ユリゴコロのレビュー・感想・評価
全262件中、1~20件目を表示
殺生と宿命の人脈曼荼羅を映像化した力作。清原果耶をもっと見たかったが
原作小説を未読の人なら、運命的な出会いや宿命の再会がたびたび起きるこの筋を、現実味に乏しいご都合主義のように感じるかもしれない。だが沼田まほかるのファンなら、彼女がかつて僧侶だったことを知っている。リアリティーを追求するドラマではなく、人を殺して生きていくしかなかったある女性と彼女とかかわりのある人々の姿を通じて、殺生とは何か、愛とは何かを考えることを促す説話だと考えるといい。
熊澤尚人監督は残酷な描写に果敢に挑みつつ、映像としての美しさも追求して映画の品格を保っている。吉高由里子は、「蛇にピアス」の主人公に匹敵する強烈なキャラクター・美紗子を体現。美紗子の中学生時代を演じた清原果耶は、いつも明るい役の印象があるが、ずっと暗い表情でも魅力を失わない。出番が少ないのが残念だったが、そろそろ彼女が主役の企画が出てきてもいいのではないか。
一冊のノートに記された殺人者の記憶を通じ、人間の愛と闇を描いたサス...
人の皮被った化け物が人間よろしく幸せに生きる話
まず、このヒロイン。
幼子の時からずっと化け物です。
紆余曲折ついでに人を殺し回って生きてきました。
一番の化け物ポイントとして
ヤクザ事務所に1人で乗り込み、構成員数名
おそらく全て刃物で惨殺しています。
人じゃありません。
それなのにどこか寂しげな、悲しげな雰囲気を常に放っています。
化け物です。
人殺しの私を、愛してくれる人がいた。
感想
まほかるブームを巻き起こした、あのベストセラー・ミステリー小説が待望の映画化!
夫婦とは。家族とは。人を愛するとは。
一冊のノートに記された禁断の真実があなたの心につきささる。
容赦ない愛と宿命の物語が、いま静かに動き始める。
ユリゴコローそれは、いのちの拠りどころ。
暗い、重い映画ですが好きなキャストが多かったので観ました。
松坂桃李、松山ケンイチ、吉高由里子よかったです!
美沙子幼少期の子供の演技素晴らしかったですし、美沙子中学生はまさかの清原果耶でした!
強烈に印象に残ったのはみつ子役の佐津川愛美でした。リストカット描写は痛々しいです。
亮介のムカデを何度も踏み潰すシーンはちょっとコミカルでした笑
ノートを読み進んでいくうちにまさかの真実が…!
俺には殺人鬼の血が流れてる…。
イライラすると運転が荒くなるのはそのせい…?
吉高由里子が整形して木村多江ってなんか非常に納得のキャスティングでした笑
終盤の極道皆殺しはちょっとな〜って感じでした笑
※オナモミの実
怖すぎる
殺人鬼は野放しにしないでください。
何人もあやめておいて、自分は赦してくれる人、好きな人ができて幸せな日々もありましたってなんなんそれ
ちゃんと罪を償え
吉高由里子と松山ケンイチは良かった
でも内容は…学びや教訓がないかなぁ
まほかる先生のイヤミス
沼田まほかるのファンなので原作は読んでいたが映画も気になり視聴。気持ち悪さは原作と同じだったが、偶然の多いストーリーに変換されていて少し違和感を感じた。サイコパス美沙子と父親の純愛のように描かれているが、母親が殺人鬼だと知った亮介は気の毒すぎる。あの大人数のヤクザを一人で殺ってしまうとはどんなテクニック使ったんだ…
静かな狂気
主人公は、ノートを見つけて読み進める内に 次第におかしくなっていく。
はじめは文章を読んだだけにしては、行動の変化がオーバーだと違和感を覚えたが、ノートを書いた者が主人公の母親だと判る顛末で、主人公の異常な行動にも少しだけ納得できた。
一時は狂気を受け継いでいると感じられなくも無かったが、その演技については、目が血走り、手が震え、大声で叫びまくる、と、狂気の演技としては とても分かりやすいもので、薄っぺらに感じる。
吉高の狂気は 虚ろな雰囲気で、どちらかというと静かな狂気。
桃李のそれとは かけ離れていて しっくりこない。
その後の展開にも無理やりの感が強く、全体的に違和感の多い作品だった。
さて、音量のレベルが変わり過ぎて、苦痛
小さいかと思えば、効果音のつもりか 背景音がやたら大きい。
セリフも聴き取りづらい
特に桃李の声は小さく、他の役者とのレベルが合っていない。
ヘッドホン必須
登場する舞台のレストランでは、スタッフが店内を走り回る無神経さ。
特にテラス席を設けていて、外と仕切りがない。床には当然ほこりが多くなる。
繁盛店の演出のつもりなのだろうが、ここら辺は本来監督が正すべきだろう。
終盤の暴力団事務所の光景でも、不自然さが目立った。
ノートを読んだ男
沼田まほかるワールドはアブノーマルな世界
「彼女がその名を知らない鳥たち」の十和子も特異な女性でした。
「ユリゴコロ」の美沙子(吉高由里子)にはその存在の哀しさより
気持ち悪さ、の方が優ってしまった。
《人を殺すことでしか心を満たすことが出来ない人間》
そんな人がいるのだろうか?
