散歩する侵略者のレビュー・感想・評価
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人類を人類たらしめるもの
いろいろな映画、
いろいろな歌、
いろいろな表現で使い古された、
このテーマ。
新鮮な語り口とバランスで、
ご提供頂きました。
ごちそうさまでした。
これが黒澤清、、かな
監督の作品は今作とクリーピーの2作品しか観てません。そこでこの2作品から感じた共通点を少し挙げてみます。
先ずは作品として完成してない、いや、させてないのか。と想わせる結末。次に照明の演出意図があまり伝わってこないところ。そして俳優達の演技が際立って面白いのに、それが収斂していかずクライマックスが盛り上がらない。ここら辺が個人的に今ひとつ惹きつけられない所以です。
長澤まさみのパジャマ、変なジャーナリスト長谷川博己、やっぱりヘナチョコ笹野高史、チョイ役女優前田敦子、キモさ全開満島真之介など必見のパフォーマンスが盛りだくさんで楽しかったんですけどね。。
心理学的実験としては面白い
長澤まさみは単細胞でエロいだけのキャラクターを卒業しつつある。本作品でも強気なだけではない脆さや弱さを抱えた複雑な女心をうまく表現できていた。
日常的なヒロインとは対照的に、ストーリーは奇想天外に進んでいく。本来の姿を見せず人に乗り移って侵略を進める宇宙人のやり方が面白い。
人間の意識は身体を媒介とした五感の記憶で成り立っている。記憶の塊を分類し体系化することで世界を認識していく。同じものと違うものを区別出来るようになるのだ。三毛猫とチンチラペルシアでは見た目がかなり異なるが、両者を同じ猫として認識できるのは分類と体系化の能力によるところが大きい。いわゆる概念である。
概念は人によって異なるものである。人間とは何かについて10人に尋ねたら、10通りの答えが返って来るだろう。様々な概念についての個人個人の捉え方の違いが、即ち世界観の違いとなる。人間とは何か、決定的な答えが得られることは決してない。
人間は概念をひとつひとつ自分のものにすることで成長していく。ひとりの人間の中での概念は互いに連繋してひとつの思想を形作ってゆくのだ。だからパンドラの匣みたいにひとつの概念だけが思想や世界観を救うことはない。
終わり方に迷った挙げ句、底の浅い予定調和みたいなラストになってしまったが、映画のアイデアとしては秀逸だし、心理学的な思考実験として捉えれば、なかなかの傑作である。兎にも角にも長澤まさみがとてもよかった。
原作星新一のような世界観かな
全く予備知識なく見に行きました。元々は原作者の劇団での演目、小説が原作となっているものなのですね。
侵略者というワードからウルトラなオタクの仲間内から「ウルトラセブン意識してるよね」「実相寺監督風味なの?」と言われていたのを小耳に挟んでいた位です。
予備知識なく観た感想
◆役者さんが最初から最後まで豪華でほお~と感心
◆どこかで見た顔かと思ったら、鎧武のミッチが!ファブリーズのCMの子が!(笑)頑張っているねえ😊
◆淡々と色々と進む
◆松田龍平がケムール人のように走っていた
◆淡々と終わった
SFなの?ハートフルな物語なの?何だったの?と思って、かつてこのようなテイストの作品を読んだ記憶があって、思い出してみたところ…
星新一の物語が世界観としてほぼ一緒なのではないかと思います。
と言うより原作星新一な映画だと言っても違和感無いと思いました。
ただ映画としてはどの客層にアピールしているなのか…多分カテゴリー的にはラブストーリーなんだと思います😊
特筆して面白いと言う作品ではありませんが、日常の当たり前の小さな事が幸せなのだと、思い出させるための映画だったように思えました。
なんて愛すべき映画なんだろう
監督と長澤まさみさんの登壇ありの上映会にて。
今年一番感動しました。現代の映画のほとんどに出てくる“愛”をこれほど真っ直ぐに、斬新に描いている。その愛に涙が止まらない。
タイトル通り、散歩するように侵略をしていく宇宙人なのだが、もちろん彼らは人類の敵。なんてったって人類を滅ぼそうとしているのだから。しかし、その侵略者たちは人間に何を気づかせてくれたのだろうか?
