「人生を立ち止まってみたくなる」マンチェスター・バイ・ザ・シー TOKIESさんの映画レビュー(感想・評価)
人生を立ち止まってみたくなる
前進などしない。ただそこに、漂っているだけ。だけど、立ち止まっても、無意味ではない。それは人生に価値をもたらす停止なのだ。
人は誰もが過ちを犯し、愛別離苦からは逃れられない。失った苦しみは簡単にはぬぐい去れないという、人生の痛みが伝わってくる。
それでもいつか、人間はボートを前進させ、人生の苦難を乗り越えられる時が来るのだろう。
我が子を愛する表情とニヒルな演技の対比に、徐々に涙がこみ上げてくる。じわじわとその余韻が残るヒューマン作品である。
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