ユリゴコロのレビュー・感想・評価
全73件中、21~40件目を表示
観たあと無になった…
スゴいストーリーでした。後味悪いわけでもない。ビックリして無になる感じに似てるのかな。衝撃的ストーリー、あっという間に終わっちゃった。
美紗子の生い立ちが切なくも悲しい。子供の頃からココロが不器用過ぎて環境に追いていけなくて、たまたま出来事が起こってしまったら、元々のところに成長過程でモラルと自分の感情が複雑に拗れて大人になってしまうのもわかる気がする。子供の頃の教育や環境って本当その後の人生や価値観に深く影響する。だから美紗子は普通なら言わずともわかる超えちゃいけないラインが始めからない気がする。
それでも美紗子は負けずに娼婦までしてでも生きようとしてたし、松ケンとの出会いは偶然ではなく、本当にこういう事ってあるんだよ世の中って。この出会いがまたストーリーの主軸にもなってくるんだけど、巡り合わせっていう自分に返ってくるパターンが!フィクションなんだけど、これもまたリアリティあると私は感じた。
ようやく愛情もわかるようになってきて、でも過去の誤ちがついてくる。どうしたらよかったのか…
でも後半はもう理性とかあるでしょ!って思ったが、むしろ捕まりたかったのかな。そのきっかけが子供の婚約者事件だったのか…
悲しくも切なく、悲劇的で壮絶なお話。
まぁ彼女自身はただ生きただけなのかもしれない。
すごい入り込んでしまう映画
最初に見て思ったのは撮り方がうまい。
ホラー映画ではないのに、ホラー映画かと思わせてくる撮り方ですごく怖かったです。
リストカットのシーンが生々しくて見てられませんでした。
主人公が夢中になって読んでしまうユリゴコロの日記のように、こちらも夢中になって映画を見てました。
ユリゴコロは、幼少期の美紗子の聞き間違えの
ヨリドコロから来ていたんですね。
初めは完全なサイコパスのようでしたが
子供を産んで、心のよりどころを手に入れて
初めて喜びという感情も生まれたんですね。
殺人犯だということを忘れてしまうくらい、3人で幸せに行きて欲しいと心から願ってしまいました。
美紗子の変わる姿もすごく描かれていて、全てがひしひしと伝わってきました。
生き様が波乱万丈すぎて、初めて日記を読むシーンで
もしかしたらお母さんは美紗子なんじゃないかとか
カフェに来た知らぬ女の人は美紗子なんじゃないかとか
ドブのところで鉄の鉄板を落として殺してしまった時にいたのが、このお父さんなんじゃないかとか
だいたい全てよぎったこともあり、
だいたいよぎった通りになってましたが
どんどん吸い込まれました。
ドブのくだりを忘れていた時に、彼が昔子供を殺したんだ。
手が滑って鉄の鉄板が落ちて殺してしまったと言ったシーン、胸に刺さりました。
全て日記を読んだ後、美紗子に自殺させるために
こうするしかないと手を縛り重りをつけたのに
できなくて二人で泣くシーンでは、その時には
見ているこちらもすごく感情が入り涙が出ました。
松坂桃李さんの演技力がすごくて驚きます。
顔で感情が全て出てました。
人を殺してしまうという流れは分かってましたが出てくる人たちの使い方が予想と違くて、若い頃と今ので使い分けていたんですね。
この後、松坂桃李さんは、どんな思いで生きて行くのでしょうか。
良い映画という言い方は変に当たる映画ですが
見てよかったです。かなり引き込まれました。
演技派の方が出ていたのですごく見入ってしまいました。
手に汗握る作品でした。
美紗子は、お父さんも息子も本当に愛していたんですね。
血は関係ない。その通りです。
それぞれの演技が光る映画
原作未読で、予告編で気になってやっと見ました!