まず、満島真之介演じる丸尾だが、彼は引きこもりらしい。真ちゃんは丸尾の家に入ろうとするが止められる。そこで真ちゃんは疑問に思う。「なんでこの家は丸尾のものなのか?所有とはなにか?」
そして、所有という概念がなくなった丸尾はどこか清々しい。所有という概念があるから憎しみが生まれると堂々と演説する丸尾に引きこもりの影はなくなった。
概念が奪われたこれらの人を見ると、これから普通の生活を送れるように見える。丸尾は宇宙人に感謝しているし、生まれ変わることができたのだ。
宇宙人としては悪気しかないのだ。人類を滅ぼすための生け贄として概念を奪って行くのだから。
そして、これからも数人、様々な概念が奪われるのだから鑑賞中、なぜかその侵略を楽しんでいる自分がいる。それは、まさにSFの醍醐味と言える地球人の常識に逆らうような結果が見れるから。奪われる概念によって反応が違う点がエンターテイメントとして純粋に楽しめる。
そして、鳴海と真治の愛の喪失と再生の物語が美しい。とはいっても、真治は宇宙人ではないか?あるシーンで、自分が真治のような気がしてきて、一体化してるような気がするというセリフがある。つまり、これこそが普通の状況では育めない愛であるということに感動が押し寄せる。いつもどこかに行ってしまう夫を毎回「どこ行ってたの〜」と言ってあげる鳴海が本当にいい。デパートのようなところで真治が鳴海を抱きしめてあげるシーン。とにかく大好きです。
いままでうまく手に入れられなかった愛を手に入れたと同時に手放したという真実。そして愛こそが人間の全てかとでもいうような極端な表現。まさに極論だが、自分を見つめ直してしまう。
桜井と2人の宇宙人のシーンと鳴海と真治のシーン。この2つの対比がとにかく安心感と高揚感を併せ持っていて居心地がいい。
最後に、素晴らしいと思うのがラストの桜井。あのシーンは何度考えて見ても映画を超越していると思う。彼はまさに人間としてではなく、生き物として人生を選んだのだ。あの時の彼が素の桜井でも、宇宙人に乗っ取られていたとしても、心に響く。
SF映画として、とにかく美しい映画。
ある程度承知の上で鑑賞したのだが
映画全盛期やビデオの無い時代ならこうした作品はウケたのだがあまりにもアナログ過ぎて深刻なテーマなのに緊張感が出ず こうした作品はゴジラのように架空の世界に入りきって観るものだがどうもコメディや娯楽ぽっさが高く劇中になりきれない!
散歩する侵略者
この作品は高校演劇をやってた時代に公演した作品だったので観に行きました。
演劇部でやった設定とはちょいちょい違うとこがありましたが楽しめました。
期待は全くしてなかったので満足して見ることが出来ました。
ただ、少し残念だったところが最後のシーン。
いい終わり方だとは思うがちょっと退屈だった。
後、概念を奪うシーンをもう少し大事にしてほしい。
天野役の人がはまり役でした。
人によって価値観は違うと思うのでこう言う感想もあるんだなーと思いながら見てください。
エンタメはきっちり作ってほしい。
黒沢清の映画を観るのは久しぶりになる。
概念を奪うという手で人類に侵食していく宇宙人。
とはいうものの、宇宙人の実態は提示されない。まあ、そんな種類の映画ではないので、それはいいのだが、先乗りしている宇宙人が3体というのは悪い冗談にしか思えず、なかなか乗り切れなかった。
厚生労働省という名の国家が出てきて、宇宙人の殲滅を図ろうとするが、彼らはどこからその情報を得たのか。
映画の大きなウソを補完するためには、小さなリアリティの積み重ねが必要で、それはやっぱりきっちりやってほしかった。
黒沢清の映画はいつも舌足らずの印象がある。
好き嫌い・評価がはっきりと分かれる作品だと思う。自分は嫌いじゃない。これはラブストーリーである。
movixあまがさきで映画「散歩する侵略者」を見た。
「散歩する侵略者」は全国週末興行成績の2017年9月9日~2017年9月10日の結果は初登場で「スパイダーマン ホームカミング」の9位に続く10位だった。
「君の膵臓をたべたい(2017)」が公開7週目でまだ7位につけていることを見ると「君の膵臓をたべたい(2017)」の人気と粘り強さをまじまじと感じる。
敬老の日で休日で、朝一番の上映ではあるが、「散歩する侵略者」の劇場には我々夫婦を含めても観客は10人にも満たない。
「散歩する侵略者」の出演は長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己など。
主演は長澤まさみらしい。
長澤まさみは今年30歳。
TVCMなどではよく見るが(長澤まさみ、高橋一生 出演のdTV「ふたりをつなぐ物語」篇のTVCMは好き)、
今回はじめて長澤まさみを本編でじっくりと見た。
地球を侵略するために地球にやってきた宇宙人が3人の地球人に乗り移る。
松田龍平に乗り移った宇宙人は物静かな宇宙人。
女子高生に乗り移った宇宙人は凶暴で簡単に人を傷つけたり、殺したりできる。
SF(サイエンスフィクション)ものではあるが、宇宙船やハイテクモノなどはいっさい登場しない。
原作はもともとは舞台劇だったのでこのような構成や表現になったよう。
この作品を見た人はその好き嫌い、評価がはっきりと分かれると思う。
印象的なのは冒頭から終盤近くまで、長澤まさみが夫役の松田龍平を終始罵っていること。
しかし、これは間違いなくラブストーリーであると思う。
自分は「散歩する侵略者」、嫌いじゃない。
上映時間は129分。
長さは感じない。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
松田龍平がはまり役。演技が秀逸。 ストーリーは、細かい所におやおや...
