「殺意をおぼえるリテイク」世界は今日から君のもの 佐ぶさんの映画レビュー(感想・評価)
殺意をおぼえるリテイク
ひきこもり女子が一歩前に進む物語。一歩進むだけの事なのにそれがどれだけ大変でそして大事なのか、ご都合主義的シンデレラストーリーではなく等身大の陰キャが描かれる。
欺瞞に満ちた市民講座で語る、家を出て仕事をしてても自分はまだひきこもり、という言葉は(なにごとにも例外はあるが)家から引っ張り出すという手段が目的化してしまっている関係者に響いてほしい。主人公は最後に自分を縛っているものを突き放し自立の道を一歩踏み出す。そう、世界は今日から君のもの。なのだ。
映画としては誰にでも奨められる面白い、というものではないが、この映画で救われる人がいる世に必要な映画ではないかと思います。
1点。ゲームのディレクターがデザイナーにリテイクを断られるシーン。プロット的には有る程度妥当なリテイクを出したのに対応して貰えない流れのはずなのに、俺でもちょっと殺意をおぼえるリテイク内容なのはどうかと思った。その後のデザインの紙に手書きで書かれたリテイク内容はもう少しまともだったのになぁ。
コメントする