「シンプルに、力強く。」ビニー 信じる男 marさんの映画レビュー(感想・評価)
シンプルに、力強く。
普通に歩けるまで回復することすら難しいと言われた首の骨折から、
ボクサーへの復帰とタイトル獲得。
現実にこんな人がいた、っていうのがまずちょっと信じられないレベルだし、
マンガの設定でもそこまでやらないでしょってほど荒唐無稽な、衝撃の実話(ベース)。
ボクサーって稼業は完全に身体が資本なわけで、
それを丸ごと失ったときに残ったものはなんだっていうね。
アスリートに限らず「資本」って僕ら全員がそれぞれもってると思うんだけど
そういう、自分を自分たらしめてるものって本当は何なんだろう?って考えさせられた。
いちばん心を揺さぶられたのはやっぱりラストで、
「『そんなに単純じゃない』って皆が嘘をつく」ってやつ。
なんだかんだと考えすぎちゃうより、信じて行動すること。
まずは自分で自分を信じてやらなきゃ始まらないっていう。
全体的にとても良い作品だったと思うけど、
個人的にはボクシングの試合シーンがちょっと淡泊すぎた印象。
ファイトシーンの熱さは『ウォーリアー』がバツグンだっただけに
そこでちょっと物足りなさが残っちゃったかなと。
全体を人間ドラマと捉えてるのは分かるけど、
ボクシングを題材にするなら肝心の部分だったと思うなー。
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