「愛は地球を救うのか。」散歩する侵略者 凛さんの映画レビュー(感想・評価)
愛は地球を救うのか。
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前川知大の舞台が原作で、黒沢清監督なので難解かと思ったけど、意外と分かりやすい。
宇宙人が人類を侵略するために、先に3人を送り込んで人の研究の為に『概念』を奪い取る。
そっと触れるだけで、その人の意識から概念を抜き去る。
夫・真治(松田龍平)が宇宙人に代わった妻・鳴海(長澤まさみ)は、破綻した夫婦関係に悩んでいたけれど、記憶を無くしたと思っていた真治がだんだん良い人になっていき、失っていた愛情が芽生える。
宇宙人の松田龍平が、たどたどしい動きをしたり、少しずつ人を理解しながら散歩したりする気の抜けた演技がとても良い。ほとんど無表情。
高杉真宙も宇宙人。ジャーナリスト(長谷川博己)をガイドにして、着々と侵略の準備を進める知性派。冷たい表情が怖さを醸し出す。
都会ではない場所で起こる出来事に、周りの人は意外と無関心。
殺人があってもその後は描かれずに、ひたすら宇宙人の暗躍を軸に進む。
人からと概念を集め、理解した後に仲間と交信し、いよいよ侵略が始まるとなった時に、鳴海は真治に愛の概念を抜き取らせる。
侵略は突然中止になったらしい。
気の抜けた鳴海を介抱する真治。
愛を知った宇宙人が、気持ちの変化で侵略を止めたのか、真治は宇宙人のままなのか、謎は残るけれど、見終わった時は気分が良い。
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