歪んだ欲望・・・つまりサイコパス?
俗に「殺してみたかった」と殺人の動機を語る人間が存在する。
そんな殺人に快楽を感じる生まれの美沙子。
6歳位で友達を池に突き落とし溺死させる。
少女期(演じるのは清原伽耶)には、ボールがマンホールに落ちて
手が届かない少年。
大学生がマンホールの蓋を押し上げて少年を手伝っていると
美沙子(清原伽耶)が近づいてきてマンホールの蓋をドーンと
叩き落とす。少年は蓋に圧迫されて死亡。
大学生は美沙子の仕業にまるで気付かず、過失致死の罪で
執行猶予となる。
驚くべきはその大学生こそ亮介(松坂桃李)の育ての親の圭介
(松山ケンイチ)だったのだ。
その後、娼婦として生きていた美沙子に手を差し伸べて妊娠した
美沙子を引き取り結婚して田舎の住宅で血のつながらない子供を
出産させて父親として育てる圭介。
しかし美沙子はレストランに勤めていた時の同僚にオーナーの殺人を
黙っている見返りに体を要求される。
ホテルで待ち合わせした美沙子はその男を青酸カリで毒殺してしまう。
やがて刑事が家に現れて危険を感じた美沙子は家出を決行する。
しかし圭介がそれを助けるが、もう匿うのも限界と思い、
美沙子をダムに連れて行き
錘を付けて身投げさせようとする。
しかし最後の最後で救ってしまう圭介。
財布から有金を全部渡して、
「もう2度と俺たちの前に姿を表すな!!」と告げる。
そして成人した亮介は高原のレストランのオーナーシェフになっている。
恋人の千絵と結婚を控えたある日、千絵は失踪してしまう。
そこに事情を知る細谷と名乗る中年女性が現れる。
彼女(木村多江)こそ整形して生き直している母親の美沙子だった。
そして細谷は婚約者の千絵の居場所を亮介に知らせる。
東京のとあるマンションに着いた亮介。
ヤクザの事務所らしい場所には何人もの刺殺体で血みどろだ。
そして奥の部屋に監禁された千人絵。
ヤクザの死体の山は細谷の仕業と知れる。
ここまで無茶苦茶なストーリー。
細谷はターミネーターorジョン・ウィックそれともMr.ノーバディ?
細谷は亮介に殺人を犯させたくなかった・・・と、「母親の愛」みたいな
ことを言う。
事実、「ユリゴコロ」と書かれたノートを読み、母親が殺人鬼と知った
亮介は徐々に異常行動をとり始める。
「血を引き継いでいる?」
運転も無茶苦茶に荒くなり別人格が顔を出す。
それにしても嫌ミスだ。
吉高由里子は聖女のような顔なので、殺人鬼との落差に
「不幸に生い立ち」だなと思わせる説得力があった。
ひとえに演技力だろう。
松山ケンイチの受けの演技も見事だった。
松坂桃李は殺人鬼の息子の屈託と鬱屈そして生まれてくる殺意・・・
表情豊かに演じ分けていた。
木村多江はどうだろう!!
