劇場公開日 2017年5月13日

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「傷負い者に響く映画」マンチェスター・バイ・ザ・シー ハクタカさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0傷負い者に響く映画

2017年5月17日
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まず、「あ、音楽がいい映画だな。」と、普段は思わないことを思いました。

大きな出来事は起こりません。
身近な人がなくなり、そこから始まるエピソードです。
私の身内は皆元気ですが、自分に置き換えて見ることができる映画でした。
身内が亡くなって初めて、思っていた以上に心が揺れ、その人が残したものの重さや、普通に生きることの尊さに気付いたりするのかなとか、いろんなことを想像しました。

不器用な男が主人公というのがよかった。
時間も長く、起伏も少なく、だけどそれが悪い意味ではなくて、どっぷり映画に浸れる時間でした。
故郷に戻ってしまったことと、未来がある若者が自分のそばにいるということが、自分の過去の傷をえぐっちゃったのかなと思いました。
自分は手に入れることができなかった未来。
自分は本当はこんなはずじゃなかったのに。

時系列の整理がなかなか難しいと思う方もいらっしゃるかもしれません。

「過去を乗り越えられない」と言い切った、潔い映画です。
新しい価値観を得ることができました。

ハクタカ