劇場公開日 2017年7月15日

  • 予告編を見る

「ドールヒロイン。」世界は今日から君のもの kotosukeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ドールヒロイン。

2018年1月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

(12/16)500円(名画座)で鑑賞。

 感情が抑えられ、イラストも誰かの真似で、自分らしさがなく、
(話を描く漫画ではなく、絵だけのイラストというのもポイント)
そのくせ、やたらファッショナブルな格好で、お人形のような主人公だ。
 この主人公が行動していくことで、
周りに認められ自分の居場所、感情を獲得していくという話だが、
コメディとしてみるか、ビルドゥングスロマンとしてみるかで評価が分かれそう。

■コメディとしては、◎
 門脇麦やマキタスポーツの演技や、世界の広がり方、
話のテンポがよく、時間を忘れて楽しめた。悪いひともいず、ハッピーエンドが好きな人は安心して見れると思う。
 特に門脇麦の演技は、(話さない)会話の間や体だけの演技、小さな顔の表情で伝わる感情がとにかく絶妙で、
「次なにするんだろう?」と常に気にさせらて引き込まれた。

■ビルドゥングスロマンとしては、▲
 主人公が現状に苦労しているのかどうかが
わかりづらかったかなと。打席に立つ勇気が持てないという苦労はあるけど、
打席に立ったらヒットは必ず打てるみたいな雰囲気があったので。
 彼女と同じようなことで苦しんでいるひとにとって
「彼女は才能があったから、世界に飛び出せたけど、
結局才能のない私には、関係のないシンデレラストーリィだな」と
思わせるだけで救いになるのかと?
 せめて、成長による視点の変化が、もう少し映像美という形で表現されていれば、
世界を獲得する魅力になったのではと思う。

kotosuke