「月明かりの下」ムーンライト ちゃーはんさんの映画レビュー(感想・評価)
月明かりの下
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なぜだか分からないが、冒頭から引き込まれるように画面に釘付けになった。フアンがかっこよすぎて、もっと観たかったなーなんて思いながら観ていた。
「自分で決めろ。他の人に決めさせるな」リトルもシャロンもブラックもその時々の選択は、自分で決めることができていたのだろうか。何よりフアン自身も。
自分の居場所がないと思ったとき、途端にその場や状況は、自分にとって都合の悪いものになっていく。自分のいるべき場所、誰といるのか、どこにいるのか、何を思い、考え、感じて生きていくのか。
分かりやすい答えは出てこない。メッセージ性はたくさんあるのに、分かりにくい。分かりにくすぎて、気づかない。それをどこまで観ている側が受け取れるか。もちろん、受け取れるのが良いということではないが。
三章に分かれているこの映画だが、その間に起きたことをどれだけ読み取れるか。これももちろん、描かれていないので読み取れるのが立派ということでもない。
登場しないことと存在しないことは全く違う。起きてないのことと描かれていないことも全く違う。フアンの死は描かれていないが、三章のシャロンを観れば、それまでどんなことを感じて生きているかが想像できる。
月明かりとは、月自らが放つ光ではない。そういう解釈をすると、陳腐な言葉になってしまうが、輝きだけが人生ではないし、素晴らしい生き方だというわけでもない。少なくとも、誰かを照らすことができるだの、人は1人では生きていけないだの、と言いたかったわけでもないだろう。
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