前半は殺人シーンやリストカットシーンが多く、見るのも苦しい部分がありましたが、洋介(松山ケンイチ)と出会ってからだんだん変わっていく私(吉高由里子)を見ていて温かい気持ちになりました。
過去の罪は許せるものではありませんが、どうか親子三人幸せになってほしいと思ってしまいました。
ストーリー的に、現実離れした部分(偶然息子の婚約者が元職場の同僚で更に偶然息子に伝言を頼む、女性一人でヤクザを倒すetc…)もありましたが、ラストはなんとなくハッピーエンドで満足いく内容でした。
闇を抱える美紗子(吉高由里子)、過去を引きづりながらも優しさが溢れる洋介(松山ケンイチ)、爽やかで優しい男性から徐々に狂っていく亮介(松坂桃李)もそれぞれの役がぴったりで、改めてステキな役者さんだと感じました。
なんか違う。
映画化されると知ったときに
そういえば原作を買ったなーと思い出して
まずは原作を読んでみた。
気持ちわるーい空気感の小説なのに
どうしても一気読みしたくなった。
気持ち悪くて寝れないから。
で、結局映画は観に行かず
今ごろ自宅でDVD鑑賞。
最初から何か違う。
亮介の松坂桃李が違う気がする。
車の運転とか、そんな気性の荒い感じ?
殺人鬼の子供は気性が荒い設定?
穏やかで普通の家族だからこそ
子供たちに隠してきた秘密が
壮大な愛だったってところがミソじゃないのか
木村多江も何か違う。
普通のおばちゃんであって欲しかった。
妙に吉高由里子に似せようとしてて気持ち悪い。
ただ、松ケンの演技は素晴らしかったなー
それだけなので
いまいち。
親子の愛
ラストの亮介のセリフの俺にも人殺しは出来る、だってあんたの血が流れているから
それに応え、自分自身を殺させることで自分と同じ殺人衝動を持った、自分の子であることを証明させようとするようなシーン
中盤以降はあらすじから想像していたような作品ではなかったのですがこれが逆に作品としての良さを感じさせてくれました
何もなく中盤までの勢いでラストまでいってしまえばただただ陰鬱な作品だったと思うのですが、終盤には人としてズレて生まれきてしまった美紗子が特異な部分を持ちながらもたしかに人として生きられた、そういったことを感じさせるようになっていて、個人的にはとても良いラストだったと思いました。
ただグロテスクなシーンが多かったので苦手な人は要注意だと思います笑
しかし、それ以上に絵として綺麗な場面もたくさんありそういった楽しみ方も出来る作品だと感じました。
言葉を発するには・・ユリゴコロが必要なんです
映画「ユリゴコロ」(熊澤尚人監督)から。
なかなか難しい作品だった。(汗)
「ユリゴコロ」は「ヨリドコロ(拠り所)」の聞き間違い、
そう作品の冒頭で、説明しているのが可笑しかった。
子どもの言葉の発育に不安になった親は、病院へ連れていく。
そして、医者はこう伝える。
「言葉を発するには心が安全な場所で生きているというような
何らかのユリゴコロが必要なんです」と。
心の拠り所が「ある・ない」は、人間の成長にとって、
大きな影響を与えることに気付いた。
ところが、気になって仕方ないのが、いつものように
ワンシーンの小道具として用いられる掛け軸に書かれた文字。
きっと監督を始め、スタッフが作品の意図を組んで選んだ、と
勝手に決めつけているのだが・・。
今回は「雲蒸龍変」(うんじょうりょうへん)
英雄や豪傑などのすぐれた人物が、時運に乗じて出現し活躍すること。
雲がわき起こり竜りゅうが勢いを増して、変幻自在に活動する意から。
▽天に昇る竜は雲を呼び起こし、その勢いをさらに増すという。
「雲蒸」は雲がわき起こること。「竜」は「りゅう」とも読む。
これが、作品にどうかかわっているのだろうか、う~ん。
どうやって殺した?
