「美化された中に存在する障壁」真白の恋 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
美化された中に存在する障壁
難しく考えると、完璧に美化された話の中に存在する、拭い去れない壁というものを突きつけられたら気がするけれど、基本的にドラマそのものが面白かったので、風景も演技演出も映像も全てがよく見えたように思う。
個人的には特に、俳優陣の演技なのか監督の演技なのか分からないけど、画面に漂うナチュラルな空気感が素晴らしいと思った。
障害者を扱ったネタ、しかも汚れ無き展開、それでいてリアリティを保ち得ているのはこの空気感があってこそ。素直に泣き笑いできた。
ただ富山という地域性はあまり感じなかったし、キレイな所とかいい場所という言葉が耳につき、かえって地域の特別感が薄れていたように思う。
焦点は明らかに人間関係の方に向けられていたし、富山というロケーションはあくまで付随する要素でしかない。だからこそ面白いんだろう。無理にロケーションを強調した写真などが全面に出てきてしまうと、つまらない作品になってしまうのかもしれない。まぁ想像の域でしかないけれど…
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