劇場公開日 2017年4月14日

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「時代考証ガン無視のSF大作」グレートウォール Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0時代考証ガン無視のSF大作

2021年8月19日
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万里の長城は史実と伝説が混ざり合う人類の歴史上でも類稀なる建造物の1つだと思うが、そんなものを真面目な歴史大作にはせず、時代考証もクソもないトンデモSFに仕上げている。敵国を防ぐだとかでは無く、宇宙から来たバケモノの大群を相手にする為の防壁だそう。マット・デイモン演じるウィリアム一行が馬賊に襲われた後、万里の長城で捕獲され、怪物の襲来・・・ここまで10分位しか経っていないのである。冒頭からおいおいと総ツッコミを入れたくなるが、「パシフィック・リム」や「GODZILLA」等怪獣は得意とするレジェンダリー・ピクチャーズ製作という事もあり、迫力は満点。歴史の複雑な人物描写は一切なく、ひたすら団結して敵を倒す事に集中している。サクサクと進み、興奮冷めやらぬまま後半まで一気に進むため、想像していたよりも楽しめた。評論家等低評価が目立った印象だったが、万里の長城で暴れまくるアホ映画として見れば中々楽しめた。禁軍の色鮮やかな装甲に始まり、色彩豊かな中国の建造物等、劇場でもBlu-rayでも綺麗な映像も楽しめる。興行的な面を考慮しても続編は無いだろうが、あれば観に行きたい作品だ。
また、レジェンダリー・ピクチャーズは中国の映画会社に買収されていたが、近年の同作品がどことなく中国色が入っているのはそのせいだろうか・・・。

Mina