役者はうまい。大切な人ができ変わっていく姿も悪くはない。
ただ、木村多江はどうやってあの屈強なヤクザたちを殺せたんだ?さすがに一人では無理だろ…
あとリストカットのシーン多すぎ。
婚約者のちえさんが失踪する背景も今時じゃない(旦那がヤクザで…というイマイチな筋)
容赦のない愛の物語
とても見応えのある映画だった。
色々と強烈なシーン(濡れ場やリスカなど)もあるので苦手な人は苦手かも(これでも大分ない部類だと思うが)
皆素晴らしい演技だし、登場人物の熱が伝わってくるようでグッと掴まれる
現代パートがスタートし、青年の婚約者が消えるという謎から始まる(真相はなんだか突飛すぎて何か裏があるのか?とか思ったらそんなことはない。でも良いのだ、主軸じゃないし)
そしてノートを見つけて話は過去パートへ
それぞれ各時代の美沙子を演じた3名の演技は凍えるような感じで凄まじい。
前半部ではかなり光のコントラストの明暗が強烈で主人公の闇が深いものであるようなのを表していると思われる(そこまで全部は見られないけど強烈なコントラストだったし)
過去パートの登場人物は皆「死」に捕らわれているようで、共感は出来ないが惹きつけられ彼らの行く末に釘付けとなる。
死を拠り所にする者、死との狭間で生を見いだす者、死に捕らわれて地獄に落ちた者
三者三様の「死」への想いが彼らを結んでいく。
松山登場からは明るいシーンが増えていく。
ここから物語は殺人鬼の話から男女の、親子の愛の物語へとシフトしていく
現代パートでは婚約者の友人からの情報から真相が明かされ、彼もノートの影響から暴走を始め出す(ここは分かっていたのでここからどうなるかが見物だった。松坂桃李はああいう狂気じみた感じも似合うよな)
過去パートではついに現代へと繋がる話が進み、彼女の過去が容赦なく今の幸せを壊しにかかってくる。
さらにそこから事態は想いもよらぬ展開へと動き出す…
とネタバレない風に書いたが、婚約者の友人と名乗る女が実は美沙子(つまりは母親)という展開になる。(これは予想外でビックリ!なんか関係あんのかな?と思ってたけどもまさか!)
この辺はミステリとして驚愕展開で話的にも満足。
とまあダラダラと書いてはみたけど要するに強烈な設定の登場人物たちをしっかり演じきっていたし、ただの殺人鬼の話という訳ではなく、愛の物語であるということと言えるのだろう。
登場人物たちに自分との共通点を素直に見いだすことは難しく、共感出来るところも見いだせない人もいるだろうが(普通に暮らしている人ではなかなか…別のアプローチから共感したり共通点を見いだす人はいるだろうが)間違いなく愛の物語であり、最期の2人で会うシーンが美しく残る映画でした。
TOHOシネマズ府中にて観賞
原作からは相当に脚色しているとのことで、登場人物を絞ったところは、主役2人を描写するに効果的だと思う。
吉高由里子と松山ケンイチも寄る辺なき感をヒシと感じさせる好演だ。
反面、母親が息子の婚約者の状況を知る理由などは度を越した偶然へ依存しており、この辺りはまだ原作の方が説得力がある。
母親が殺人に長けた守護天使だったという話は発想が凄いし、カタルシスもあるのだが、整形したって木村多江の瞳には吉高由里子の狂気は無い。ミスキャスト。
あと、松坂桃李、叫ぶから全部台無し。舞台じゃないんだから。
前半の虚仮威しホラー演出、ベッドシーンのCGも不要。
怖くて美しくて切ない
目を背けたくなる場面が何箇所かありましたが、その描写には必然性がありました。
美紗子は異常者です。しかし、それは外側から見た認識です。美紗子が自分の視点から語るとき、本人にとっては自分の行為は必然です。それが観ていると伝わってくるため、美沙子に不完全ながらも「共感」している自分に気づきました。美沙子にとっての必然を描くためにああいう描写が必要だったのではないでしょうか。その点は、原作小説より鮮明に精密に描かれていると思いました。映画ならではなのかも知れません。映像は恐ろしくも美しい。
自分が人間のクズだと認識しながら半分眠ったように暮らしていく美紗子がとても哀れでした。そして、始めて「嬉しさ」という気持ちを味わうことができ、そしてそれをまた失ってしまう、それが切ない。
多少ご都合主義的なところもあります。でも、そういう細かいことには目をつむる価値は十分あります。
またあの場面をみるのかぁ、と怯む気持ちもありますが、もう一度観たい映画です。(あと、原作小説も素晴らしい。)
守護殺人。
これもタイトルで「?」となった作品だったが、すぐに冒頭で
