひとつが彼の心の痛みを表しているようにも思える。
ケイシー・アフレックの演技はとても良く今後またスクリーンで観れることを期待します。
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