ターシャ・テューダー 静かな水の物語のレビュー・感想・評価
全3件を表示
『今が一番良い時よ』
『人間はともかく悲劇を好むけど間違いよ。この美しい世界を謳歌しないなんて馬鹿げているわ。煩わしいことはみんなに任せて大好きな庭と絵に夢中でいられるのよ。』そして『怠け者かもしれない。でも、この年なら許されるわよね』と言って『今が一番良い時よ』と締めくくる。
多分、誕生日でロウソクが8本立っていた。だから、80歳。91歳だって。
日本だと10万円貰えても絵本の様な事を孫には伝えられないね。日本と言う国は経済が大事で、文化は二の次と翌々分かる。それでいて、欧米が好きでニューヨークで映画作ってます。って言いながら、フランスの映画賞貰って、ハナタカさん。どこまでミーハーで成金なんだ。だから、どうせなら、脱日入欧って言えば良い。
旧国営放送のベニシアさんと角野栄子さんといわさきちひろさんみたいだね。
追伸 ターシャさん、ベニシアさんお亡くなりになったんですね。御冥福お祈りします。
ターシャさんの生き方を垣間見る・・
NHKで放送されていたドキュメンタリーの総集編なのでしょう、企画は制作会社「テレコムスタッフ」プロデューサー・鈴木ゆかりさんが立ち上げたもの、映画のスタッフもテレビと同じですね。
主人公のターシャ・テューダーさんの人生観、美意識もさることながら紹介者の鈴木さんや監督の松谷光絵さんの感性が光ります。取材依頼に応えてくださったのは、移ろいやすい庭の情景を映像に留めることの意義をお認め頂いたからのようですが、ターシャさんのファンとしてのリスペクト精神が動かしたのでしょう、控えめなカメラの距離感にも気遣いが伺えます。
映画ではご両親からの天賦の才能や乳母や知人の影響などは伺えますが晩年の独特の暮らしぶりに至った経緯などは余り深堀りしていないのでよくある伝記的映画とはティストが違い物足りなさを感じるかもしれません。
美しいもの、可愛いもの、おいしいものに囲まれて生きたいというのは少女の夢なのかもしれませんが大人になって実践できてしまうから凄いことですね。ただ、語られませんが厭世的な陰も感じてしまうので微妙です。
お庭紹介は四季の草花に留まらず動物たちも、そして何よりお孫さんファミリーとの絆が微笑ましい。絵本や人形、レシピまで彼女の創作物の素晴らしさを伝えてくれます、絵本のコーギーが動くアニメーションの付加など素晴らしいアイデアですね。
ディズニーあたりが映画にしても不思議ではないのですが日本人が撮ったというのは、ある意味驚きです。ただ、取材スタッフは日本の話題を振らなかったのでしょうか、バーモント同様四季の色濃い日本の紹介と感想を伺ってみたかったですね、秘蔵映像は無いのかな・・。
真に「生命」を愛した人の生き様を感じるドキュメンタリー
静けさと孤独と絵画と庭を愛した女性ターシャ・テューダーのドキュメンタリー。美しい白髪を持った可愛らしい女性(ファッションがまたとてもお洒落!)が街から離れた場所で広大な庭を手入れしながらひっそりと豊かに暮らす姿は、まるで絵本そのものという感じで、大人のための絵本を開いているかのよう。
確かに、彼女の姿に憧れを感じたり、素敵だなぁとうっとりしたりする人々の気持ちがよく分かる!という感じだが、しかしながら彼女の生き様は、我々が想像するよりもずっとアグレッシブで積極的で非常に能動的。それがただの「憧れ」だけで手に入れられる代物ではないことがこの映画を観ているとすぐさま分かる。そしてそれは、長年の月日と手間暇と愛情をかけた美しい庭とまったく同じだと感じた。
彼女はよく「人生は短い」という言葉を口にする。決して、「短い」ことをネガティブにソ耐えているわけではなくて、「短いからこそ不幸にしている暇はない」と言うし、「短いのだから、やりたいと思ったことはすぐにならなければ」と繰り返し言うのだ。やるべきこともろくに分からず、ただの憧れだけでターシャに心酔したつもりになって「きれいな庭だなぁ」「お洒落な暮らしだなぁ」なんて考えていたところに、冷水を浴びせるような言葉。命を愛で、命を育み、そして人生の苦楽を乗り越えてきた人だからこそ、自然と口をついて出てくる言葉なのだろうとも思うし、そしてその言葉がなんとも自然と響いてずしっと重く心に残った。
田舎暮らしに憧れ、ガーデニングに憧れ、絵本のような家具やインテリアに憧れ・・・近年の日本人(特に都会に住む女性)の憧れがそのまま現実になったような暮らしを送るターシャだけれども、知れば知るほど話を聞けば聞くほど、それが憧れだけでは済まない人生の積み重ねであることを思い知らされるドキュメンタリーであり、ふと自分の今の生き方や考え方を思わず顧みてしまうような、含蓄のある映画だった。
全3件を表示