マイ ビューティフル ガーデンのレビュー・感想・評価

イギリスが定期的に世に放つ、良心的で優しい小粒なコメディの佳作。憎たらしい隣人との心の交流も、心優しい青年との触れ合いも、さりげなくて爽やかなロマンスも、そしてちょっと風変わりなヒロイン像も、そしてストーリー自体の展開もすべてが予定調和ではある一方で、その予定調和が心地好いと感じられる嫌味のない可愛らしい物語。それこそ絵本をめくるような感覚で疲れた心をふと癒すような大人のためのお伽噺。

１か月以内に庭を美しく手入れしないと退去を命じられた植物嫌いのヒロインが口うるさい隣人の力を借りつつ美しい庭をつくろうと奮闘する・・・だなんて設定はもはやどうでも良くって、内向的で風変わりなヒロインが庭づくりを通じて人々と触れ合い、太陽の下で背伸びをし、小さな恋に胸を高鳴らせるその様子を、ただただ微笑ましく見つめていられればいい。ただそれだけの映画であることが、逆に心に負担をかけずにのんびりと眺めていられる快適さ。映画自体が温かい春風みたいに気持ちいい。

とは言え、あれだけヒロインが苦労した庭を嵐が壊し、その後たった一日でしかもヒロイン不在で美しい庭を作り上げてしまうのはいくらなんでも・・・ね？と思ったけれどもさ。けどやっぱり憎めないこの感じ。恋の相手のよからぬ噂を「双子」で解決させてしまう結末に、腹が立つどころか思わずくすっと笑ってほっこりしてしまった時点で、この映画の勝ちということ。

ヒロインを演じたジェシカ・ブラウン・フィンドレイも夢と現実の中間にいるような存在感が作品によく合っていたし、さすがのトム・ウィルキンソンがともすれば平和ボケしてしまいそうな物語をピリッと引き締めてくれていてとても良かった。

全体的にとても爽やかで清涼感があり、何だか体から毒を抜かれていくような優しさで作られた映画だった。採点はそんな心地よさから、ちょっと甘めに☆４つで。

綺麗な絵本を１ページずつ丁寧に 捲って読んでいるような映画だった。 自然に襲われることもあるけれど 自然の流れに身を委ねる美しさを知ることもできた。 シンプルなことは美しい。

This beautiful fantastic (2016)

流れがよく、優しい映画でした。 何も期待せず見に行ったもので、映画に対して文句はありません。 おしゃれで、時々くすくす笑えて、人々の関わりも優しくあったかいものだから、気持ちよくなって、途中でうとうとしてしまいました。 どうしても見なければならない！という全力の映画ではないなと思いました。

この映画はネタバレを見ないで素の状態で見ることをおすすめします。 この雰囲気を味わうためにもう一度見てもいいかなと映画が終わった瞬間に思いました。 園芸とかガーデニングに興味のない人でも楽しめる良作です。

登場人物がみんな愛らしい。とても素敵なおとぎ話だった。変人の女の子と変人のオッサンとの友情物語というのが、好きなパターンなので、とても面白かった。 上映中、何度か観客から笑い声が上がる。そういう雰囲気が好きなんだ。黙って見るのがルールかもしれないけれど、おかしい時は笑ったらいいじゃないか。

63本目。 空気感が好き。 年に数回、出会えるかの作品だった。

身寄りもなく社交性めまなく神経質な独り暮らしの若い主人公が「変わり者」の偏屈な年老いた隣人と隣人の使用人との交流を通し人間味を取り戻して行くストーリー。 癖だらけの主人公と癖だらけの隣人が使用人を介して良い意味で崩れて行く様子にほんわか。 登場人物全員嫌みがなく全てが良い方向に転がり過ぎるけれど、明るく優しく柔らかく暖かく心が洗われるし笑いも散りばめられている。 ディテールに拘ってモンクを言わずに素直にみて欲しい良作。

ガーデニングシーンがほんの少し。
人間ドラマでした。

登場人物も少ないしおっきな事件もないしこじんまり爽やかな作品。 キャンディキャンディみたいなストーリーもなんとも居心地よく。 ガーデンの美しさが弱いのがなんとも残念…。

少し野暮ったいけどお洒落で粋な小品、といった趣の映画でした。優しいチルアウトムービーといったところでしょうか。 荒れた庭が美しく整理されていく様は、主人公ベラの心のメタファーにも思えます。元々ベラはそんなに荒んでいる訳でもなかったので上手な隠喩ではないと感じましたが、どことなくモッサリしつつも優しい雰囲気の本作品に置いては、そんなことは正直どうでもいいな、と感じました。 庭は美しいし、人はみなあたたかいし、ベラはキュートでファッションもイケてるし、それで十分、と思ってしまった。 ギャグや演出が妙に古臭くベタ過ぎなため逆にシュールにも感じられて、それがまたチャーミング。バスに轢かれるとか、あまりにテキトーかつ雑すぎて爆笑してしまった。時代設定も20年くらい前なのかな、と思える雰囲気も懐かしい感じで魅力的でした。 あと、劇中歌がとても良かった。何という曲名なのだろうか？

とても気持ちいいです。

観終わった後、うん！、とスッキリする ストーリーもまとまっていて良かった いい人ばっかで心が温まる

ほぼ四人の話。時間も短く凝縮されている。セリフもそれほど多くないけど、いろんなことがあって、ああいい映画だな、というのが素直な感想。

試写会で鑑賞。予告を見てから気になっていた作品。予想以上に可愛いらしく優しい作品でした。ほんと可愛かった。公開したらもう一度見たいくらい大好きです。 登場人物がとにかくみんなチャーミング！そして衣装やインテリアまですべてがおしゃれで素敵。 枯れた花木たちで占領されていた庭が、とあるきっかけで優しく包み込むように蘇っていく。ファンタジー要素もある感じで、クスッと笑えてホロリと泣けて、観終わったあと心がほっこりする。帰りにお花を買って帰りたくなるそんな作品。

始め感じた印象は現代のアメリだと思いました。この映画のもつおしゃれな感じと役者の素晴らしさととてもいい作品でした！是非見た方がいいですね！

現代ものなのにファンタジックで、不思議な印象の作品。 マイペース過ぎる主人公ベラと偏屈な隣人アルフィーは、不器用さが似ているせいか、掛け合いが妙に微笑ましい。 変人２人(？)の会話は平行線をたどっているようでいて、ちゃんとコミュニケーションが成立している。 そこに双子を抱える男やもめのハウスキーパーと、自称「機械動物発明家」の青年が加わって、ユーモラスな１ヶ月が描かれる。 (みんな真面目にやってるんですが、見ている側としてはつい笑っちゃうシーンが多いのです。) 美しい花々の映像とストーリーが相まって、なんだか癒されました。 このごろ超大作ばかり観ていたけど、こういう佳作だって観なくちゃ！と思った次第。