おめおめと整形して生き残っている母親役。
整形したと言う設定がどうしても嘘くさい。
沼田まほかるさんは「ユリゴコロ」を最後に小説を書いてないようです。
これ以上怖くて不気味な映画を観なくて済みそう。
吉高由里子はこの役で日本アカデミー賞の優秀主演女優賞受賞した。
集中力と思い切りの良さ。
殺人鬼の内面を演じた大した女優である。
ちょっと怖いかな
................................................................................................
婚約してたトーリの恋人が突如姿を消す。
何年かしてその恋人の友人という多江が突然トーリのもとに来る。
恋人はヤクザに監禁されて娼婦にされてると伝えてくれた。
トーリにはガンで死にかけの父親がいたが、その部屋で古い手記を発見。
最初は小説かと思って読み始めたが、内容がとんでもなかった。
幼い頃から人と馴染めず心を開けなかった吉高はを人の死のみで心が和らいだ。
そうやって何人も殺して来たが、ある日松山と出会う。
松山は覚えてなかったが、吉高の殺意により「過失」で児童を死なせた過去があった。
その傷で楽しく生きることができず、その点で同調するものがあった。
やがて売春婦だった吉高は妊娠、松山はそれを承知で結婚して子を育てる。
幸せになった吉高だったが、古い知り合いがゆすって来たので、殺す。
これを機にすべてがバレ、松山は吉高と別れる。
そして多江は吉高が大人になった姿、手記に出て来た子供は自分だった。
自分が殺人鬼の子と知りヤケクソになり、恋人を監禁したヤクザの事務所を襲う。
しかしヤクザはみんな殺されてた。多江が先に行ってみんな殺したのだった。
トーリは何故多江が今更自分の前に姿を現したのかと怒る。
でも死にかけの父親のこともあり、受け入れて再会させる。
................................................................................................
劇場で見た。まあまあやったかな。
最後全てが分かってからがやや長く、ちょっと寝てもたわ。
何とも言えないピュアさと狂気を併せ持つ役は吉高にピッタリやな。
ただ手首を切って血がどうだとかのシーンが異常に長い。
そういうのが気持ち悪いおれは正直ずっと目つぶって別のこと考えてたわ。
なおユリゴコロってのは、それがあって初めて人は心を開くというもの。
おそらく「よりどころ」を聞き間違えた言葉ってことらしい。
共感とは別の力
「ユリゴコロ」は奇怪な映画だ。人の死に心の安息を見出だす殺人者の独白で進む物語に、共感などひとかけらも感じることは出来ない。
なのに、もっと聞きたい。もっと知りたい。
殺人者である美紗子の回想として描かれる昔のパートと、恋人の失踪・父の病気でダメージを負った亮介の現代パート。その橋渡しをするのが「ユリゴコロ」と題されたノートである。亮介がノートを読む度に美紗子の回想が進む。
作中の亮介と同様に、ノートの続きが気になって気になって仕方ない。仕事なんて休んでいいから早くノート読めよ!くらい気になる。
「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている」とはニーチェの言葉だが、ノートを読み耽る亮介が美紗子の暗い安息に毒されていく様子はよくわかる。「ロッキー」観たら生卵を飲んでしまうのと同じくらいわかりやすい。
一方の美紗子はギリギリの暮らしの中である青年と出会う。青年・洋介と過ごすうち、人の死に見出だしていた安寧を、洋介との生活に見出だすようになる。そうすると不思議なもので、あれだけ共感出来なかった美紗子なのに不思議と理解できたような気持ちになる。まぁ、ほんの少しだが。
洋介と出会うことが出来たのは、運命のいたずらなのか?殺人者である自分への断罪なのか、救済なのか。
美紗子が洋介と出会わなければ、美紗子は悩まず過去を振り向いたりもせず、洋介が真実を知ることもなく、亮介がノートを読むこともなかった。だから、それは試練だったのかもしれない。
長い試練の終わりに、ほんの少しだけ訪れる安息がこの映画を素晴らしいものにしていると思う。「ユリゴコロ」は奇怪な映画だ。けれどとても美しい。
幻想
途中まではいいけど、設定にむりが出始めてくる。2人が再会することも、結婚するのも親の不動産も、結婚相手の同僚だったことも、偶然トイレでお願いすることも、やくざを殺すことも、突き止められることも、ハッピーエンド?的な終わりもあり得ない。
なんともいいようにない感情
全262件中、1~20件目を表示