松田龍平がはまり役。演技が秀逸。
ストーリーは、細かい所におやおや?ということころはあるが面白い。アメリカ映画では発想できない侵略モノ。
古さの中に新しさ、様々なジャンルが折り重なった良い意味で邦画らしいSF映画でした
ベースは昔からよくあるタイプの古典的な侵略物SFでしたが、侵略者(宇宙人)が地球を侵略する為のプロセスとしてまず人間の概念を奪い人間を知ろうとする様子が、何気に新鮮味溢れる設定で、とても面白みを感じた映画でした。
派手なドンパチ合戦の侵略系SFアクション大作も結構好きなんですけど、こう言う邦画らしい地味なアプローチの侵略SF物も悪くないものですね、しかも後から結構ジワジワ来るんですよ・・・途中これはブラックコメディか?なんて思いながら見ていたりもしたのですが、話の持って行き方、着地させ方が本当に上手くて、ジンワリ感動させられてしまいました。
まあ衝撃のとか、予想外の結末って訳では無く、ある程度予想通りの結末ではあるんですけど、役者の演技込みで思いのほかグッと来たんですよね、地味ながらいい映画だったと思いましたよ。
それにしても、人間の概念を奪うと言うその設定が、ホント面白かったなぁ。
特に概念を奪われた人間の様子が深く印象に残りました。
我々人間の概念はとても大切なものであると同時に、とても邪魔なものでもあるんだなと、しみじみ考えさせられましたね・・・。
崩壊でもあり解放でもあるような、何とも皮肉めいた様子が、とても印象に残った各人の一コマでした。
満島真之介、光石研、大島(あるいは児島)一哉、前田敦子、等々、奪われる側の演技も皆上手かったですね。
元々宇宙人っぽい松田龍平演じる真治の、ゆるーく侵略しようとする様子も、画的にシュールでちょっと面白かったです。
ゆる過ぎてやや間延びした感は無きにしも非ずでしたが、何も知らないって、それはそれで幸せなことなのかもと思わされたりで、まあ何かと笑わされたり考えさせられたり、これはこれで面白かったですよ。
真治が侵略されたことによって起こる夫婦仲の変化とか、ホント見入っちゃいましたねぇ、また奥さん役の長澤まさみのツンデレ感がたまらなく良かった、今回はいい感じに主婦感が出ていていましたよね、そして母性愛、長澤まさみ史上1、2を争う演技力を披露したと言っても過言では無かったと思いました。
一方、やや粗暴な侵略者、恒松祐里&高杉真宙側のパートは、松田龍平側のゆるさとは打って変わっての展開でしたが、その真逆さ、激しさが物語を加速させる感じで、こちらも何だかんだで結構見入ってしまいましたね。
長谷川博己演じるジャーナリストとの奇妙な交流、一風変わった友情物語的な部分も、あちらのツンデレ夫婦とはまた違った趣があって面白かったです。
そして人間の最大の武器でもあるあの概念がもたらしたミラクルな結末も、個人的には好きな結末でした、黒沢清監督作品がどちらかと言えば苦手な方でも、これは結構いけるのでは?(私もその口でした)
こういう全く宇宙人👽の出ないSF、好きだなぁ❤️
宇宙人👽は出ているのか笑。
ただ、ハリウッドばりのドンパチする侵略ではなく、『団地』の様なSF映画だよね⁉️みたいな感じって言ったら共感してもらえるかなぁ~
B級感あるよね🎵
🌑は地球を救うって24時間テレビか‼️
一抹の不安的中?
なんとなく嫌な予感はしていた…。
ただ、タイトルにあるとおり知らず知らず侵略されていく内容なのかなぁ…と期待はしていたが!見事に外されたって感じ?
残念だった…。
色んな矛盾みたいなものを内包しており、本格的なSF映画としては観られなかったし、最後も納得性が低く、一抹の不安が的中したような作品でした…。
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