「言葉を失う。身勝手な凶弾が壊した未来と、一縷の希望。」静かなる叫び 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉を失う。身勝手な凶弾が壊した未来と、一縷の希望。
【賛否両論チェック】
賛:犯人の凶弾に倒れた女性達の悲劇が淡々と描かれ、胸が締め付けられる。そんな中でも希望の見える終わり方が印象深い。
否:時間軸がやや分かりにくい感がある。全編を通してモノクロなのと、全体として雰囲気が淡々としているのとで、好みは分かれそう。
女性に対して一方的な偏見を抱き、女子学生だけを狙い撃ちするという、まさに卑劣極まりない事件の実像に、背筋が凍ります。しかもそれが実際に起きた事件とあって、その凶行には言葉を失ってしまいます。
犯人の凶弾に、志半ばで倒れていった人々の哀しさは勿論ですが、助かった者の心にも深い傷を残してしまう事実にも、また胸が締めつけられるようです。そんな中、唯一ともいえる希望が垣間見えるラストに、思わず救われます。
時間軸が分かりにくかったり、全編モノクロだったりはしますが、ジェンダーというデリケートな問題に踏み込んだ、注目の作品です。
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