ユリゴコロがよりどころのことだと分かる。吉高由里子の的確
な演技で前半の過去が苦しみと共に描かれるが、同時に愛に満
ちた展開にもなる。松ケンのような男と出逢えば自分の過去を
清算したくなるのは当然。哀しい男女の行く着く果てが現在に
繋がってから、松坂桃李と父親の関係や婚約者の行方が加わり
そこから随分唐突な展開になるのが惜しい。殺人行を厭わない
主人公に肩入れはできないが、その一つ一つの意味、守る対象
の変化を彼女の成長だと受け止めてしまう自分がいた。息子が
そう感じたように、どんなに離れていても血の絆は永遠なのだ。
運命
見応えあった。
何気ない日常から作品は始まる。
なのだが、ファーストシーンから異物感を投入する周到さ。伏線の張り方が巧妙で、その回収の仕方にも得心がいく。
殺人という性癖をもつ主人公に当てられる照明も雰囲気があり、吉高さんの表情とも相まって、彼女が孕む狂気に色を添える。
この作品の吸引力は絶大で、開始早々から物語の世界にがっつり囚われてしまった。
映像作品としての矜持に溢れた作品だった。
抗えない運命というものを感じる内容ではあるが、その背負わされた運命もそれに翻弄される人々もやるせない。
誰しもが「生きる」という業を背負い自らに生きる価値を切実に問う。
誰かを必要としたいのか、誰かに必要とされたいのか…いずれにせよ愛するが故に苦悩する様がヒシヒシと伝わる。
この「愛するが故」の深度が半端ない。
この作品の中の誰とも境遇を分かち合えはしないのだが、ホントに不思議なのだが、共感できたり理解できたりしてしまえるのだ。
まるで、人として生まれてきた時点で、ある種共通の何かを有しているかのように。
哲学的な側面はあるものの、ミステリーとしても秀逸な作品。
俺的、最優秀照明賞。
乱雑に殺害された現場に落ちてたひっつき虫が、ちと不可解ではあった。
血統妄想
リストカットから気分が悪くなった。十分嘘っぽいのだが、凄惨なシーンに目を覆った。逃げ出したくなるくらい恐かった。松山ケンイチが現れてから正視できるようになった。
異常なカタルシスの演技はどれが適当だったのだろうか。清原果耶、佐津川愛美は堂に入っていたが、あっさりとした吉高由里子の演技とどちらがより真の異常心理の表現だったのだろう。
松坂桃李は自分の不可思議な心理を咀嚼できず自らの生い立ちに答を見たとき、己の血を呪ったが、これは唐突な印象を。彼は今まで自らの心理に、スピード違反以外、なにに葛藤を感じていたのだろう。ムカデ殺しだろうか。そんなに遺伝は単純ではない。それでも母親同様、リストカットの清野菜名と接近していくのは血のなせる技なのか。だが、松坂桃李は母の血を嫌悪している。清野菜名の異常性は受けとめられるのか。
木村多江は家族と別れて殺人癖はなくなっていたのだろうか。それともまだ続けていたのだろうか。最後の殺人は息子のためだけだったのか、それとも……。
いやミスではなかった?
沼田まほかるの原作を熊澤尚人が映画化。
小説と映像の違いを見せつけられることになった。
地方のさらに田舎でちょっと洒落たレストランを経営している亮介(松坂桃李)。彼の婚約者千絵(清野菜名)が突然姿を消す。
そんな中、亮介は実家の父の家で奇妙なノートを見つける。それはある殺人者の記録であった。
この亮介の父を演じているのが貴山侑哉という人でまったく知らない役者である。ただ面影が松山ケンイチに似せてあるのだ。ほくろも丁寧に合わせている。
これはひょっとして松山ケンイチが特殊メイクで演じているのか(松山ケンイチならやりかねない)と思ったほどである。
貴山侑哉の口跡が松山ケンイチに似ていると思ったりもしたし、役者が別人でもそこは吹き替えたかもしれないし。
と、そんなことばかり気になっていた。
小説では亮介の生まれはなかなかわからず、それがどんでん返しのひとつになりえたかもしれないが、そこは映像では難しい。
鋭い人なら木村多江が出てきた時点で見抜いたかもしれない。
ちなみに僕は原作を読んでいない。
亮介があまりかしこそうに見えないのは致命的だが、熊澤尚人の映像美は健在だったので、それはうれしかった。
初めて味わった感覚
怒りのときに味わった感覚とは違い、余韻があるにはあるのだが、なにか釈然としない、なにかを壊したくなるそんな感覚に襲われた。
最初は人殺しの話でそこそこグロい話も出てきて、自傷行為を繰り返す友人との話のときには、失敗したな~つまらないなぁーと思っていたが、松山ケンイチとであってからが俄然面白くなった。
