「待ちに待ったはずなのに…」ムーンライト milkisさんの映画レビュー(感想・評価)
待ちに待ったはずなのに…
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公開を楽しみにしていた本作。
この評価になったことについて、同性愛に対しての偏見や嫌悪感では一切ない。
ドラッグ、人種差別、ネグレクト、虐め、同性愛など、現代社会を問題視した作品はもともととても興味深く、ミニシアター好きな自分好み。にも関わらず、観終えた後のなんとも言えない空虚感。
1人の青年の人生を三部作で描いている。
一部二部ではゲイだとイジメられ、社会に適合できず、ネグレクトによる孤独と葛藤がありながら二部の最後に同級生に仕返しして少年院送りに。
三部では誰かわからないくらい鍛え上げられた肉体の主人公がヤクの売人となって登場。
内なる女性的な部分(幼少期はオカマと言われた)を隠すかのように強がり、最後は初恋の男性と再会、乙女のようになり寄り添って終演。
後半に行けば行くほどファンタジーのような感覚になりまったく共感できない。
俳優陣の演技はいい。
テーマも興味深い。
肝心な脚本と演出がどうなの?
母をダメにしたドラックの売人になり、そして母を許し、自分に初めて触れた男性に裏切られ、それでも忘れられず…数々の葛藤があるはずなのに、すべての後味がウブな同性愛で終わり…
なんだかなぁ
セリフが少なく雰囲気は出してくるのに、肝心なところは顔のドアップで行間を読ませない映画でとても残念だった。
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