それまでの殺人映画から一転恋愛映画になるのだ(少し例えが極端だが)しかも、その転調を余り観客に考えさせず、その世界に引きずり込んでいく。
そして、吉高由里子の役の幸せを願うようになるのである(殺人鬼なのに)。
さらに、吉高由里子と松山ケンイチの役の接点がただの恋愛映画ではないことを思い出させてくれる。
そしてそこから現代での再開に至るまでがとても感動的であった。
息子に殺人鬼になってほしくないという一心で再び殺人を犯す所が母の愛を描いていて感動。
結局この映画はひとりの女が息子というユリゴコロを手に入れその息子のために殺人から抜け出せないという話なのだろうか?しかし最後の現代パートの殺人と最初の殺人は違う。最後の殺人は息子と嫁を救うために殺した。しかし、人を殺した事は変わらないこの映画は殺人という罪に重い軽いがあるのかというテーマも伝えてくれている。
最後に俳優陣の演技について触れておきたい。吉高由里子と松山ケンイチはいうことなしの演技特に吉高由里子は息子を手に入れた後と最初の演技の差がスゴい。
松阪とうりは批判もあるようだがあのオーバーな演技は舞台みたいでまだ見ぬ殺人鬼の母に右往左往する男の姿を上手く描いていたと思う。
最後にこの映画を表すのにぴったりの四字熟語をお届けしたい。
『因果応報』
思ってた以上に楽しめた。
湊かなえ的なからくりだと思った…原作未読なもので。
切ないラブサスペンスだ。
吉高由里子と松坂桃李のキャスティングは、はまっている。
少々変態的な描写が気になったが、全体的にきれいな絵作り。
ひっつき虫の使い方は詩的だが、吉高由里子の全身に纏わせるのは、やり過ぎかな。
吉高由里子が、やや強ばってるように見えたけれど。
松坂桃李は、自分にも“ユリゴコロ”がある…と言っていたが、
吉高由里子は、“ユリゴコロ”を持っていないから探し求めていたのでは?
殺人鬼といっても、超人的な殺人技術をもっている訳ではない筈だが、
ヤクザ者3〜4人を木村多江がどうやって血の海に沈めたのか?
ここだけは看過できないな。
演技力のたまもの
病気?や性癖?のことはいっさいふれず、ひたすら殺して行くので退屈していく。
そこに演者の演技力が光って魅力を加えて行く。
吉高さんと松山さんの演技に魅了 されてしまった。
二人のシーンはたまらない。
迷ってる人は、吉高だけでも見ろ!
自分も迷ってたけど、見て正解だった。
サイコパスとか呼ばれる?人が実際にいるのかは
じぶんには、わからない。
だか、その存在は現実だろう。
多分、自分の中にも少しは、あるのだろうか?
この映画は、ストーリーをそのまま見ると
偶然が過ぎるよ!と思って、シラけてしまう部分もあるのは否めない。
だが、ソレを飲み込んでも、見る価値を感じた。
吉高の、演技。この人に、やっぱり引き込まれる。
子役時代の演技者も、素晴らしい。
ミツ子の女優さん(佐津川愛美)の演技。難しい役を、嘘っぽくならず、美しさと、怖さが混在していい。
マツケンは、あのくらいで当たり前。
松坂も良かったと思う。
自分の生きる、拠り所、ユリゴコロを求めると、
その人を殺してしまう。
殺して、楽しいのとは少し違う。
時に、無感情に殺す。
時に、涙を流しながら殺す。
人が、死ぬところが見たくて殺す。
そんな人間でも、幸せになっていいのか?
人を不幸にしても、
自分の幸福の為に生きていいのか?
という、究極のテーマだ。
そんな殺人鬼も、容赦のない優しさの前には
抗えず、幸福を感じてしまう。
自分も、意識して他人の不幸を見逃し、
また意識せずに、他人を不幸にしてしまっているだろう。
自分を、優先するのは当然とはおもうが、
どこまで、それが許されるのか?
対局として、
他人の為に、生きる価値を見つけた、
絶望の人生を生きていた人間。
これからの、生き方を問う映画だ。
1冊のノート
前半は私も夢中になってこのノートを読み進めた。
殺人でしか感情が揺り動かない少女の結末が知りたい一心に。
結局 人は何かに依存しながら生きているのだろうな。
リスカが辞められない友人だってそれで生きている実感があったわけだし。
後半は、2人が出会うことになった理由がわかるのだが、いろんな偶然が重なり過ぎて、まさかの結末でした。
全体的にはとても好きな作品です。
ただ、後半が急ぎ過ぎててもっと掘り下げたい部分があったような。
時間内に作らないと行けないからなかなか難しいのかもしれないけど。
吉高由里子さんは素晴らしいですね。
見て良かったです♡
全73件中、21~40件目を表示